山小屋雪訓2022文責 宮川
日程 2022/1/22-23
山域 威守松小屋周辺
目的 雪山日帰り山行のセルフレスキュー訓練&ビバーク訓練
メンバー 現役:中浜(W3)、藤田(W2)、宮川(W2)、辻(W1)、山口(W1)
永井さん(HWVOB)+ 銀座山の会の皆さん7名
【記録】
東所沢駅に7:00集合で永井さんの車に乗せていただく。一部現役は前日のスキーから直接合 流。駐車した場所からシールをつけ1時間弱歩いて小屋にたどり着く。電線が交差している地点 を見つける。積雪は去年よりはかなり多いとのこと。
1日目訓練内容 V字コンベアでの掘り出し、弱層テスト、雪洞堀り、山スキー練習、雪洞ビバーク体験 2日目訓練内容 ビーコン探索(クロスサーチ・掘り出しの手順)、搬送訓練、シェルター作り、山スキー練習
練習後スキーで下山。
訓練内容詳細
①V字コンベアでの掘り出し
雪崩によって埋まった者を救助する方法。銀座山の会の皆さんとともにチームを組み、1班4名程 度で2~3m掘る訓練を2回行った。事前に部で得た知識を元に扇状になるよう意識したが、左右 の広がりが足りず、最後は縦に穴を掘るようにして救助するしかなく、途中のチーム内での連 携、リーダーの声かけの重要性を知った。 その後実際に現役が何名か埋まり、ゾンデを使う練習、掘り出す訓練も行った。今回は埋まる前 に埋没者がどのような態勢で埋まっているのかイメージを持ったまま掘り進めることができたが、 訓練ではなく実際に救助を行うことになった場合はゾンデの感覚しか手がかりがないため、大変 難しい作業であると実感した。文責が全身埋まってみた感想としては、思った以上に雪の中で身 動きを取ることができず、雪崩の恐ろしさを再認識した。ただ救助されるとわかっていると意外と 狭くて暖かいので落ち着いた。
②弱層テスト
雪山に入る前に雪崩のリスクを確認するテスト。以下2つの方法の実践練習を行った。
❶コンプレッションテスト
雪を切り出し底面がスコップ程度の大きさになるような四角柱を作り、スコップの上に 手を 置いて力の入れ具合を順に変えていくことによって、雪の状態から雪崩の起 きやす さを推測 する。
❷ハンドテスト
腕で抱けるほどの円柱を作り、腕の力の入れ具合を順に変えていくことによって、その 時 の雪の状態から雪崩の置きやすさを推測する手法。
③雪洞堀り
各自自分の決めた場所で雪洞を掘った。程よく高さがあり、風を防げそうな場所を選び、形を考 えながら掘り進めた。文責の個人的感想としてはひとまず奥に向かって掘っていったが形が決ま らず、不格好になってしまったことが大きな反省。また掘るときにどのように寝るのかしっかりイ メージしながら体力と相談し、最低限のものを作ることの必要性も学んだ。 夜は各自雪洞でのビバーク訓練を行った。山口くんのみ朝まで寝たらしい。
④ビーコン探索
まずは基本的なクロスサーチのやり方を習い、遠く離れた場所からビーコンを探し当てる訓練を 行った。その後プローブを使用した探索の練習、人形を使用した掘り出しの練習も行った。
⑤搬送訓練
掘り出した後、実際にどのように搬送するのか、スリングやカラビナを使用して練習した。
⑥シェルター作り
ザックを利用したシェルター作りの訓練を行った。13人分のザックに雪をかけたので、かなり大き いものになった。ザックに雪をかける際、均等に行わないと脆弱になってしまうところがなかなか 難しいと感じた。かまくら作りみたいで楽しかった。
⑦山スキー練習
半分以上の現役部員がほぼ初めてシールを付けて歩く練習を行った。すり足歩行やルートの選 び方など多くのことを永井さんに教えていただいた。2日目の午後は小屋の裏を一時間弱登っ た。一部部員が装備管理や転んだあとからの復帰、シールの取り外しに手間取っていたことは反 省点である。安全管理上、そして気持ちよく滑るためにも、事前準備や下界での練習をしっかり 行う必要があると感じた。
OBの永井さん、銀座山の会の皆さんには大変お世話になりました、ありがとうございました