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2023年 - 山スキー - 国境稜線アタック


威守松小屋国境稜線アタック(OB二次合宿)

日時 2023.3.12

山域 巻機山・柄沢山

文責 辻

メンバー CL:小川さん(OB)、SL:中村さん(OB)、他参加者:辻(W3)、小野(W2)、長尾(W2)、新村さん(OB)

天気 快晴、積雪少

地図資料 25000分の1地図「巻機山」

コースタイム
威守松小屋(5:30)-0:30-860m地点(6:00)ー2:30-尾根上1200m(8:30)-0:50-1350m広場(9:20)-1:00-1650m稜線直下(10:20)-0:50-稜線上コル(11:10)-0:20-1820mピーク(11:30~12:00)-0:20-1650m稜線直下(12:20)-0:25-1350m広場(12:45)-0:30-尾根上1200m(13:15)-0:55-860m地点(14:10)-0:10-威守松小屋(14:20) 合計8:20

コース記録(YAMAP)


【詳細】
OB二次合宿としての威守松小屋。今年は永井さんが欠席されるとのことで、20年卒の小川さんがCLを務められました。
前日午前に清水に入り、泉屋さんで昼食。山菜尽くしで大変美味しかったです。おまけに余った炊き込みご飯もパックに詰めて持たせていただきました。またお世話になります。
小屋までは車道を歩き30分弱。着いてすぐ雪かきの予定だったが、今回はまさかのZERO。水も1月同様沢から直接汲めて快適だった。この日は860mまで登って登行ルートを偵察し、滑走練習。陽射しが強かったが、雪はよくしまっていて十分滑れた。帰ってきたところでついでに小屋前で試しの弱層テストも実施。肩から力を入れても雪柱はずれず、全身で思いっきり力を入れてやっと動いた。よほどでなければ雪崩の危険はないだろう。晩は現役のカレーと新村さんのローストビーフ、その他諸々で宴会となった。

翌朝4:30起床。朝ご飯は昨日の炊き込みご飯。小屋前で写真撮影したのち出発。既に空が白んでいた記憶がある。
860mから先はキックターンを交えてのジグザグ登行。井戸ノ壁に勝るとも劣らない急傾斜と言える。特に今シーズンは雪も少ないためツリーホールが見え隠れしており中々危なかった。早いうちに支尾根に乗り上げて、極力真っ直ぐ登る。途中一ヶ所大きな段差があり、苦戦。筆者は右から巻こうとしたが、谷地形と緩んだ雪に阻まれ断念。長尾君は周囲の手を借りてスキーのままカニ歩きで登ったが、私はスキーを担いで登った。これを超えるとようやく緩い尾根に出る(尾根上1200m)。

この尾根に出るとすぐに急傾斜の壁にぶち当たる。これを右方向にトラバースし、尾根に乗り上げる。このあたりのトラバースは横滑りしかねないので怖かった。尾根をしばらく歩くと1350m地点のちょっとした広場、目標の稜線・台地が見えてくる。ここから台地まで沢地形を登ってもいいが、小川さんの助言に従い斜面をトラバース。1650mの稜線直下まで簡単に登れるが、このあたりで左正面の斜面から転がってきた雪塊が見られた。ブロック雪崩の兆候と言っていいだろう。斜面を注視しつつ素早く通過する。

最後の稜線直下は急傾斜。シールも効きづらく、クトーをつけてもよかったように思う。なお途中長尾君のシールが外れる事故。急斜面の中補強しなんとか登ったらしい。このような状況を考えるとやはり最後はアイゼンでの登行も必要だろうか…。今回はそもそも装備表に加えていなかった。
斜面上部はハイマツがむき出している。油断すれば滑落しかねないので気は抜けない。これを登りきると反対側に尾瀬周辺の山々が広がっている。絶景かな。せっかくということで左手の三角ピークに登り休憩。誰もいない静かな空間だった(柄沢方面からくる人はいたが)。

休憩後は来たルートをそのまま滑走。コルにくだって1650mまでの急斜面が絶好のゲレンデ。あまりに気持ちよくトップながら飛ばしすぎてしまった(小川さんに軽く叱られる)。その後はしばらく沢地形を滑走。幅が狭くなってきたあたりで右に乗り上げて来しなと同じ斜面をトラバースし、1350m広場まで。ここからは斜度も増し、樹間の詰まったツリーランとなる。

注意点は登りでぶち当たった壁の分岐。主尾根から一段下がって北に尾根が伸びているため見逃さないように。雪が緩んでいれば谷地形への滑落も気を付けたい。その先も丁寧に尾根をたどりながら高度を落としていく。途中ツリーランから逃れようと沢地形に入ったが、ここで長尾君がまさかの魚雷発射…。片方の板が斜度100mは滑っただろうか。途中で止まってよかった。長尾君は残ったスキーを担いでツボ足で回収。流れ止めの必要性を実感する(邪魔くさいので私は採用しなかったのだが)。何はともあれ860mまで無事降りてこれた。ここから小屋までは見知ったルートだ。

【総評】
かつてない晴天の中、ワンゲル伝統のルートを登れたのは大変よかった。キックターンの連続は辛かったが…。今回は挑戦できなかったが、ノミオ沢と合わせて引き継いでいくべきものだろう。いずれは部のパーティで巻機~国境稜線も行くことができるだろうか…。
また小川さんには冬山リーダーとして多くの指南をいただいた。春山研修会を控える中で、大変貴重な機会だった。長尾君も(色々苦戦したようだが)いい経験になっただろう。来年再来年は彼とガンガンスキーツアーに行きたいものだ。小野先輩も運転やら食当やらお世話になりました。





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