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2017 白毛門沢遡行


文責:安陪
山域:利根川水系湯檜曽川東黒沢白毛門沢
参考資料:遡行図「東京起点沢登りルート120」、25000分の1地形図「茂倉岳」、山と高原地図「谷川岳」2014年版
日程:2017年9月24日(日)
目的:夏の沢に十分に行けなかった小川・渡邉の経験値向上のため
天気:明け方は曇り、それ以降は晴れ
メンバー:CL:安陪(W3)、SL:小川(W2)、医療:渡邉(W1)、無職:葉玉(W3)

コースタイム
土合駅(4:35)-0:55(装備装着時間含む)-入渓点出発(5:30)-0:20-ハナゲノ滝下(5:50)-0:05-ハナゲノ滝上(5:55)-0:15-白毛門沢出合(6:10~25)-1:05-2段11m下(7:30~40)-0:35-タラタラのセン下(8:15)-0:40-タラタラのセン上(8:55)-0:45-大岩(9:40)-3:10-白毛門山頂(12:50~13:25)-2:05-土合駅(15:30)
沢中:7:20 沢外:3:35 全体:10:55(休憩時間を含む)

対処
※対処が書いていない箇所については、同定出来なかったか、2015年勝見Pと同じ対処という事なので、勝見Pの記録を参照のこと。

①入渓まで
登山ポストは地上待合室の中にある。待合室は床に虫の死骸が落ちていたりするので寝るにはマットが必要。この時期なら寒いのでシュラフもあった方が良いだろう。トイレはとても綺麗。当日は3:45起床、4:35出発。踏切を渡り、道のカーブが終わる所にあるキャニオニングの店の右の道に入る。すぐに見えてくる駐車場を通り過ぎ、東黒沢に架かる小橋を渡ると白毛門の登山道に入る。少し進むと右に踏み跡があり、これを辿れば入渓点に着く。踏み跡に入る所には赤テープがある。

②ハナゲノ滝
最初は左壁の階段状を登る。ホールド・スタンスともに豊富で難しくないが高度があるので少し怖い。階段状が終わる所から右岸巻き。巻き道は明瞭・平坦で難しくない。

ハナゲノ滝後の大岩
右岸にある大岩の下をくぐる様に水流中を通った。

③白毛門沢出合
左が白毛門沢、右が東黒沢なので、左に入る。

5×10m
右岸巻き。見たところ直登は明らかに難しい。

5m(トイ小滝と4×20mの間の滝)
右壁のナメ状を登る。ホールド・スタンスともに微妙なのでトップの小川がフリーで登ってパワーロープを出した。右岸巻きを試みた後続のパーティーは最後が崩れていて進めないという事で戻って来たので、右岸巻きは厳しい模様。遡行図を見ると釜の前から左岸巻き出来るような表記になっているがそちらは未確認。

④2段11m
右壁を直登、そのまま左岸巻き。高さはあるが直登は難しくなかった。上部で左岸の草付きに入りそのまま左岸巻きに入る。左岸の巻き道は2段11mの上まで続いており、クライムダウンで沢に戻った。降りた場所は急だったが、しっかりした木がいくつかあったのでクライムダウンで済んだ。

⑤6m
6mであると気付かずにトップの小川が左壁直登、始めは簡単そうに見えたが上部が難しく、何とか登り切ったがかなり危なかった。後続は右岸巻き。巻きの後半は踏み跡らしきものが無かったのでそもそも巻き道があったかどうかは微妙なところ。ただ藪が濃くしっかりしていたので、それを掴みながら進む事が出来るのでそこまで危険という訳ではない。最後はクライムダウンで沢に戻った。一見すると難しそうではなく6mもある様に見えないので見逃しに注意。2段11mの後で少し高めの滝が現れたら、この滝である可能性が高い。計画段階では灌木を掴める右壁を直登しW1は確保する予定だったが、右壁の状況は確認していない。

⑥タラタラのセン
下段5mは左壁を直登。そこから中段7mと上段大滝をまとめて右岸巻き。途中大きな枝沢があるが、これも右岸から巻く。するとその上に小さな枝沢が横に連続して二つ現れるので、それらを右にトラバースして横切る。その後は再び踏み跡が現れるのでそれを辿って行き、最後はクライムダウンで沢に戻る。他の記録には二つのルンゼを通過するといった説明がなされているが、恐らく先述の二つの枝沢をトラバースする事を言っているだと思われる。

5m
左岸巻き。

⑦20×40m大ナメ滝
左岸巻き、終盤で滝に戻って右岸に渡り左壁草付きを登って滝上に出る。5mの左岸巻きからそのまま大ナメ滝の左岸巻きに入ったので、そのまま進んだ。巻き道は明瞭。中盤で滝に戻ったが滝が思っていたより急で滑ると下まで落ちてしまう危険があったので直登は断念。その後は巻き道より滝に近い左岸の灌木帯を巻いた。終盤で滝が緩やかになり、テラスがあったので、そこで滝に戻って右岸に渡り最後は左壁草付きを登って滝上に出た。かなり急なナメという印象で、ナメ歩きの練習をするには危険と感じたので、左岸を全巻きするのが無難だろう。確認はしていないが、巻き道の明瞭さからして全巻き出来ると思われる。

大岩
右を通る。滝になっているが難しくはない。

⑨~⑩ツメ
遡行図にある1:2の分岐は、今回は水量が1:1くらいに見えた。注意していないと見落とす可能性もあるだろう。ツメは傾斜がきつい岩登りで体力を削られるばかりでなく、高度感があって一息つく暇がなく精神的にもきつい。W1を連れて行く場合はそれなりに体力や経験値、登攀技術のある者でなくては厳しいだろう。草付きに入った直後くらいでトップの小川が滑落したが比較的安定した場所にいた葉玉が止めたので事なきを得た。もし葉玉が止めていなければかなり下まで落ちていた可能性もあった。疲れて集中力がなくなって来る頃なので気を引き締めて直して登る必要がある。踏み跡をきちんと辿れたので白毛門山頂直下に出た。勝見Pの記録にもあるように踏み跡を見失って違う場所を進んだ場合、急峻なだけにどうなるか分からないので、ルーファイはしっかり行わなければならない。

下山道
白毛門山頂付近の登山道は急坂で直ぐそこが崖になっていて危ないので慎重に。その後の道は緩急を繰り返す。登山靴は必須。なお今回は15:30の電車に間に合わせるため、かなり急いで下山した。普通に下山すればコースタイムくらいになるだろう。

電波情報(全てdocomoの情報)
土合駅:良好 入渓点:良好 白毛門沢出合:あり 2段11m下:あり タラタラのセン下:あり 大岩上:あり 最後の二俣付近:あり 白毛門山頂:良好
※全てラインが通じた。

総評
すっきり晴れて好い山行になった。核心としては⑦大ナメ滝とツメだろう。大ナメ滝は巻けば大丈夫だが、ツメはなんともならない。パーティーの力不足が明らかな状況や、ツメに至るまでに大幅な時間がかかっているような状況で安易にツメに入るのは危険なので、余裕を持った計画やツメの厳しさを意識しての現地判断が求められる。⑤6mも巻かずに登るという事になれば核心の一つになると思う。また実際に行ってみて、やはりW1は1人が限度だろうと感じた。















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