夏合宿 屋久島・宮之浦岳縦走
日時 2022.07.26~27
山域 宮之浦岳
文責 山田
メンバー CL:宮川(W2) SL兼食当:山田(W1) 天気図:石川(W1) 食当:前川(W1) 医療:荒井(W1)、大島(W1) 無職:藤田(W3)、小野(W2)
天気 両日ともに晴れ
地図資料 山と高原地図「屋久島」2022年版
コースタイム
〈1日目〉
白谷雲水峡発(08:49)ー1:13ー辻峠(10:04)ー0:03ー太鼓岩(10:21)ー2:35ーウィルソン株(13:07)ー0:50ー夫婦杉(14:10)ー0:19ー縄文杉(14:34)ー0:04ー高塚小屋(14:55)ー0:59ー新高塚小屋(16:04)
合計 7:40
〈2日目〉
新高塚小屋(05:55)ー1:14ー平石岩屋(07:09)ー1:12ー宮之浦岳(08:26)ー4:26ー淀川小屋(13:42)
合計 7:50
【詳細】
前日昼過ぎに鹿児島中央駅集合。ほとんどは羽田から飛行機を使用したが、陸路で鹿児島まで向かう者もいた。ガスは機内持ち込みができないため、今後も注意されたい。今回は陸路の人が担当した。買い出し後、金生町から谷山港までバスで移動。谷川港の近くにはコメダ珈琲やレストラン、ファミリーマートなどがあり買い物には困らないが、バスの到着時間からフェリーの乗船時間まで時間があまりないため、やはり買い出しは市街で済ませて正解だった。18:00、フェリーはいびすかす出港。口コミでは酷評されることの多いこの船だが、エアコンも電源もあり、ワンゲル部員であれば決して不満に思うことはないだろう。夜間の運行である点も登山客にとっては大きなメリットである。晴天であったため、航行中は星空が大変綺麗だった。翌朝7:00、屋久島宮之浦港着。1時間後、港近くのバス停から白谷雲水峡までバスで移動。途中で電波は通じなくなる。
1日目。白谷雲水峡から行動開始。支援金は日帰り1000円、泊り2000円だが、支払い場所は宮之浦、安房、空港など麓にあるとのこと。ここでは支払わなかった。白谷雲水峡はトレッキングコースの定番となっているため道の整備が行われていたが、分岐が多いため事前のコース調べ&選択は必須。コースによって所要時間は大きく変わる。しばらく歩くと「苔むす森」に入るが、ここは映画『もののけ姫』のモデルの地として知られている。文字通り沢山の苔が岩という岩に生えているが、大変美しい。それを抜けると、まもなく辻峠に到着。大きめのベンチがあったので、そこで荷物を下ろし手ぶらで太鼓岩へ向かう。肩の軽さに感動しながら駆け上がると、すぐに目的地へ。太鼓岩から望める景色を絶景という二語に納めるのはあまりに惜しい。トレッキング客のガイドをしていた若いお兄さんが集合写真を撮ってくださった。辻峠に戻り(辻峠ー太鼓岩ー辻峠は一方通行。標識がある)、楠川分れを目指す。「お前にサンが救えるか!」の岩(映画『もののけ姫』を見てください)を過ぎると予想以上に下りが続き、登山道もこれまでとは一転不明瞭でやや不安になった。楠川分れからは、トロッコの線路跡をひたすら歩く。地図上では楠川分れ近くに水場マークがあったが、発見には至らなかった。線路上は高低差があまりなかったため、迷うこともなくテンポよく進む。この線路は大株歩道入口まで。ここには立派なトイレがあり、沢もすぐ近くにあるため水の補給もできた。ここからは本格的な登山道に入ったためハードな道のりを覚悟したが、疲れが来る前にウィルソン株に到着。サクッと写真を撮り、縄文杉へ。1日目の殆どは観光客向けのトレッキングコースのため、本格的な登山と呼べるのはこのあたりだけかもしれない。とはいえ縄文杉の周りも整備が行き届いており、ぐるっと一周回れる遊歩道が設置されている。みな疲れていたため周らず休憩に入ったが、結局高塚小屋へ向かうためにその遊歩道は歩くことに。本来は高塚小屋に宿泊する予定であったが、高塚小屋着が15:00前であったこと、翌日の行程が長かったことから新高塚小屋まで向かうことにした。高塚小屋から新高塚小屋までは高低差があり、終盤ということもあって中々ハードだったが、無事到着。先客は2人のみと大変空いていたため、テントを張らず小屋内に泊る。近くに丸太でできた机椅子があったため、食事はそこで。トイレも水場も近くにあり、快適に過ごすことができた。
2日目。4:30起床、6:00行動開始。1日目とは一転、序盤からずっと急な登りのみだが、しばらく歩くと亜高山帯に入るため、植物の背丈が低くなり見晴らしはよくなる。もっとも、道幅は狭く植物が身体に擦れるため、長袖を着ていなかったことを少し後悔。さて、1時間ほど歩くと平石岩屋に到着。一見大きな岩が転がる一休憩地点に過ぎないが、その岩の上には前日の太鼓岩を超える絶景が広がる。天気に恵まれていたため、宮之浦岳を始め、多くの山々を望むことができた。ほとんどの山行メンバーは一番の思い出にこの岩屋を挙げるだろう。ここから見ると宮之浦岳がかなり遠く感じるが、実際には1時間と少しばかりで山頂に到着。山頂以後は当然下っているのだが、距離が長いことに加え登りも多いため、決して楽ではない。また、これといった見所もないため、精神的にも中々しんどかった。難所は少ないが、階段が壊れていたり岩が滑りやすかったりと、注意が必要である。花之江河を過ぎてしばらくすると、「ビューポイント」がある(看板があるのでわかりやすい)。途中で会ったガイドの方に電波が通じると教わったため、ここで下山連絡を行った。なお、その方曰く、淀川小屋の手前10分程度のあたりでも繋がる場合があるらしい。13:42、淀川小屋に到着。近くの川で水浴びができる。ラジオが通じず天気図を書くことはできなかったが、小屋にいらした別のガイドの方から台風接近情報を聞き、翌日の沢は断念した。
3日目。沢を断念し、紀元杉バス停へ。大雨が降っていたため淀川登山口の小屋内にて反省会をし、バスの時間に合わせて紀元杉を目指した。バスで安房に到着後、台風情報の詳細を把握。本来は屋久島でもう1泊する予定だったが、台風でフェリーが欠航になる恐れを鑑み、その日中に本土へ帰ることを決定。バスで宮之浦まで移動し、フェリー屋久島2に乗船。鹿児島港南ふ頭で解散。
【総括】
コロナ第7波の流行や桜島の噴火など何度も実施の危機に瀕したが、なんとか実施にこぎつけることができた。山行中もラジオの不通や体調不良者の発生などのトラブルはあったが、お互いの協力や、先輩・途中出会った現地ガイドの方々などのサポートにより、全員が無事に山行を終えることができたため一安心である。食当をはじめ個人ごとの反省点は数あれど、みなの大学生活の1ページに残る山行としては、とても良い合宿になったのではないだろうか。