沢トレ万太郎プレ小川谷廊下
文責:小川
日時:7月14日(土)
天候:晴れ
参考書:『東京起点120』、『丹沢の谷200』
メンバ―:CL安陪(W4)、SL小川(W3)、医療葉玉(W4)
電波:玄倉駐車場◎、玄倉林道ところどころ入る、入渓点✕、稗畑沢詰め✕
日程・コースタイム:前夜発日帰り
04:30 起床
05:20 玄倉駐車場出発
06:30 穴の平橋手前下降ポイント
06:40 入渓点(穴の平沢・小川谷二俣)
07:05 入渓
07:10 F1下
07:20 F2CS5m下
09:30 6m下(巻き終わり)
09:50 2段7m下
10:40 3m下
10:55 3m上
11:00 ゴルジュ6m下
11:30 ゴルジュ6m上
11:40 大岩
11:50 稗畑沢出合
12:00 稗畑沢遡行開始
12:20 詰め終わり
12:45 解除終了
13:00 仲ノ沢径路終了林道出
14:20 玄倉駐車場着
対処・情報等
今回の日程はレンタカーハイシーズンのため車が借りられず、じゃあということで小川家の車を出動させることに。9:40に南林間駅集合からの出発で11:20駐車場着。この時間はまだ246沿いに車が多い。玄倉の無料駐車場はさすがに貸し切りだった。ざっと30台くらいはとめられるかなといった感じ。駐車場の奥の方はロープで仕切られていて車が入ってこないのでそこでテントを張る。最初は案の定暑かったが朝方は意外と冷えた。葉玉さん曰く「シュラカバ一枚でちょうどいい気温」。それより明け方より始まった蚊の襲来が激しく、また駐車場に釣師の車が来たりして夜明け前後から眠れなかった。田舎の朝は早い。。バス停近くにトイレと登山ポストあり。丹沢湖ビジターセンターは閉館中だった。
入渓点まではとにかく林道歩き。閉鎖されてはいるが車が入れないほど荒れているわけではない。歩きすぎて穴の平橋まで行ってしまったが前情報に基づきその手前200mぐらいの地点から沢に下降する。道の沢側にアスファルト壁とカーブミラーがあるところ(計画書の通りだった)。地形図的には尾根になっており、そこを踏跡を辿りつつ慎重に下降。残置のロープが三カ所くらいある。
穴の平沢と小川谷の出合は広い河原。ここで沢装を付けたのだが、茂みに雉を撃ちに行った小川はあっという間に血吸魔にたかられてしまう。半けつで助けを求めたが医療葉玉氏、塩を忘れたことがここで発覚。西丹沢を相手に我々は丸腰の戦いを強いられることになった。。とか書いてるが普通に沢装装着で30分は反省案件である。
さて、沢の対処である。F1は右壁直登。流心近くはいけそうでいけなかったのでさらに少し右寄りから登る。「W1でもいける」レベル。すぐにF2CS5m。岩の右側に確かに残置のアブミあり。そこを足掛かりに上がってみたのだが他に足掛かりも手掛かりもなく、その上何分水量が多く体と足が押し落とされてしまう。20分ほど色々とトライしたが駄目だったので諦めて巻いた。あとで知ったがこの日はいつもより水量が多かったそうだ。少なければ空身でなんとか這い上がれたかもしれないが、やっぱり倒木とかの有無に大きく左右されるであろう。なお、F2上部に残置の支点とシュリンゲが見えたので下降時はここから懸垂可能。このF2の巻道はF1の落ち口の右側から始まっている。落ち口にあった残置の支点をゼロピンにリード気味に登った。途中木に巻き付けたシュリンゲナチュプロとハーケン残置がありそれらを利用した。踏跡は一応あるのでルートは行けば分かる。上部の立ち木でフィックスを張りセカンドを通しラストを確保で上げた。このリードからのフィックスは安陪さんの判断であったが大変適確であったと思う。フリーだとかなり怖い。続いて巻のトラバースを鹿柵沿いに進む。ここもフィックスにしたが正直上級生三人ならなくても行けた。最後は懸垂下降で沢床に戻る。6m滝手前の地形図にもある沢沿いに下降する形で降りたが我々は少し巻きすぎたかもしれない。ここの巻道からの復帰はもう少し検討が必要である。
6m滝は滝の右の方の壁に残置ロープがあった為時短も兼ねてそそくさと巻き上った。下降時もそこを使えるだろう。
そして2段7m1段目は左から問題なし。2段目は滝左上部へと続くバンドに上がってしまえば楽勝。バンドへ上がるところは若干手掛かりが少なく、しかも水流を浴びるため苦労する。バンド終点に残置ボルトがありそこからパワーロープを出したのだがその残置の位置が左過ぎて核心のバンドへのところの助けにはなにもならないので倒木などで流心近くに垂れるようもう一つ仮の支点を作ったりした。ちなみにこの滝で安陪さんがメガネを落としたのだが奇跡的に浅瀬に流れ着いていて見つかった。懸垂下降に使えそうな立ち木は上部右岸テラスにあり。
CS滝は2つ連続して出てくるがそれぞれ流れの少ない方から巻くように登る。2つ目の方がやや難しめだった。下降時は少し難しいがクライムダウンできなくはないだろう。
3m滝は滝の一番左から崖沿いに登る。ここの滝壺は深いと見せかけて浅い。明らかに水量が多くて苦戦したが空身で登ってザックを引き上げて対処した。そんなに高くないので下降時はドボンでいいと思う。でも釜はそこまで深くないので注意。
この辺でリミットオーバーに気が付き本日の遡行が稗畑沢までと決定(泣)
直ぐにゴルジュ6m滝。形よく釜も深くて青くて大変美滝。滝の右壁に残置ボルトとシュリンゲがぶら下がっていて酷いことをするものだと思う。とはいえあの壁にハーケン打てるだけのクライミング力は素直に凄いと思う。直登不可能。素直に左岸を巻く。まずはやや苦労しつつ一段上がり、そこからは踏跡に沿ってトラバースを慎重に進む。意外と長く先が見えない。不安になるところに残置が3カ所くらいあり一応パワーロープでフィックス張ったが時間かかって危ない所で後続待たせるくらいならフリーでさっさと(かつ慎重に)通過した方がまし。とりあえずメインロープは不要。下降もクライムダウンで問題なく戻れた。
3m滝は滝の裏側をくぐるのが楽しい。右壁を直登。
大岩は写真で見るより角度が急だったが残置のロープでゴボウが楽しい所である。結構滑るので注意。
トロ一つほど越えると左から稗畑沢が滝となって入る。見た感じ逆層気味だが案外直登は余裕だそう。トップ小川は下手に左岸斜面を巻いたため足元崩れるは毛虫を触るはでかなり難儀した。最初の滝を越えたらそのまま直進して台地に詰め上げる。所要時間10分。今日の遡行のあまりのあっけなさに物足りなさを隠せない3人「我々は今日は稗畑沢の探検に来たんや」ということに落ち着いた。
なお、日向を選んだつもりだが沢装解除をしてるそばから次々とヒルに襲われた。ベテランヒルハンター葉玉氏の冷静な判断と安陪さんのザックに眠っていた「葛葉の塩」で撃退したが全員下山用靴下に血染みを作ってしまう。
仲ノ沢径路は割と整備されており特に問題はなかった。地下足袋が有効。
林道下山は途中までワンゲルのこれまでとこれからについて議論していたが後半はさすがにみんな暑さにやられ黙々と歩いた。林道沿いの河原にバーベキューパリピ発見。ゲート閉鎖されているから間違いなく穴場だろう。丹沢湖ではカヌーが楽しそうだった。帰り道家系ラーメン厚木屋に寄って6:30南林間帰着・解散。
総評
自分が丹沢で行った沢の中では最も美しい沢である。だがそれを最後まで楽しむことが出来なかったのは極めて残念である。しかも上級生三人で行きながら。今回のこの結果に関してはF2の巻きが大きく影を落としている。あそこでの対処・ロープの判断に時間がかかってしまった。この記録のその部分のコースタイムはあまりあてにしない方がいい。また今回に関しては上級生3人とも割と苦労するところが多かった。悲しいかなそれが今の部の実力なのかもしれないが、水量が多かった為という可能性も高い。折を見てまたリベンジできればと思う。なお、この沢に行くのは暑い時期になると思うがヒルの熱烈な歓迎を受けるためきちんと対策をしていくことをお勧めする。