2017 沢合宿 赤木沢


日時 2017/8/27-30(前日発2泊3日)
山域 北アルプス 赤木沢
文責 葉玉
目的 アルプスの沢を楽しむ
コースタイム(特に記載がない限り休憩時間を含む)
0日目 国立-富山駅
1日目 富山駅(6:20)-(富山地鉄バス)-折立(8:15頃着8:30発)-1:25-白樺ベンチ(9:55)-1:12-五光岩ベンチ(11:07)-0:53-太郎平小屋(12:00着12:15発)-0:45-左俣出合(13:00着13:15発)-0:55-薬師沢小屋(14:10) 小計5:10
2日目 入渓(5:10)-1:40-岩魚止めの滝下(6:50)-0:20-ミニナイアガラ(7:10,写真タイム)-0:10-赤木沢出合(7:20着7:30発)-0:55-3段25m上(8:25)-1:15-大滝下(9:40)-0:50-大滝上(10:30)-1:20-中俣乗越(11:50着12:30発)-3:00-太郎平小屋(15:30着15:40発)-0:20-薬師峠テン場(16:00) 小計9:50
3日目 薬師峠テン場(7:35)-1:50-白樺ベンチ(9:25着10:00発)-1:00-折立(11:00) 小計2:50
メンバー CL:葉玉(W3) SL:安陪(W3) 食当:尾原(W3) 気象:松永(W1) 顧問:小池(W4)
参考遡行図 沢登り名渓62選
地形図 薬師岳・三俣蓮華岳
エアリア 剱・立山2016
部内記録 2010森田P、11年赤木沢13年長期縦走の計画書にも経験者のコメントあり
電波 折立 docomo× 白樺ベンチ・太郎平小屋・薬師峠テン場docomo〇 薬師沢小屋docomo×
対処
0日目

国立駅~富山駅

①全て18切符だと

4:37-18:13(高山本線経由)

②一部第三セクターを使うと

4:37-14:36(糸魚川から三セクに乗る) 18切符代+1,520円

③高速バスなら4000-5000円程度(曜日差あり。平日便は直前に買うと3000くらいにはなる)

④新幹線を使うと

4:50-8:26(大宮から新幹線) 12,720円(学割で10,176円)

今回は②で行った。国立を7時頃出て松本で2時間程昼休憩をとり、20時前に富山着。北口にあるオークス・カナルパークホテル裏の公園でステビ。暗くて人通りがほぼなく芝生で超快適なのでオススメ。おまけに近くにコンビニまでありと至れり尽くせり。


1日目 天気:晴れ

バスは南口(富山地鉄の乗り場がある方)から出発する。今回は事前にコンビニで払っていたが、運賃は車内で払ってもよい(寧ろ車内で払う人の方が多い)。折立には登山ポストなし。登山届は太郎平小屋で提出。電波も通じないので入山連絡は富山駅でやっとくのが無難(一応到着10分前位までは断続的に入る)。折立の水は要煮沸とのことだが、普通に飲んでる人はいた。太郎平小屋まで行けばおいしい水が飲めるので事前に調達しておくのがよい。トイレは水洗でキレイ。太郎平小屋までほとんど危険箇所はないが、一部スラブがあったので降雨後の下りは注意。太郎平小屋から薬師沢小屋までは、途中にある崩壊した木道だけが危険箇所。かつては崖沿いに木道があったのだろうが、今は木道の下にあった土砂が崩れており左への滑落(薬師沢小屋に行く場合)に注意する必要がある。あくまで一般登山道なので気を付けていれば問題ない。薬師沢小屋はテン場がないので素泊まりで小屋泊。事前にネットで予約する必要がある。葉玉のお楽しみのバナナと小池さんのお楽しみパイナップルを食った後、夕食(カレー)。食後に松永のお楽しみフルーツ缶(もも・マンゴー)。大満足で19:30就寝。


2日目 天気:曇り(朝)のち晴れ(昼)のち雨(夜)

3:30起床 5:10入渓。入渓は小屋前にかかっている梯子から。この時期の沢は4:30だとまだ暗いので入渓するなら5時以降になる。薬師沢小屋の人によれば、赤木沢の水量は例年よりも多少多いらしいが、あくまで多少とのこと。


岩魚止めの滝まで 過去の記録にもある通り左岸を行くことが多い。必要に応じて対岸に渡渉。渡渉点は探せばスクラム組まなくても行けるところがある。水は冷たいので水につかるのはなるべく避けたいが、腰まで浸かることが2,3回あった。今回は一回もスクラムを組んでいないが、増水時は躊躇わずに組んだ方が良い。


岩魚止めの滝 左岸巻きで突破。踏み跡あり。巻き終わりに赤テープあり。事前情報通り左壁に残置ハーケンと捨て縄があったので岩魚止めだと分かった。最初は右岸にいたので少し引き返して浅い所を渡渉して左岸巻き。


ミニナイアガラ 写真スポット。対処的には問題なし。左岸側にいい感じの岩があるので立って滝をバックに写真をとる。


赤木沢出合 ミニナイアガラのすぐ後ろに左岸側から赤木沢が入っている。


出合の瀞 左岸をへつる。落ちたら寒い。


3段20m

1段目 左壁を直登。問題なし。右岸巻きぎみに取り付く。

2段目 そのまま左壁を直登。問題なし。右岸巻きとも言うかも。

3段目 記憶にないがおそらく左壁。


ナメ8×12m 下部は水流中。途中のリッジから右壁にトラバース。


3段25m

1段目 左壁を直登。問題なし。

2,3,4段目 左岸巻き。まとめて巻くのではなく1回1回巻く。踏み後明瞭だが泥が滑りやすいので注意。2段目を高巻きし過ぎて草付きを2,3メートル下降したが滑りやすく危ないと感じたので、落ち口と同じ高さまできたらトラバースし始めるくらいでよいと考えられる。実際、小池さんは高巻きし過ぎずに途中からトラバースしていた。


2段15m 左壁のバンドから余裕。


2段35m大滝 左岸巻き。踏み後明瞭。手前の小滝を登った後に巻き始める。途中、立木支点でPRを出したが、赤木沢でPRを出したのはここだけ。落ち口へのトラバースは落ちたら危ないが、注意していれば落ちないと思われる。ネットにはフィックスを張っている記録もいくつかあるが、その必要は無いと感じた。踏み後が明瞭なのでかなり楽に巻けたが、踏み後が崩壊している場合は、高度があるのでメインロープを出したほうがよい。


ツメ 大滝を越えると滝はいくつかあるが特に危険箇所はない。分岐に気を付けて進めば問題ない。基本的に水量の多い方にいけばよいが、1か所微妙な二俣があった。今回のツメは遡行図(62選)がかなり役に立ったので悩んだら遡行図に従うとよい。正しい道を進んでいれば藪漕ぎなしで中俣乗越にドンピシャで出る。


薬師峠テン場まで 消化試合にしては少々長いが、全体的に道は悪くない。


夕食:シチュー


※今回は5人Pだったので4人テン+ツェルト1張で行きCLがツェルト泊しましたが、雨予報の時はあまりおすすめしません。重いテントを持って行くのが嫌なら、せめて撥水が生きてる新しいツェルトで寝ることを強く推奨します。CLが寝た古いツェルトは寝る前から浸水が始まっており、案の定寝ている間にシュラフが濡れてCLは(寒くて)眠れぬ夜を過ごしました。世の中にはブルーシートをツェルトのフライ代わりに使う人もいるらしいので悪天予報時に持って行ってみてはいかがでしょうか。ちなみに、薬師峠のテン場は岩やブロック塀がゴロゴロしているのでポールさえあればツェルトは張りやすいです。


3日目 天気:雨のち晴れ

6時起床7:35出発

13:30のバスに間に合えばよいとはいえ、あまり遅くなると天候悪化の可能性があったので早めに下山。しかし、一晩中降り続いた雨は行動開始頃には止み、普通に晴れた。途中白樺ベンチで時間調整の為に大休止。折立は電波が入らないのでここでいろいろ調べておく。折立には11時着。富山に着いた後は某OBと合流し満点の湯へ。帰りは新幹線派・夜行バス派・18切符派がいたが、いろいろあって夜行バス派はいなくなった。バス待ちの際にはコンパスで南北を確認した方がよい。


感想など

富山までのアプローチは正直めんどくさいが松本(昼休憩2h)や糸魚川(乗り換え待ち1h)での休憩は結構楽しかった。糸魚川では駅から少し歩けば海に着くので時間のある時はぜひとも行って欲しい。晴れていれば目の前には日本海、背中側には北アルプスの展望というなかなか良い景色が拝める。

太郎平小屋には警備隊が常駐していて、計画書は警備隊に出す。警備隊の人曰く、赤木沢(黒部本流)はすぐに増水するので雨予報のときは大雨でなくても入らない方が良いとのこと。薬師沢小屋の人は普通に優しいので天気とか水量とか聞いた方がよい。小屋は平日に行けばおそらく空いているはず。今回は8人部屋を5人で使えた。布団はあるのでシュラフを使う必要はない。自炊場は晴れていれば3か所(自炊室・小屋前のテーブル・2階テラス)、雨なら自炊室のみ。

赤木沢は全体的に優しい沢。大滝の巻き道がしっかりしていれば2級もないんじゃかいかな。結局ロープはザックに入れっぱなしだったし……リーダー層の養成にはならないけど、渓相はキレイだし登れる滝がそこそこあるしW1を連れていくには良い沢だと思われる。現在の部のレベルだと手頃に行ける北アの沢なんて赤木沢くらいしかないのでアプローチは不便だけど行って損はないと思うよ。






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