熊野古道小辺路・春合宿(途中撤退)
日時 2022.2.21~22
山域 高野山・熊野古道
文責 辻
メンバー CL:藤田(W2)、SL:山口(W1)、医療:宮川(W2)、食当:辻(W1)
天気 両日ともに曇り時々雪
地図資料 山と高原地図「熊野古道」2022版
コースタイム
〈一日目〉
極楽橋駅発(9:36)-0:40-岩不動(10:16)-0:20-女人堂(10:36)-0:20-金剛峯寺(10:56)-0:37-ろくろ峠(11:33)-0:15-小辺路分岐(11:48)-0:37-薄峠(12:25)-0:37-御殿川橋(13:02)-0:38-大滝集落(13:40)-0:50-高野龍神スカイライン出合(14:30)-0:35-水ヶ峰分岐(15:05)-0:50-林道分岐(15:55)-1:20-平辻地蔵(17:15)-1:00-大股登山口(18:15)-0:55-藁小屋跡(19:10) 合計9:34
〈二日目〉
藁小屋跡(6:55)-1:35-檜峠(8:30)-1:15-檜峠(9:45)-0:45-藁小屋跡(10:30)-0:50-大股登山口(11:20)-3:15-野迫川村役場(14:35) 合計7:40
コース記録(YAMAP)
【詳細】
アプローチは高速バス及び電車を利用した。決行前日21:30新宿バスタ集合、翌朝6:20JR奈良駅着。JR、南海電鉄を乗り継ぎ、高野山麓の極楽橋駅まで向かう。この駅から高野山上まではロープウェーが出ているが、今回は麓から行動を開始した。
極楽橋駅から女人堂まではおよそなだらかな坂道が続く。この時点で既にうっすらと雪が道に重なっていた。女人堂を過ぎると寺社が見え始め、人気も見え始める。しばらく歩くと金剛峯寺に到着。先を急ぐのでサクッとお参り。近くには高野町役場もあるためスタンプを回収していく。
金剛峯寺を出てろくろ峠に進むと熊野古道小辺路の看板がある。峠を越えるといよいよ参道に。なお雪はこの辺りから足跡がくっきり残るくらいになってきた。一つ目の峠、薄峠は比較的緩やかな坂が続き、右手には常に壮大な山々の景色が広がる。この峠を下ると小さな大滝集落に至る。御殿川橋から眺める谷の景観が美しい。
下りのピークから集落を抜けて登山道に入るまでは中々辛い急坂が続く。登山道に入る手前には屋根・トイレのついた休憩所があるので一息ついておきたい。登山道に入ってしばらく進むと高野龍神スカイラインと出合う。高野龍神スカイラインからは野迫川方面へも道路が繋がっている。スカイライン途中には「熊野古道小辺路参拝者注意」の道路標識も見られた。その後水ヶ峰を超えるため山道に入るのだが、ここで一段と積雪量が増え、ひざ下まで達する。少し登ったところでCLの指示でゲイターを装着。途中、道が崩れた危険個所も見られた。SL山口のラッセルのもと山道を進むが、ピークを越えて後も積雪は徐々に増していく。ピークから平辻地蔵までも単調なくだりではなく、アップダウンが続く。
平辻地蔵を過ぎた辺りで下り坂が急になり始め、積雪も落ち着いてくる。この急坂を下ると大股集落。自販機、水場があるため補給箇所(ただし山から流れるパイプの水は汚水)。ここでコースタイム・積雪の懸念からビバークも検討されるが補給の後藁小屋跡へ向かう。この藁小屋跡までの道のりは険しい九十九折れとなっている。その後無事藁小屋跡に到着。この小屋跡は個人が設置したものが参拝客に提供されたものであり、小屋内にはマット、鍋などが備えられている。一日目はここで焚火を焚いて夕食のすき焼きを食べ、そのまま就寝。
二日目は5:00起床。昨夜のすき焼き鍋に棒ラーメンを加えて朝食とする。昨夜から引き続いて雪を溶かして水を補給する。結局準備に手間取り、計画を20分ほど遅れて小屋を出発する。
出発後しばらくはなだらかな坂道が続くが、次第に積雪も昨日同様になり始めラッセルで歩を進める。出発から1時間20分ほどで尾根に乗り上げ檜峠の看板を見つけるが、GPSと位置が合わず困惑(後に確かめたところGPSに従うので問題はなかったよう)。さらに雪庇?が乗り上げていたため尾根上ではなく左手の斜面を進む(ここでW2宮川が滑落しかけるトラブル発生)。この時点で積雪はひざ上に達し、吹雪も強まる。この後参道に合流しなおすも積雪は増していく。ここでCLSL間で撤退を懸案、厳しい積雪状況、コースタイムの圧迫、ビバークの高い危険性を理由にCLが撤退を決定。来た道を引き返すこととなる。藁小屋跡に到着時にエスケープ状況を確認、野迫川村方面へのエスケープを決定する。
大股登山口から野迫川村役場までは完全な車道。いくつかの集落を越える。3時間かけて野迫川村に到着、役場に問い合わせたところ高野山方面の村営バスに乗せていただくこととなる。高野山からはバス、ロープウェー、南海電鉄を乗り継ぎ大阪難波へ。反省会ののち解散。
【総評】
コロナ禍後初の春合宿でありOBの方々も多くの支援を頂いた山行であったが、結果は厳しいものとなった。
村役場の方からも、この積雪量は例年よりも多いとお聞きし撤退判断はやむを得ないものだったと思われるが、それにつけても準備不足であったことは否めない。積雪状況は事前に把握しておくべきであったし、この積雪量にも対処できる装備を整えておくべきだっただろう。コースタイムが通常山行ではありえない、過密なものであったことも(仕方ないことではあるが)問題だっただろう。また宿泊時の行動の遅れ、エスケープルート調査の不足などのパーティの問題も浮き彫りとなった。この辺りは今後修正していかなくてはならない。
しかしながら参加した部員にとっては貴重な経験、また思い出となったのも事実である。今後出会うであろう厳しい状況においても、この経験を踏まえて胸を張って立ち向かっていきたい。