05年度HWV記録
六月山行プレ 丹沢水無川本谷遡行
1.メンバー
CL:高野(3) SL・装備・記録:清水(2) 気象:小幡(2) 医療:真船(2)
2.行程概要
6月18日 渋沢ST~大倉BS―1:25(10分休憩)-▲戸沢の広場 【1:25】
6月19日 ▲―0:13―入渓点(最後の堰堤)―0:35―F1下―0:50―F3下―0:30―F5上(書策新道上で休憩10分)-0:50-F8下―0:30―二俣(休憩10分)―0:25―F9上―0:45―登山道―0:05-塔ノ岳山頂(大休止50分)―3:45(1:05分休憩)-大倉BS 【(4:25+0:20)+(3:58+1:55)=10:38】
3.問題点と対処(下降は~とあるのは、下降するなら~という意味。)
・お勧めネット資料…「丹沢.info」さんの資料が写真付きで分かりやすい。
・携帯電話…大倉入る。戸沢ぎりぎり。塔ノ岳山頂はiモードは入らないが、電波は入る。
・岩の状態…かなりもろい。登るときは細かなチェックは必要。
・斜面の状態…ぐずぐずで、落石の起きやすい斜面。鳥屋待ほどではない。
・鎖の状態…全体的に錆びているが、頼っても大丈夫であった。しかし、今後どうなるか分からない。
以下は滝の対処や気付いたことであり、遡行図は「東京周辺の沢」、「丹沢110ルート」を併用している。
・幕営地…戸沢出合で泊まった。確かにアウトドアキャンプ場っぽい(04三枝P)が、実はテン場代がかからない場所で、テントも張ったままデポした。
・入渓点…書策新道に乗り、源次郎を横断。そのまま本谷右側を行けば第二堰堤に着く。堰堤には右に残置ロープでアブミが作ってある。
・支流の出合…セドの沢→看板があり明瞭。沖ノ源次郎沢→非常に分かりにくい。木ノ又大日沢→『本谷方向に矢印あり、沢床も大分高い、F6が見える」以上の理由により明確だ。金冷シ沢→看板があり明確。
・F1…鎖沿いの左壁を登った。高度感はあるが、しっかり三点支持をすれば問題なし。
・F2…本当にF1のすぐ上。鎖のある左側をそのまま登る。途中から巻かなくても問題なし。ちなみにこれの下降はきついと思う。適当な懸垂支点はないし、クライムダウンも厳しいかも。
・二条3m…左を巻いた。降りるのは木の根にお助け紐を回してゴボウ降り。正解は左の大岩の下をくぐるか、後ろを回るかだろう。
・F3…鎖沿いに。落ち口へのトラバースは嫌らしい。足場はあるものの梅雨のせいか土の付き方のせいで。途中に支点になるような木もなし。下降はかなり厳しい。
・F4…「F」をふる必要はない。突破も容易。というより注意して看板を探さないと通過したことに気がつかない。
・F5…直登はせずに直前に左から入るルンゼを登り、書策新道に入った。ルンゼは落石注意。ただ、そんなに傾斜が急ではないので後続Pがいなければそこまで心配する必要はない。
・
・F6…はっきりした左巻き。やや緩いが大きな問題なし。下降も同様の道を巻き降りれば問題なし。
・F7…崩壊していて、判別が困難。突破に支障はない。
・F8…崩壊が進み、だれに聞いても「F8に気をつけるように」とのコメントが返ってきた。直登は…言われているよりは難しくなさそう。レベルの高い人たちが途中で打ちまくれば登れなくもないだろう。でも、かなり崩れやすそうであり、そこまでの危険を冒してまで登る価値はないのかもしれない。巻き自体は残置ロープのおかげで簡単に行った。確かに高度感はあって、ルンゼの横断は嫌らしいが、落石も意外に置きにくいし、手がかりになる木や木の根も豊富にある。下降は緩い傾斜で踏み跡もはっきりしていて問題ない。
・F9…右から巻いた。ルーファイがめんどい感じ。
・古い堰堤…崩壊している。
・ツメ…ガレが急になったところで左の尾根へ。途中から道がはっきりしてくる。
4.状況・感想
15時渋沢駅集合。電話&提出を済ませ、バスで大倉へ。大倉からはだるいだるいアプローチ。やっとのことで戸沢に到着。途中作治小屋の人から情報収集。水は増えていないが、斜面の状態は良くないとのこと。戸沢でも戸沢山荘の人(?)と仲良くなり、やはり「F8と落石に注意」と伝えられる。ここのおばさんはかなりいい人で鹿スペアリブのバーベキューを差し入れてくれた。テントを張り、リーダーは偵察へ。夜は20時くらいに寝始めるがなかなか眠れない。暑いし、明るいし。その後なんとか眠りについた。
朝3時30分起床。のはずだったが…。CLが1時間近く前から起きだして何やらごそごそ。SLは切れそうになるが、文句だけ言ってすっきり。準備はだいたい整ったが、まだ暗いので少し待って4時30分に出発。天気は曇りだが予報では降らないことになっているので出発。
オーダーはCL―真船―小幡―SL―で出発。入渓点への道はCLが飛ばす飛ばす。真船も普通に着いていく。さすがに起床後2時間経っている人は違う(笑)。入渓してからしばしたとこで少し心配になったので偵察に行ってもらうことにする。水量・方向から考えて本谷であることは明らかであったが。というより、SLは少し休みたかった。鳥屋待でもそうであったが、前夜発はどうも体調が優れない。何がいけないのだろうか?予想通りF1を発見し、戻ってきてくれた。すみませんでした。さてF1です。高度感は感じる人感じない人両方いた。鎖は補助程度。すぐにF2、どう見ても途中から巻き気味に行く感じではない。トップが鎖沿いに突破。後続も続く。二条3mもサクッと越えるはずが越えない。トップが直登を試みる。SLは右を見る。小幡は左を観察。直登は断念。小幡が左巻きを偵察に行く。戻ってきて降りがまだ分からないとのことなので、CLも行く。降りられるとのことなので後続も続くが簡単には降りられない。「何で呼んだの?」という気持ちだったが仕方なく木の根にお助け紐をかけてゴボウで降りる。するとこの回収に多少とまどる。上から見ると正解は明らかに右巻き(大岩はくぐってもいいし、まわりこんでも良い。もちろん登攀力があれば直登も可)。次は問題のF3。まずはCLが行く。呼ばれて後続も続く。落ち口へは鎖をガン頼りしてトラバース。足場は良くない。F4さくっと。さてF5ルンゼから問題なく巻く。傾斜がそんなにきつくないがみんな落石に神経質に。そんなに気にしなくても良いと感じたがこのくらい慎重でも悪くはない。書策新道が横切るところで休憩。SLが「エスケープせずにここまま遡行する?」と厳しめの発言(?)のせいでみんな無口。
ルンゼを見送ると木ノ又大日沢出合に着く。明らかに左が本谷だがSLは黙っている。前の二人は左をしばし偵察。戻ってきた後、上記した理由を説明し左へ。F6はさくっと巻く。F7は判別に苦労した。小幡は看板の多さと「水無川」というネーミングにしきりに苦言を呈していた。金冷シ沢を見送りしばらく行くとF8が見えてきた。この巻きの前に休憩を取りたかったが、このあたりで休憩を取るのは自殺行為なのでそのまま巻きに突入。滝すぐ脇のルンゼからしばらく上がるとおびただしい残置ロープが!!どなたか親切な人がルート工作してくれたのだろう、ルンゼ横断まではずっと11・10.5ミリロープかトラロープが張ってあり、足場もしっかりしていて容易に突破。ルンゼ横断は多少怖いが問題なく通過。そして簡単に沢床へ。しばらく行くと左から枝沢(滝で合流)が入る。このあたりは割りと開けているので休憩とすることにする。比較的安全な場所ではあるが、こういうところでヘルメットをとってはいけません。そして、右の斜面に背を向けてもいけません。二年生に「次の二俣はどっちに入るでしょう?」と聞くと真船が「右」と即答。よく見てますね、さすがです。F9の巻きは右。しばらく登ると踏み跡が上まで続いているっぽい。「このままツメない?」的な意見もあったが、水がないのと遭対違反なのでサクッと却下。というか冗談だった。壊れた堰堤を見送るといよいよガレてくる。なんともいえないタイミングで尾根に取り付きそのままツメる。このあたりでSLの膝の調子が悪くなり始める。
登山道にでて、しばらく行くと山頂に到着。団体さんを始めたくさんの人で賑わっている。ここでは展望が最高で、見渡す限り白いガスに覆われていて幻想的。R大学山岳部の方に会って会話。大休止の後下山開始。オーダーは逆にする。下りはやはりかなり膝に悪い。途中でザック解体をしてもらう。本当にこの下山がだるい。SLのせいでペースが遅いことを除いてもひどいものだ。戸沢でテントを回収し…。もう記録はいいや。反省会ケンタ。今年渋沢5回目。もういいや。
5.リーコメ
CL…
SL…リーダーでありながらザック解体をして本当に申し訳なかった。しかも、朝は体調まで悪かったし。
この山行はコミュニケーションの確認と、文登研で学んだ安全への配慮を伝えられたと思う。
ただ、反省点としては二条3mでの下降確認の甘さと、直前確認の甘さだ。みなさん滝についてから対処を確認しすぎです。頭に叩き込んでおきましょう。また、木ノ又大日沢出合もネット資料で確認していれば楽勝だったはずです。
この沢については得るものは少ないです。鎖が突破を容易にしている一方で必要のない判断(設置された鎖の状態判断)をさせられるし、F8の巻きはあまりにも拍子抜けになっている(高度感は抜群)し。極めつけは下山のだるさ。
真船は今回も非常に動きが良かった。トップが困難なルートを取っているときはきちんと正解ルートに修正するし、上りも慎重かつ大胆に(アタック25ではない)、体力も抜群で言うことなし。
小幡も二条3m以外は問題なし。ただ、もう少し事前に頭に入れておいて欲しかった。
うざい下山とゴーロ歩きが意外にあったので良い釜の沢のプレになったと信じたい。