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2022葛根田川(夏合宿)


山行記録 東北 裏八幡平 葛根田川・大深沢(2級)

〈文責〉藤田
〈目的〉沢合宿。沢中で二泊する。藪漕ぎをしよう!
〈日程〉8/8~8/11
〈メンバー〉CL:藤田(W3)、SL:辻(W2)、食当:長尾(W2)、救急・天気:大内(W1)
〈天気〉8/8曇り
    8/9曇りのち大雨
    8/10大雨・強風
    8/11小雨
〈コースタイム〉

8/8(1日目)滝ノ上登山口休憩所-0:50-入渓点-2:10-大石沢出合-0:40-中ノ又沢出合-0:30-葛根田大滝下-1:25-滝ノ又沢出合-0:35-二俣10m滝下-0:45-930m二俣▲

合計6:55 沢中6:05 沢外0:50


8/9(2日目)930m二俣▲-0:45-20m大滝下-0:55-10m滝下-0:55-八瀬森山荘-1:15-大深沢本流出合-1:45-北ノ又沢出合-1:10-ナイアガラ滝-0:25-十字峡▲(12:45)

合計7:10


8/10(3日目)十字峡▲(11:00)-10:30-大深山荘▲

合計 10:30


8/11(4日目)大深山荘▲-2:20-松川温泉

合計2:20


〈写真〉https://yamap.com/activities/18938163
〈電波〉沢中✕、大深山荘ではdocomo、au〇、softbank未確認
〈計画書提出〉コンパス
〈地図・資料〉25000分の1地形図 「曲崎山」

       山と高原地図 「岩手山八幡平」 

       トポ図 「沢登り名渓62選」

〈対処〉
・入渓点まで
滝ノ上駐車場からそのまま歩いていく。途中アブがすごかった。「立ち入り禁止、剣道終点と書いてある」ゲートを進み、以下2019小川P引用、「林道終点は「第6発電プラント」らへん。舗装が終わり車をターンさせるスペースがある。その先の藪に踏跡のような道が続いていた」。途中赤テープもあり、忠実に進んでいけば葛根田川に出る。川沿いで沢装を付けた。

・F1(淵)
何にも問題なし。この後ゴーロ歩き。

・F2(お函)
何にも問題なし。マジできれい。奥多摩・丹沢とは比べ物にならないスケール、美しさ、水量。そしてこのスケールと水量にこの後大いに泣かされることになる。

・F3(沼の沢出合)


・中ノ又沢出合


・F4(2段15m)
葛根田大滝。左岸巻き。踏み跡あり。途中トップが滝に近づくために左に行ったがちゃうということでCLがトップに。上にどんどん進んでいけばロープがある。これは使える。この後も踏み跡を頼って落ち口へ。落ち口は結構危ない。ロープはあるが、滑りやすく一人一人が注意しながら降りた。PRを出すほどではない。

・滝ノ又沢出合
今回はここでビバークしなかったので2019小川Pを引用、「沢は河原状に戻り、暫く進むと滝ノ又沢出合に到着。出合には3カ所台地があり、どこも石を除けたり草を刈ったりすれば充分ビバークは可能。が、最も人跡濃厚で快適そうなポイントは出合直前の左岸だろう。立ち木を使えばツエルト設営は問題なし。PRを使用して縦列に3つ立てられた」。

・F5(10m)
左壁直登。問題なし。

・930m二俣分岐
天気が悪いため進めるだけ進もうという話でここまで。コースタイムも2時間ほど巻いていた。しかし、これ以上進むと上流でビバーク地点が少なさそうで八瀬森山荘までもちょいとあるためビバーク地に決定。付近では何カ所かビバークできるところがあり、焚火後もあった。お楽しみに持ってきた焼き鳥30本の評判は上々であった。

・核心(15m)
計画の段階でここが一番の難所ということだった。とりかかる前にみんなで話し合って確認をした。右岸巻きで少し登ると支沢との間の尾根上に出る。過去の記録ではここでザックを置くなどしていて時間がかかったようだが、トップの完璧なルート取りもあってすんなり行けた。尾根上に出たら木の枝で支点を取りながらfixを張り、滝に近づくようにトラバースする。立ち木までfixを伸ばしたら後は生えている木や竹をつかみながらずんずん登り滝上の落ち口から降りる。降りるのも2mほどで問題なし。
機会があれば直登もしてみたい。亀裂を辿って右壁まで行き、左岸のブッシュから中間支点を取ってリードするか、トップだけ右岸から巻き、後続は振られるのを十分気を付けたうえで立ち木から確保のようなこともできるのではないかと。

・10m(遡行図記載なし)
CLが右壁直登、PRを左岸立ち木から出した。しかし、みんなほぼフリーで行けていた。最初、左壁のほうが登りやすそうということで行ったが、右壁の方が簡単である。

・F6(八瀬森山荘)
地形図通りツメて5分ほど藪漕ぎしたら高原に出る。しかし、八瀬森山荘はどこにあるのかわからなかった。そのまま進む。

・北ノ又沢出合

・遡行図記載のない6mほどの滝
クライムダウンが出来そうになかったので。右岸から枝を束ねたものを支点にPRを出す。みんな結構怖そうだったけど、足場はあるし事実最後のCLはPRを回収してから降りたので大丈夫なのではないか。心配なら捨て縄を持ってきた方が良いだろう。もっと暖かければ飛び込みで降りられるのではないか。

・滝ノ又沢出合
ビバーク予定地であったが、天気の関係で先を急いで通過。確かに右岸によさげな場所はあった。

・7m
雨が途中降り出し、水流が多かった。左壁は階段状になっており途中までは行けるが、そこから先は岩がせり出しており、ザックを置いていかないと通れない。トラバースして中央に移ろうと思ったが、水流が強く足場が見えなかったので直登断念。右岸から巻いた。

・F9(ナイアガラの滝20m)
ハイライト。マジで来たかった場所。突如バンと現れ本当に壮大で来てよかったと実感した。直登可であることをみんなに証明知るためにCLから行く。明らかに登れそうな場所が中央部にある。下段は階段状になっている。上段は確かに足場が少ないが、ガバ三点指支持で余裕のよっちゃん。みんな来れる、PR必要ないと判断しあとは応援する。SLにゃ来てもらわないと困る。沢二回目の大内君も楽しそうに登ってきていた。長尾君は少々怖かったよう。ということで全員クリア。一皮むけたよう。滝上は美しいナメが広がっていた。

・三俣(十字峡)
詳しくは新HWVの事故の所を見て欲しいのだが、本日はここでビバークすることに。そして線状降水帯が東北にかかっていることを知る由もない。夕方から大雨が降り始め翌日起きるとそこは濁流濁流。

嶮岨森西斜面のツメ上げ
大深沢の遡行は無理であったために藪漕ぎを10時間ほど行い直接登山道で。マジで死ぬかと思った。その後大深山荘で一夜を過ごし下山。

〈総評〉
まずは本当に壮大で来てよかったと思える沢であった。1年生の大内君(沢二回目)、そして長尾君も登攀力がついていて計画通りに進んでいた両日とも過去の記録の2時間巻きであったのはみんなのお陰であったと思う(確保していないし、PRを出した回数も少ない)。またSLの辻ちゃんはトップとしてどんどん進んでくれたし、ルート取りも本当に良かった。今後が本当に楽しみなメンバーである。計画通りのビバーク地点ではなかったために釣りはほとんどできなかったが有意義な山行であった。

元々前川君も来る予定であったが、当日の朝けがをしたということで急遽メンバーが変更に。2日目までは順調に進んでいたが、事前の天気の情報収集が不十分であったこと、1日目に気象通報を忘れたことが仇となり3日目朝は起きるとそこは濁流であった。
学んだこととしては二点。第一に東北の沢特に葛根田は水量が多いということ。ここから様々な判断が大きく変わってくるだろう。水位が収まるまでには長い時間が必要である。第二にリーダーは常に「最悪のリスク」を想定するという必要があるということ。二日目には大深山荘まで出ようかという話になったが、脱渓が17:00近くになること、その日の行動時間が11時間になること、メンバーの転倒回数が増えていたことなどから仮戸沢でのビバークを判断した。しかし、結果論も含めて大雨になって沢中で停滞してしまうことよりは前者のリスクを取った方がよかったと思われる。これらは山行責任者としてのCLの責任であり、不甲斐ないし、みんなにリスクを負わせてしまい本当に申し訳ないと感じている。沢中1泊2日の山行は7回ほどこなしているが、2泊以上は初めてであり、経験不足・力量不足であった。

要所要所ではチームワークで互いに助け合い、藪漕ぎもトップを交代するなど良かった面も勿論あった。また昨年の本間沢をCLが経験していてそれを活かせたことはとても大きかったと思う。リーダーは常に冷静に判断し、マイナス発言は控え、チームを鼓舞すること。これに尽きる。濁流に二回流され、溺れ、PRがなければ死んでいたやつが何をいうかと言われるかもしれないが(笑)。本当に良い経験になった。正直、CL自身は今回のを事故であると感じていない。命があるから言えることかもしれないが、部の改善点を見直す良い機会であった。(天気講習や食当など)

最後にメンバーの成長が本当に感じられた充実した山行であったという言葉で締めくくりたい。辻ちゃん、長尾君、大内君ありがとうございました!







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