会津駒ヶ岳・滝沢尾根ピストン
日時 2024.3.30
山域 会津駒ヶ岳
文責 辻
メンバー CL:辻(W3)、SL:大内(W2)、医療:前川(W2)、顧問:小川さん(2020卒)
天気 曇り(山頂部濃霧と強風)、積雪量少な目 ⇒グランデコスキー場で98cm
雪質 強風により森林限界以上はカチカチのクラスト。森林限界以下はよく締まっていたが、午後にはシャバ雪に。
地図資料 25000分の1地形図「会津駒ヶ岳」
山スキールート212「会津駒ヶ岳周辺」
コースタイム
滝沢登山口(7:50)-0:55-階段登り口(8:45)-1:00-ヘリポート跡地(9:45)-0:55-1650m台地(10:40)-0:50-森林限界(11:30)-0:50-駒ノ小屋(12:20~40)-0:45-1650m台地(13:25)-0:25-ヘリポート跡地(13:50)-1:10-階段登り口(15:00)-0:15-滝沢登山口(15:15)
合計 7:05
コース記録(YAMAP)
【詳細】
元々計画していた月山肘折ツアーが流れたので、山スキーでは定番の会津駒ヶ岳に日帰りで行ってきました。コンディションも良くなかったので登頂とはいきませんでしたが、2年生二人の経験にはなったかと。
当日は2時小平を出発し、大泉ICから東北自動車道を経由して西那須野塩原ICで降り、合計4時間強で檜枝岐に到着。小川さんが少々遅れるとのことで道の駅にて休憩したのち、道の駅と登山口の間にあるテニスコートの駐車場に駐車した。他の登山者も車を止めており、特に問題はなさそう。7時すぎに小川さんが来られて準備を始めるが、ここで前川がビーコンを忘れたと言い出して辻と小川さんから雷が落ちる。とはいえ怒っても仕方ないのでどうするか協議した結果、そこまで雪崩リスクは高くないと見られるので、沢地形に入り込まないことを条件としてゴーサインを出した。本人は長尾君と交換しながら使ってたので緊急で~と言い訳を垂れていたが、命にかかわる部分に妥協することは絶対にしてはいけない。肝に銘じてほしい。
テニスコートの駐車場から3分ほど歩いた登山口でスキーを履き、ビーコンチェックをしてスタート。登山口からはしばらく夏道沿いに歩いたのち、二俣を左にそれて林道をショートカットする。結構ここの林道は長いのでショートカットする方が明らかに短くなるのだが、案外斜度がありファーストピッチとしては少々キツめ。林道合流地点ではヘリポート跡まで沢地形を詰め上がるか、夏道沿いから登るかを話し合ったが、雪不足であることと先述のビーコン忘れの件から夏道沿いを選んだ。すばやく板をザックに取り付け、シートラで階段に取りつく。ここの階段は雪で埋まってるとピッケルも必要だと聞いたが、今回はほとんど溶けていたのでそこまで難しくなかった。どちらかと言えば直後の夏道がスキーブーツだと滑りそうだったのが若干怖い。5分もせず板の履けそうな場所が見つかったため再度板を履き、ヘリポート跡を目指す。ヘリポート跡までのこの区間は全行程でも最も傾斜があるので、緊張を強いられる。細めの支尾根上をジグを切りつつ登る。ヘリポート跡の直下は傾斜が一段ときつくなるので、トラバースを繰り返して慎重に登る。またこの区間の中間で北東に別の支尾根が分かれているのが見えるので、下降の想定のために確認しておきたい。
ヘリポート跡は切り開かれていて広場になっているので、中々気持ちがいい。ここでしばらく休憩ののち滝沢尾根の登りにとりかかる。ここから駒の小屋まで単調な登りが続くが、傾斜は大して強くなく難しさもない。ただし下りのときには支尾根への迷い込みが課題となるので、登りのうちに確認しておきたい。この登りの途中3パーティくらいとすれ違った気がする。標高を上げるごとに少しずつ樹間が広くなっていき、1900mあたりで森林限界に達する。この時点でかなりの強風が吹き、視界を霧で相当狭まっていたため、協議ののち駒の小屋までのコンパスでのナビゲーションをとったうえで慎重に進むこととした。この区間は濃霧の上足元はクラスト、かつ右手に落ちるトラバースだったためそれなりに怖かった。今回は使わなかったと思うが、同様のコンディションならクトーを装着した方がよいだろう。駒の小屋手前では小ピークを一つ過ぎ、斜面を登り切って駒の小屋に到着。この時点で10分ほどリミットを過ぎていたので、登頂はせず引き返すこととした。駒の小屋は3mほどの積雪ですっかり埋まっていた。
小屋から森林限界の間は先述の通りクラストしていたため、横滑りとボーゲンで慎重に降りつつ、お互いが見える距離を保って進んだ。ここでスキーが外れたら一巻の終わりなので、こういうシーンを思い出すとやはり流れ止めはつけておいた方が良い。小川さんの言で現役部員それぞれがトップを回しつつ、20分ほどで森林限界まで。ここまできたら雪質も落ち着き一安心できる。以降は大内をトップ、前川をセカンドとして二人にルートどりを任せて降った。ここからはやはり単調な滑りなのだが、1650m台地を過ぎたあたりからガスが晴れてきて展望が出てきたのでそれなりに気持ち良かった。ヘリポート跡からは登りと同様夏道か沢沿いかの二択であったが、先述の理由で降りも夏道を選択。この時点で14時を過ぎていたので、大分シャバ雪になっていた。慎重に支尾根を降るものの、途中から藪がそこら中に出ていたのでしんどい滑りになった。特に支尾根が分かれるあたりは目の前が急斜面になっているので気を付けたい。そんなこんなで階段手前までスキーで下り、再度シートラで階段をくだった。階段下からは林道をダラダラ滑ってゴールイン。お疲れ様でした。
【総評】
計画が飛んで突貫工事で出した山行だったが、山スキーとしてはいい経験になったと思う。自身としても後輩の前でリーダーとしての成長を見せられたのではないかと思う。しかしながら小川さんに指摘された通り、森林限界を超えて以降リスクを分析しないままガスの中に突っ込んでしまった判断は、パーティに不要なリスクを与えてしまったと反省しなければならない。
会津駒ヶ岳は山スキーの楽しい山だと聞くが、今回のコンディションでは楽しいところを感じられなかったので、またコンディションのよいときに来たい。また泊りでのパーティを出せると理想だが。下山後の燧の湯など檜枝岐の雰囲気も素敵だったので、今後もぜひ行ってくれるとよいと思う。