●入渓まで 奥多摩駅1605着。そこから京王タクシーで下降点へ。京王タクシーは大きいタクシーがあるので1台でいける。17:30下降点着。ここまで入ってくれる。下降点はいろいろ画像があるのでそれを参照するとよい。目印はミラーと、コンクリートのブロック、それに看板がある。看板は登山者向けのもので死亡事故が多いから気をつけろというような内容のことがかかれている。コンクリートで固めてあるのは一ノ瀬林道でもここだけだと思う。その日はそこでテントを張り早めの就寝。寝る時はあついが朝方は少々寒い。 1日目は林道から一ノ瀬川への下降から始まる。ここは明らかな下降用の道があるのでその道沿いにいけば問題ないが、少々危険である。遭対的に言えば「ロープは必要ないが、気をつけて下降する」という記述が望ましいような下降である。 沢床につくと一ノ瀬川を下降する。遡行という記録もあるが間違いなく下降である。不安があるなら一ノ瀬林道から大常木谷の谷線を確認するとよい。木が生い茂っていたり、ガスっていなければ見えるはず。(その周辺でおおきな谷は大常木くらいだから間違わない。) 一ノ瀬川を3度ほど徒渉することになるが、スクラムを組むほどならば撤退すべき。おそらくいつでも3度くらいの徒渉は必要だが、一ノ瀬川の徒渉点を遭対で明らかにする必要はない。一ノ瀬川を少し下降すれば大常木谷出合にでる。 ●入渓 出合:出合から見えるのは美しいナメである。水が澄んでとてもきれい。 2m:釜が深く、直登はできるのかは不明。基本的にはオススメしない。我々は右から巻いた。巻きは問題ない。 五間の滝:スケールが大きく圧倒される。これは覚えて遡行すべき。初見では「これ直登!?」って感じになるが、案外近づけば傾斜も緩く、ホールドもスタンスも豊富で問題ない。釜を右からへつって水流右を直登する。(今回は北原と西垣が登って後続を確保。ラストが安井さん)ただしそれはリープレでのトップの話で、当然後続は確保すべきである。確保支点は残置ハーケンからでているシュリンゲから。2009年8月15日現在で残置ハーケンが2本で、若干不安があるので、ハンマーとハーケン、ナッツ、カミングデバイスといった登攀具を持って行くと安心。ここからのPRはあまり意味がないように思われる。また、2年でリープレを経験し、小川谷や米子などの登攀系2級以上の沢に行った者がリーダーを務めるべきである。 水量が多く右から突破できない時は少し戻れば大高巻きのルートがあるらしい。落ち口への下降用とみられるロープは確認できた。ちなみにこれは途中で出会ったおじさんが教えてくれた話だが、かなり信用はできる。 4m:左はぬるぬるしており登りにくい。右からもあまりよくないが今回はハーケンを打ち足してフィックスロープを張り、それにカラビナをかけて通過。安井さんは左からフリーで通過。「登り始めると戻るのが怖かった」から最後まで行ったらしいが、やはり、無難に右からがよい。 千苦の滝:予定通り右巻き。これはどう考えても直登はない。滝と同じくらいまで登り、そこから見えるトラバース道を通り巻く。尾根までは絶対に上がらない!これを覚えておくべき。今回はトラバース道の手前にシュリンゲがあったが、毎回あるとは限らない。トラバースの際一番怖いのが中盤にあるルンゼの通過である。ここでは残置フィックスロープが張ってあるがそれでも怖い。カラビナをかけて一人ずつ通過することが望ましい。 山女魚淵:右からで問題ないし、今回は倒木があったためそれを利用すれば腰くらいまで水につかるだけで通過できる。残置シュリンゲも豊富にある。特別な対処は必要ない。元々はもっと水があったが、最近埋まったらしい。だが、だんだん水量も戻りつつあるらしい。(前述のおじさん談。ちなみにこのおじさんは水量を元に戻すべく努力してるそうな。) 早川淵:ここも先の山女魚淵程度の淵がたくさんある。全部雰囲気で突破できるし、泳いでも楽しい。だいたい直登すれば問題ない。 不動の滝: 間違いなく右巻き。明瞭なルートがあり、上段、下段ともに一気に巻ける。とりつきから少しの間道が悪いのでPRなど出せばよい。支点となる木はある。 会所小屋跡:右岸がすこし高くなったところである。広いのでテン場には困らないだろう。 15mCS:会所小屋から1時間ほどの遡行で大きなCSの滝にでる。ものすごく大きいのですぐにわかる。CSの両方から水が流れているが、右から登る。上段は問題なく階段状になっている。下段は取り付きが少し難しいが釜が下にあるから、それほど問題はない。全体的に高度があるのでそれなりの対処が必要。今回はハーケンを2本打ちたしそれを支点にPRを出した。(ちなみにハーケンは残置した。)ここでも登攀具を持って行く方がよい。 3mCS:この手前にもCSと呼べるような滝があり、間違えやすい。またこの滝は迫力的にも5mCSくらいの名前がつきそうな滝である。対処としては左巻きが簡単。直登は滑りやすい、斜度がきついことからかなり難しいと思われる。今回は巻いた。 ツメ:3mCSを過ぎると倒木帯にさしかかり、かなりだるい。安井さんはアスレチック感覚で楽しかったとか言ってたが、それは神ゆえのことであろう。パンピーはかなり体力を消耗する。その後も本流をたどれば縦走路にあがれる。一瞬だけ笹藪を超えることになるがほんの数分でいい。 感想:今回はリープレとして大常木に行ったが、まさにリープレといえるような山行であった。登攀、巻き、ハーケンなどでの対処、沢泊まりなど盛りだくさんのよい沢だった。西垣のコメントだが、2年後のリープレとして出すのもよかろう。 |