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2018年 長期縦走南ア


〇日時 2018年9月4日~9月13日(前日発8泊9日)
〇文責 小川
〇メンバー CL/天気:小川(W3)、SL/医療:布勢(W2)、食当:中浜(W1)  ※当初メンバーにはW1原も含まれていたが諸事情により前日不参加を決定

〇記録
・9月4日㈫ 曇りのち台風
国立~🚊~岡谷~🚍~飯田~🚍~大島バス停▲
6:35 国立組中央線乗車。CLは小田急沿線の自宅から出、八王子で合流。
10時半頃 岡谷駅着。ここで飯田線に乗り換えるはずが大量の中高生で2両編成が埋まってしまい、乗車を諦める。飯田駅からのバスを1本後らせるようかなと思いつつ、駅員に「臨時便とかないですよね?」と半ば冗談に聞いたら臨時便どころか飯田まで行く電車は今日はさっきのが最後と宣告される。路頭に迷うこと数十分、CLの発案で高速バスを使用して飯田駅まで行くことに決定。
14時半頃 ガストで時間を潰し高速バス乗車
15時45分ごろ 飯田駅着。
16:00 信南交通バス遠田郷線16:00発のバス(結果的に予定のバスの1本後)に乗る。乗客6人。台風の雨風になってくる。
16時半頃 バスの無線が入り、土砂崩れの為遠回りして現時点での乗客を届けることに決定。車内に不穏な空気。
19時半頃 倍以上の時間をかけて大島バス停に到着。雨風強く登山口までのアプローチを諦めてバス停の待合所の中に無理やりテントを張って寝ることに。すぐ脇がトイレで臭いが雨風は防げる。あれ、これって1年越しの...(笑)
21時頃 就寝
 
・9月5日㈬ 晴れ
バス停―1:45―登山口ー3:25―黒ナギー3:15―ジャンクションー1:10―テント場(2179コル周辺)▲
4:30 起床。ぜんざい。バス停電波〇
5:50 発。林道歩き。
7:00 登山ポスト
7:35 登山口着。池口岳避難小屋は未確認。
11:00 黒ナギ通過
14:15 ジャンクション着。池口岳へは登らず。ここまでで29の番号のふった看板が続く。道も割合に明瞭。
14:35 水場(沢)下降地点。看板とペットボトルが置いてあり分かりやすい。往復20分ほど水汲み。
15:25 幕営地設置。2179小ピーク先の広々とした草原台地にテント跡っぽい所を見つけ幕営。痩せ尾根通過後の途中にも何カ所か張れるところ見つかるけど焦りは禁物。
    ぺミカンシチューで就寝。電波は、docomoがダメにもかかわらず何故か布勢のソフトバンクが異常な底力を見せた。ガスが無ければdocomoも入ったかもしれない。

・9月6日㈭ 晴れのち曇り
幕営地ー0:40-2312の台地―1:20ー2381mの峰ー0:40―草原の窪地ー1:10―光岳山頂ー0:15―光岳小屋ー3:45―希望峰―0:50―茶臼岳―0:35―茶臼小屋▲
3:30 起床。味噌汁餅
4:55 出発。薄明るくなるまで待ってみたが、それでも序盤の草原地帯は踏跡なく迷う。もっとも正しい尾根上を進んでいれば全く問題はない。
5:35 2312の台地。倒木多く、平坦な為簡単に道を見失う。踏跡とコンパス頼りに無理くり進んで、再び尾根状になってきたところで尾根上に上がる。ここが一番難しかった。
6:55 2381m峰。北側尾根に迷い込まないよう要注意。赤テープと踏跡ばかりを頼りにしないこと。光岳と光石が間近なのに深いコルが控えていて辛い。
7:35 草原の窪地。格別美しい所ではないが、人跡薄く平和で秘境感あふれる雰囲気。踏跡薄いが方向感覚頼りに進んでいけば何とかなる。赤テープもまばらだがある。
8:45 光岳山頂。超急登と最後数100mのダラダラ登りを制すると山頂。看板のあるところより三角点のあるところの方が展望いい。南部の山々の奥深さを改めて実感。
9:00 光岳小屋着。登山口付近の住人と会って以来久々に人と会う。翌日の天候も考え茶臼小屋まで行くことに。
9:15 発。ちょっと上がったところからヌッと巨大な富士が見える。聖岳も見える。鬱蒼とした樹林帯と格闘してきただけに格段の感動。
13:00 希望峰通過。光岳から数えて2つ目のピーク。割とキツイ。しかも茶臼岳デカくね?
13:50 茶臼岳。今合宿恐らく初の岩稜帯のピーク。風強く汗冷えが半端ない。
14:25 茶臼小屋着。谷地形の中なのでさすがに風弱し。富士山が見えるナイスなロケーション。テント1泊一人700円。トイレはやや遠いが最高にキレイ。何より臭くないのがいい。
    電波はドコモが薄々と入る。翌日の天気をヤマテンで見て停滞を決定。マかポテたらこ味を食べ就寝。

・9月7日 雨
7:00 起床。のそのそとマルタイを食べる。昨年から停滞日お決まりの絵しりとりに興じる。
12:00 小屋の人が好意で○○を○○してくれた!テン泊者にこんなに優しいご主人は初めてや!御恩は一生忘れません。「中浜、山小屋でこんなの当たり前と思うなよ」とリーダーズ二人。
    口止めされているので書けないけど、とにかく優しいおっちゃんでした。
17:00 拡声器で小屋の中から「〇〇〇〇〇〇!」こんなことってある!?マジ感謝です。御礼も込めて3人とも小屋のバンダナを購入。

・9月8日 雨
茶臼小屋ー1:00―奇岩竹内門―2:45―聖平小屋▲
7:00 起床。
11:00 茶臼小屋発。雨風あったが、好転の予報を信じ、安息の地を出発。
12:00 奇岩竹内門。うむ、確かに奇岩である。」とか久弥先生なら言うんだろうかと布勢と話す。ガスで奇門以外何も見えない。
14:45 聖平小屋着。ここへ来て雨止むが全力で飛ばしてきた一同の疲弊著し。ウェルカムフルーツポンチがありがたかった。「南アの小屋って…」と皆口々に漏らす。1泊700円。
    ここのトイレも割とキレイ。電波は聖平の分岐付近まで行くと全社入る(小屋の入り口に看板が出てる)。
    登山研から小川が輸入したナポリタンライスを作る。まずまずの高評価。

・9月9日 曇りのち晴れ
聖平小屋―2:15―前聖岳―0:55―兎岳のコル―0:45―兎岳山頂―1:30―中盛丸山―0:50―百間洞山の家▲
4:00 起床。
6:00 聖平小屋発。
6:30 薊畑通過
8:15 前聖岳着。キツいガレ場を地道に登る。ずっとガスだったが、山頂付近は雲から突き抜けており青空が見えて感動。同じく突き抜けて富士が見え尚の感動この上なし。
   エアリア上では前聖になっているが、「聖岳」の看板はここ。電波は安定しているため成績をここで確認。以降布勢の中浜いじりが止まらない。
8:35 前聖発
9:30 兎岳のコル。休憩。赤石岳の大きさに圧倒される。
10:15 兎岳山頂。ガスで何も見えず
11:45 中盛丸山山頂着。ここへ来て前方の雲がとれ赤石、荒川、塩見と目標が次々と立ち現れる。久々の景観の良さにはしゃぐ。
12:00 山頂発
12:50 百間洞山の家着。一人600円。オリジナルバンダナがよさげ。しかしここテン場が小屋から遠すぎる。片道8分くらいはある上渡渉がある為サンダルで行くと大抵足を濡らす。
    とはいえ天気も良く濡れた装備を一気に乾かせた。OTANOSHIMIも出ていい補給日に。夜はマカポテカルボナーラ味。

・9月10日 曇りのち雨
百間洞山の家テン場―2:20―赤石岳避難小屋―0:10―赤石岳山頂―1:05―大聖平―0:25―荒川小屋―1:15―荒川前岳―2:25―高山裏避難小屋▲
3:00 起床
4:10 出発。ガスの中を進む。
6:30 赤石岳避難小屋着。電波の入るところで電算抽選をと思って立ち寄る。交渉すると簡単に小屋の中で休ませてくれた。ひげもじゃのおっちゃん、予想以上にいい人。
   しかもおばちゃんは紅茶をサービスで淹れてくれた!なんと温かい所だ。「山登れ!酒飲め!」Tシャツ次ぎ来たら買おう。
   肝心の電算抽選登録はソフトバンクの布勢が苦戦し、結局在地の松永に頼むことに。布勢のイライラマックス。ごめんよ。
7:00 赤石岳避難小屋発
7:10 赤石岳山頂。 ガスガスで何も見えず。
8:15 大聖平分岐。
8:40 荒川小屋着。
8:50 荒川小屋発。計画前倒しで進めるうちに進むことに。
10:05 荒川前岳。ガスガス。風強い。登りも割ときつく中岳さえ諦めた。この後の下りが割と危険。
11:20 小広場。カールを下る。この辺から雲の下に入り雨。
12:30 高山裏避難小屋着。雨と疲労でボロボロになりながら到着。無料開放中。乾いた地面と幕営設置の手間がないのは最高。ノートに2010年の上村さんらの長期のコメントを発見。
    めちゃくちゃ面白いし、めちゃくちゃいいこと書いてる。僕らも一応書き残す。この時点で三伏峠での撤退色が強かったが、ラジテンを聞いて希望が見えてくる。
    尚、小屋内部は密閉されているため、ラジオは窓から外に出さないと聞こえない点に注意。水は面倒でも避難小屋までの登山道で汲んだが、やはりそれが正解だろう。
    避難小屋は結局貸し切りだった。マカポテバジル味と最後のOTANOSHIMIで就寝。

・9月11日 晴れのち曇り
高山裏避難小屋―1:40―瀬戸沢ノ頭―1:35―小河内岳―1:15―烏帽子岳―0:45―三伏峠小屋▲
3:00 起床。めちゃ寒い。
4:00 高山裏避難小屋発。星が見える。
5:40 瀬戸沢ノ頭。この辺で山が朝焼けし、美しい紅葉のように。道はずっと森の中。
7:15 小河内岳。割と大きな山容で「小」ではないと思った。避難小屋は未確認だが、どう考えても水場は無さそう。
8:30 烏帽子岳。塩見岳が向かいに迫る。そのマッスに思わず登りたいと思ってしまう。
9:15 三伏峠小屋着。一人700円。小川は2年ぶりの来訪で感極まる。トイレが少し新しくなったか?小屋のおじちゃんは無愛想だが実は優しい(2010と同じ)。
   あまりに時間があったため、ついに布勢と小川は課金に走り小屋の昼食(カレー)に手を出す。幸せの一言。
   夜はマーボー春雨ライス。マーボ春雨は6人前を3人で食べたがそれでも足りないと感じた。一人2人前+追加の春雨も必要かも。

・9月12日 晴れのち雨
三伏峠小屋―1:00―本谷山―1:30―塩見小屋―1:00―塩見岳東峰―1:40―北荒川岳―3:05―熊ノ平小屋▲
3:00 起床
4:00 出発。午後から雨予報のため焦らせたが、そのせいでトップ以外が分岐を見逃すという痛恨のヘッデン歩きミス。大事には至らなかったが改めてヘッデン歩きの難しさを理解。
5:00 本谷山。晴れていて塩見のシルエットが格好良く見える。
6:30 塩見小屋通過。10分ほど歩いたところでメット装着。ここからクライミング要素のある岩場に突入。
7:30 塩見岳東峰着。看板のある方が東峰。来し方、行く末がありありと見える絶景。この山行中初めて見た百名山上からの圧巻のパノラマに息をのむ。ここの富士山もまた良かった。
   なお、ここへ来て初めて山頂で人と会えたため集合写真も撮ってもらえた。個人的には本当に言うことなしのリベンジを果たせた。
7:45 塩見岳東峰発。道は悪くないが急な下りが続く。途中の休憩でメット解除
9:25 北荒川岳。直前のダケカンバの林床が鹿の食害で荒れていた。ここから鬱蒼とした長い樹林帯歩きが始まる。
12:30 熊ノ平小屋着。竜尾見晴付近から雨が降り始める。全力で踏破したがコースタイムは全然縮まらず。途中の「熊ノ平小屋まであと少し」の看板が嬉しい。
    小屋は一泊600円。ここの小屋のおっちゃんも親切で電波感度良好地点まで連れて行って色々のお話をしてくれた。
    ちなみにその電波感度良好地点は小屋から間ノ岳方面に5分程歩いた片側崩壊地の小コル。なんでもここの地盤は崩れやすく、小屋も傾きがひどいとか。
    天気が翌日、翌々日も微妙なため、思い切って翌日に広河原まで終えることに決定。明太マカポテを食べて最終日に備えた。

・9月13日 晴れときどき曇り
熊ノ平小屋―1:25―三峰岳―0:50―間ノ岳―1:10―北岳山荘―1:00―北岳―1:35―白根御池小屋―1:50―広河原山荘
3:00 起床
4:10 出発
5:35 三峰岳山頂。手前でメット装着。ガスガス。
6:25 間ノ岳山頂着。急に雲が取れ、前日に引き続き大展望を堪能。
6:35 発。ここからの稜線歩きも楽しかった。多くの人とすれ違う。割と岩場もあるのでメットは着けっぱなし。
7:45 北岳山荘。いったん雲の中へ。
8:45 北岳山頂着。ここへ来て初めてのハシゴ等難しめの岩場。最後20分が体力的にも鬼のように厳しかったが山頂の景観が全て吹き飛ばしてくれた。
   すべての南アルプスの峰々が下に見え日本2位の高みを実感。と同時に富士の圧倒的大きさも実感。感動のフィナーレ。ここまで来て本当に良かった。
9:10 発
10:45 白根御池小屋。草スベリは膝ガクガクの下り坂。途中でメット解除。布勢君大好き〆のしりとり発動。
12:35 広河原山荘着。GOLE!!それにしても最後の下りはきつかった。かなりの数の人とすれ違ったがみんなよくこんなところ登るなと思ってしまう。
    12時のバスの次は14時だったが、乗り合いタクシーにちょうど捕まえてもらって1時間足らずで竜王駅まで送ってもらえた。1600円でバスより安い(?)
    温泉は竜王温泉名取の湯。600円。ここのスーパー銭湯感は嫌いじゃない。
    いったん甲府で降りてステーキを食べる。本当は焼肉が良かったんだけど甲府には安い焼肉屋が遠くまで行かないとないことが判明。また、二次会と称して駅前の居酒屋へも。
    満足のうちに長期2018を打ち上げました。改めてみんなお疲れさまでした!

〇総括
今回の長期の目標として「深山幽谷から日本2位の高みへ」を掲げていたが、まずはその目標がかなって大変達成感が得られた。今回の縦走の特徴は何と言っても最初の2日間にあると思っている。光岳を踏むにあたって出来る限り縦走を一筆書きにするために池口岳からの尾根を登るというマイナールートを採用した。実際のところ地形図とコンパスとがしっかり使いこなせていればさほど問題のある道とも思わなかったが、長期ということでそこそこの重さのザックを背負う中でバリエーションに近いルートを無事にクリアできたことは何よりの自信につながったし、わずかとはいえ過去の縦走の計画の単なる焼き直しでないオリジナルのルートを考え、実行しているときが大変楽しかった。長期縦走は様々な可能性のある合宿なのでこれを参考に計画を考えている人は是非自身のオリジナルなルートを考えてみてほしいな、と思います。
各メンバーに関して言えばW1の中浜はエアリアタイムを大幅に縮めるタイムでの歩行に良くついてきてくれました。食当としての腕前も立派だったと思います。W2の布勢も登山研帰りということで抜群の体力と元気の良さでチームを引っ張ってくれました。でももうちょい落ち着こうな(笑)。とにかく、赤石岳避難小屋のおばちゃんが言っていたように3人でこの合宿は乗り切ったと思っています。ありがとう。特に後輩の二人は今回の経験を活かして来年以降の山の旅をさらに充実したものにしてください。期待してます。





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