09年 沢合宿・尾白川遡下降の記録
日程:8月22日~23日前夜発
メンバー:CL-安井(W5)、SL-北原(W3)、医療-西垣(W3)
食当-山田(W1)、気象-西山(W1)
CT:合計タイム14:10
0}JR国立~4:30(車)~▲道の駅はくしゅう
1}▲~0:30(車)~日向山登山口前のパーキング(遡行開始)~1:40~林道終点~0:50~尾白川沢床~1:30~②上~2:30~③上~2:10~④上~0:40~▲噴水滝前 [9:20]
2}▲(下降開始)~1:20~③上~1:10~②上~1:00~林道終点~1:20~日向山登山口前のパーキング[4:50]
対処(遡行図は関東ベスト50ルートを参照のこと):
入渓点
廃道となっている林道を歩き、トンネルを三つ抜けると林道終点。途中、一ヶ所、林道が崩壊しているところがあるが特に問題はない。そして、林道終点正面に尾白川へのフィックスロープのある下降ルートがある。何も考えずに歩いていても見つかる。この下降ルートでは数箇所、しっかりとしたクライムダウンを強いられるので、そこだけは残置ロープからセルフビレイをとったりして対処する。残置ロープもセルフビレイがとりやすいようになっている。四本ほどフィックスロープを使って下降すれば、すぐに入渓点。
遡行
①釜を持つ滝
(遡行)水流側の右壁を登る。釜を左から泳いでとりつき登ることも可能。
(下降)右壁をクライムダウン。もしくは滑り台。ていうか、ここが尾白で一番の滑り台ポイント!一生の思い出だと思って、全員滑り台を楽しむことをオススメします。
②二段ナメ滝(遡行図上では独立した二つの釜を持つナメ滝)
(遡行)二つまとめて右岸巻き。一段目の滝には、巻き始めの急斜面に残置トラロープがある。その後も急斜面が続くが、残置ロープや足場用の杭のようなものがあるので、それを使って登る。すると一段目を巻き終わったところでテラスのようなところにでる。そこから、滝の落ち口にトラバースするルートもあるように見えるが、正解はさらにルンゼをつめあがるルート。最後に滝の落ち口に下りるところは足場がなく怖いが、今回は残置ロープが設置してあったのでそれを利用した。
(下降)遡行したときとルートは一緒。二段目の巻き道のルンゼ、一段目の巻き道のトラロープがないところ、の二箇所でパワーロープを使った。とくに危険はないが、トラロープをガン頼りで懸垂のような格好で降りるところは力が必要で少し怖い。ここは懸垂で対処するのもありだと思う。支点はどこからでもとれる。
③鞍掛沢までにある釜を持つ直登不可の滝(3つ)
一つ目:ワイヤーロープが張ってある滝
(遡行)右岸巻き。ルンゼを20mほど登ったところから踏み後に沿ってトラバースするルート。このトラバースルートでは、途中で一ヶ所、足を大きく開いて渡る少し怖い箇所があるが、ここは残置ロープがあるのでセルフビレイをしっかりとる。この巻き道の最も危険な箇所は巻き終わり。落ちたら終わりのトラバースとつるつるすべる岩肌の下降を強いられる。なのでワイヤーロープからプルージックで支点をとり、フィックスロープを張り、下降用パワーロープを構築した。ここのトップはロープ構築含めかなり危険です。北原君の対処は見事でした。ちなみにワイヤーロープはとげとげしているので軍手を使うなどしないと痛い目をみます。
(下降)遡行したルート。今度はワイヤーロープから登攀用のパワーロープとフィックスロープを構築する。
二つ目:5mくらいの滝
(遡行)左岸巻き。ここは余裕。水流右もなんとか直登できそうだが、無理する必要ない。
(下降)遡行したルート。
三つ目:
(遡行)左岸巻き。ルンゼをつめあがり、滝の側のトラロープがあるルートをトラバースする。結構長いトラバース。トラバース中は二箇所ほど、岩肌をクライミングするところがあるので、そこではしっかりセルフビレイをとる。ここの問題はトラロープの支点のもろさ。ここのトラロープはあくまでバランスとる程度にして、信用してはいけない。念のため、僕らは途中で他の支点からビレイを足した上で使用した。
(下降)遡行したルート。
④鞍掛沢後にある釜を持つ直登不可の滝
(遡行)右岸巻き。最もCLが怖い思いをしたところです。最初のところからトラロープが延々とはってあるので軽い気持ちで偵察に行ったら、トラロープが終わってからのルートが全く分からない。どうやら、それまでのルートは崩壊してしまったようだった。そのせいで気付けば、1時間半近く1人で巻き道探しをやっていることに。途中で心配になった北原君が僕の様子を見に来てくれましたが、そのときの心強さといったら半端なかった。とにかく見つけたルートはトラロープ終了地点から15mほどつめあがり、少しトラバースしてから、枝沢のそばに懸垂下降し、枝沢を下降するルート。総括すると、対処としては、トラロープ後の斜面を登るのにパワーロープ、その後の懸垂下降でザイルを使用しました。ちなみに巻き始めのところのクライミングもセルフビレイが必要な程度になかなか怖い。
(下降)遡行したルート。遡行のときに懸垂下降したところ、トラバースするところを含めて、フィックスロープを張り、さらにトラロープのところまで降りるところで再び懸垂下降を行いました。
⑤噴水滝前の釜を持つ直登不可の滝
(遡行)小川谷のつるつる大岩のようなところからトラーロープを使って、一枚岩の岩肌をトラロープを使ってトラバース。トラロープが終わってからは小さく滝を巻くようなルート。対処としては、トラロープが終わったところから一度下降用のパワーロープを使っただけ。
(下降)遡行したルート。
⑥噴水滝
⑤の巻き終わりのところに4~5人テントがぴったり収まるテン場があります。3時すぎという時間と、噴水滝で遊べるという効用から、少し迷っただけで、ここで泊まることを決定しました。
携帯:ドコモならテンバ場からでも使えます。
お見送り:木村君からもらったチーズフォンデュはうまかった。
CLコメント
ここはとにかくめちゃくちゃ景色がきれい。西垣君いわく「白の岩、緑の木々、青い空の色のコントラストがたまりませんわぁ。」それだけじゃなくて、釜で泳いだり、滑り台を楽しんだり、沢泊まりでゆっくりできるという、沢の楽しみが盛りだくさんの沢だったと思います。僕としては本当に最後の最後でしたが、いい沢にめぐり合えました。
ただ難易度としては2級ぐらいかなぁと思います。一つ一つの滝が大きい分、巻きがのきなみいわゆる落ちたら死ぬぐらいの大巻きになるのでなかなか遡行には神経使います。また、様々なロープワークが必要とされる沢でもあったので、そういった意味でも少し難しい沢です。来年、もしくは再来年のリープレにしても面白いかもしれない、と思いました。