西吾妻山・二十日平ルート
日時 2024.3.24
山域 吾妻連峰 西大巓~西吾妻山
文責 辻
メンバー CL:小川さん(2020年卒)、SL:辻(W3)
天気 曇りのち快晴、積雪量そこそこ ⇒グランデコスキー場で230cm
雪質 パウダー後半シャバ雪
地図資料 25000分の1地形図「」
山スキールート212「西吾妻山」
コースタイム
ゴンドラトップ(9:00)-1:35-西大巓(10:35~11:00)-0:50-西吾妻山(11:50~12:10)-0:45-1550m台地(12:55)-1:00-二十日平(13:55)-0:30-渡渉ポイント(14:25)-0:20-ゲレンデ下(14:45)
合計5:00
コース記録(YAMAP)
【詳細】
長尾君と計画していた黒部五郎計画が流れ、代替に付き合ってくれる現役部員もいない中悩みに悩んで、小川さんを頼って福島遠征に行ってまいりました。前日前々日とスキー場での練習も挟み、快晴の日を狙って西吾妻にアタックしました。
福島駅から歩いて5分の小川さん宅より、6時半ごろ出発。一時間半ちょっとでグランデコスキー場に着いてゴンドラの列に並ぶ。この日は快晴予報ということもあって登山客も多く、15分ほど待ったか。ビーコンチェックだけ済ませて歩き始める。
ゲレンデ内の歩き始めは中々の急登。私が始めペースを上げすぎて小川さんに小言を言われる。20分ほど急斜面を登ると登山道が森へと入っていく。ここから西大巓までダラダラとした登りが続くのでペース配分には注意したい。1843mのニセピークあたりで樹林が薄くなり後方の展望が開けてくる。南面のバーンを左目に樹氷が出てくると次第に西大巓に到着する。西大巓からは360度の大パノラマ、展望は西吾妻よりもこちらの方がよく見える。この日は真っ白な飯豊連峰と後方の磐梯山が美しかった。西吾妻とのコルまでは結構な高低差があるため一度シールをはがし滑走するが、今回は稜線中央より中ノ沢寄りを滑った。よい雪質で小気味よくスタート、と行きたかったが早速バタリ。片側傾斜の滑走だったため思うようにターンできず苦戦した。比べて小川さんはスイスイターンを決めるものだから実力差を感じる。と言いつつすぐにコルに着いて再度シールを装着する。
シールを装着したのが急斜面の中だったため装着後は早めに退避、雪崩リスクを考えると斜面の中での作業はよくなかった。コルから西吾妻山頂までは30分ほどの登り。そこまで斜度もキツくなく、樹氷が美しく立ち並んでいて飽きない。西吾妻の山頂は特に標識などもないが、反対側に東吾妻山へのなだらかな稜線、西側には磐梯山と猪苗代湖がよく映えていた。
木陰で強風をしのぎつつ、シールをはずして滑走に移る。この日はコンディションもよかったため南面を滑ってゲレンデ下を目指す二十日平ルートを選択した。始めは樹氷の間を滑るが、10分もしないうちに背の高い樹林帯へと変わりその後は延々とツリーランが続く。そのため周りの地形が全く読めなくなるためベアリングは必須だ。中盤1635mピークを目標にしていたが知らぬ間に過ぎてしまっていた。特徴的な地形としては1550~70mの台地状だろうか。地形図でも5mごとの等高線が引かれているが、本当にベターっとした地形でストック漕ぎっぱなしだった。このあたりで二十日平に向けて再度ベアリングをとって急斜面に入る。1450mあたりからはルートの右手に深い沢が出てくるので見逃さないようにしたい。これを間違って反対側に落とすと面倒だ。1350mあたりで地形も明瞭になってくるので一安心。二十日平まではダラダラと板を流していく。
二十日平からは最後の難関となる渡渉がある。まず二十日平から南の斜面はかなりの急斜面になっているので、西側の尾根状から高度を落とす。ルート本では1090mくらいで渡渉していたので探ってみるが、手前がかなりの急斜面になっていて危なっかしい。また微妙に沢が埋まりきっておらず沢床からの復帰が辛そうだ。くの字に折れ曲がった地形に沿って下流へと向かうと、地形図上で点線が入ったあたりで沢床が浅くなって渡りやすそう。藪の中をなんとか滑り降りて近くまで来ると、予想通り渡りやすくなっていた。ゲレンデへの復帰も楽で、恐らくここが一番楽に渡渉できるだろう。これより下流で沢床に降りるとどこからも渡れなくなってしまうので、慎重にルートを探したい。復帰後は少しゲレンデを滑ってゴール。
小川さんに連れていってもらった土湯温泉、めちゃくちゃ気持ちよかったです。
【総評】
思い付きでお邪魔した小川さん宅で前々日に決めて突っ込んだ山行でしたが、今年行った中では一番雪質がよく、とてもスキー向きの山で楽しい滑走でした。今年は四阿山も平標山も巻機山も辛い滑りばかりだったので久しぶりに楽しい山滑走だったと思います。後輩部員にもぜひ行ってほしい。
反省としては小川さんに色々指摘された装備の部分とペース配分についてですね。装備についてはナイフやコンパスを付ける細引きがほつれていたり、ライターが電磁式で冬山様式でなかったり、替えの下着を用意していないなど細かいところで詰めの甘さがありました。またペース配分については後ろの先輩からのプレッシャーを感じがちな部活の弊害を感じました。まだあと2年在籍する予定ですが、そのあたりの現役部員の甘さを低減したいと思います。