白馬三山縦走(栂池~鑓温泉~猿倉荘)
日時 2024/8/20~22
山域 北アルプス北部 後立山連峰
文責 辻
メンバー CL・医療:辻(W3)、SL:山口(W3)、食当:生田(W2)、天気:下河原(W1)
天気 概ね晴れ
地図資料 山と高原地図「白馬岳」2024
夏山JOY2024「白馬岳2泊3日」
コースタイム
【1日目】 栂池自然園(10:55)-1:10-天狗原(12:05)-1:30-白馬大池山荘△(13:35) 計 2:40
【2日目】 白馬大池山荘△(4:45)-1:15-小蓮華山(6:00)-0:30-三国境(6:30)-0:50-白馬岳(7:20)-0:10-白馬山荘(7:30)-0:10-大雪渓分岐(7:40)-1:20-杓子岳(9:00)-1:30-白馬鑓ヶ岳(10:30)-0:30-白馬鑓温泉分岐(11:00)-1:30-白馬鑓温泉小屋△(12:30) 計 7:45
【3日目】 白馬鑓温泉小屋△(3:30)-0:35-杓子沢(4:05)-0:55-小日向のコル(5:00)-1:30-猿倉(6:30) 計 3:00
合計13:25
【詳細】
夏休みの合宿がことごとく悪天候で潰れ、さらに上級生不足でまともに教育が出来ていない2024夏、下級生のモチベーションアップのため白馬三山へと行ってきた。岩場も大してなくちょっと背伸びしたハイキングみたいな山行だったが、いい景色が見られたし目的は果たせたと思う。テント泊のあれこれも教えられたのでよい山行になりました。
<アプローチ>
当日朝3:30に国立駅集合、4時間半かけて白馬村へ。八方第2駐車場にレンタカーを停め、しばらく仮眠をとってからバス停へ向かった。栂池に向かうバスには八方バスターミナルから乗れる。乗車前には施設内でチケットを買う必要があるのでご注意を。バスに揺られて30分ほどで栂池ゴンドラ駅に着、そこからロープウェイに乗って40分ほどで栂池自然園に到着した。到着早々に下河原が「水忘れたので買いに行く」とか言い始めたので雷を落とそうかと思ったが、ここでは控えた。
<1日目>
ゴンドラ駅から歩き始めて5分ほどでロッジに着く。綺麗なトイレもありまだ観光施設の範疇で、その間にある登山口から入山する。入山してすぐ急登に入り、天狗原まで300mほど上げることになる。そこそこ辛い。天狗原は綺麗な湿地帯で雲の平を彷彿とさせた。天狗原から乗鞍岳まではこれまた急登で、これといった危険個所もないがゴーロ帯がしんどかった。おそらくあのゴーロ帯に、早い時期だと雪渓が残っているものだと思われる。急登を登りきると広い野原に出て、山頂のケルンが見えてくる。ケルンを過ぎて10分ほどで白馬大池のほとりに着き、これを右から迂回して大池山荘に至る。
ここまでずっとガスガスだったが、到着してしばらくすると晴れてきて、目の前の花畑が綺麗に照らされた。トイレも綺麗だったしとてもすてきなテント場であった。個人的には夜9時頃にふと起きて目にした、満月とそれに照らされた大池の神秘的な光景は、ぜひ後輩諸君にも見てほしい。夕飯は生田のカレー、めちゃうま。お天気担当のシモ君はというと書き上げるまでに1時間20分もかかり、おまけに下手くそだった。やはり時間がかかるのでNo.1様式の天気図用紙はおススメしないし、練習してこなきゃダメよ~。
<2日目>
早朝3:30起きで支度して出発。山口君のリードのおかげで随分早く支度出来た。でもお湯沸かすのにずいぶん手間取っていたので、それがなければもう少し早められただろう。それからシモ君のパッキングもめちゃくちゃだったのでその場で指導。結構声を荒げていたら他のパーティから静かにするよう言われてしまった。反省。
出発してからは早速朝日に照らされる大池が目に映る。続いて船越の頭から向こうに雲海が広がり、上々のスタート。小蓮華山まではダラダラとした登りだが、両脇の絶景と道沿いのお花に癒されて飽きない。さらに小蓮華山に到着すると、運よく稀なブロッケン現象を目にし、パーティのテンションは絶好調となった。風は強かったがここまで恵まれることも中々ない。小蓮華山からはついに白馬主峰にロックオンし、天空の稜線歩きとなる。途中からは白砂の道となり、眼下に広がる広大な草原と日本海まで見晴らせる展望が見事だった。三国境から白馬岳まではそれなりの岩場があるが、まず苦戦はしないだろう。岩場を登りきると山頂まで水平な稜線歩きとなって、山頂に至る。
山頂からは360度の展望、特に南西方向に突き上げている剱岳、そして遥か彼方に見える槍ヶ岳のシルエットがカッコよかった。そういえば山頂で話し込んだ唐松岳まで行くと言っていた二人組はどうしたのだろうか。大学生どうしでの登山談義は楽しかった。
山頂から下ってすぐ白馬山荘、ここはちょっとした街並みみたいになってて立派だった。さらに降ると町営小屋、大雪渓側をのぞき込んでみたが、雪渓はさっぱりなくなってしまっていた。いくら8月でもここはまだ雪が残っていてもおかしくないのに、全く残っていないとはやはり今年の降雪量は異常な少なさだったのだろう。杓子岳直下までは多少のアップダウンがあり、振り返ると目に入る白馬岳は、雑誌でよく見るような左右非対称の稜線を抱えていた。西側は富士山のようになだらかな裾を引いている一方、東側はとげとげしい岩場を段々と携えている。深田久弥も「怒れる獅子の如き颯爽とした姿」とはよく言ったものである。
杓子岳の三角点まではガレ場の急登となる。急登といってもほんの少しなのだが、直下から見上げると中々の迫力だ。頂上は南北に細長く、東側は一気に切れ落ちている。と、ここでアクシデント発生。下河原クンがスマホをなくしたらしい。本人が慌てるもんだから落ち着いて記憶をたどらせて、きっと休憩地点に置き忘れたんだろうと考え急登を引き返した。結局予想した通りのところにあったのだが、通り過ぎる登山者らに何度も声をかけやたら大騒ぎしたものだ。反省してもらいたい。
その後杓子岳を横切る道すがらライチョウを見かける。この日は他に10匹ほど見かけたが、ここほどライチョウの楽園と呼ぶべき場所もそうないだろう。そしてその先は白馬鑓ヶ岳への急登だ。この日最後の登りである。ここは鎖のない岩場もありこの縦走一番のキツさだった。そしてそれ以上に山頂からの展望が美しかったことは言うまでもない。その後は鑓ヶ岳を背にし鑓温泉分岐まで下り、そこから1時間半かけて鑓温泉小屋までおりた。
小屋手前の30分は中々緊張するクサリ場の連続で少し驚いた。足を少し滑らせたら終わり、というシーンもあったので、これから計画するなら一応頭に入れておいた方がいいだろう。といっても特段装備は必要でないのでご安心を。結局小屋に着いたのは12時半ごろで、ガラガラのテント場にテントを張って早々に温泉に入った。やはり山上の温泉は別格であった。もちろん風呂上りの酒も含めて、である。とはいえガスで景色は見れなかったので、今度来るときはピーカンの展望もセットであってほしいものだ。晩飯は生田のアホが乾燥マッシュポテトを忘れやがったので、お楽しみに持ってきたマーボー春雨でしのいだ。シモ君の天気図は上達していたので、こちらは褒めたい。とにかく温泉の気持ち良さの一点だけで文句のないいい泊地だった。
<3日目>
最終日は降るだけ。早朝のバスを逃すと次が14時近くになるというので、朝2:30から支度してヘッテンをつけて歩き始めた。杓子沢までは渡渉部が散見されるが、しっかりした橋が架かってて心配はない。それよりも谷側に道の崩れた個所がいくつかあってよっぽど怖かった。そんなこんなでトラバース道を歩き、小日向のコルまでは少し登りも挟みつつ、残りはダラダラ降るだけであった。
嬉しかったのは猿倉荘が早朝から開いてて、そんでアイスが売ってあったことだろう。全員喜んで飛びついた。その後反省会を済ませてバスを待っていると、タクシーの運ちゃんに声をかけられて駐車場まで乗せてもらった。少しおまけしてもらって3700円、4人で割ればバスより安いのでラッキーだった。そんなこんなで満足して帰路に着きました。
【総評】
総じて楽しい山で、危険なクサリ場もほぼなく、登山道も歩きやすく整備されていてとても易しい山登りでした。この難易度で一年生に2泊3日を体験させられたという点で良い機会に恵まれたと感じました。
各自の反省点は現地で話したので割愛。今回は朝の行動開始までが二日とも速かったし、行動のペースも速かったのでよいパーティだったと思います。生田はこの経験を生かして後輩らを泊まりに連れていけるようになってください。