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2017 沢合宿 万太郎(撤退)


文責:安陪
山域:魚野川水系万太郎谷本谷
参考資料:遡行図「東京起点沢登りルート120」、25000分の1地形図「茂倉岳」、山と高原地図「谷川岳」2014年版
日程:2017年8月10日(木)~11日(金)、撤退のため実際は8月10日の日帰り
目的:沢合宿
天気:晴れ、段々と曇りに
メンバー:CL:安陪(W3) SL:葉玉(W3) 医療・天気:布勢(W1) 食当:小川(W2)

コースタイム
土樽駅(4:35)-0:55-入渓点(5:30~5:50)-2:40-関越トンネル換気口下(8:30)-0:55-オキドキョウノトロ下(9:25)-1:15-オキドキョウノトロ下から下降開始(10:40)-2:50-魚止滝下(13:30)-1:40-入渓点(15:10)
沢外:1:15 沢中:9:20(遡行:4:50、下降:4:30) 合計:10:35


対処

土樽駅
前日(8月9日)に土樽駅泊。無人駅で待合室が広く快適に過ごせる。電波も良好。但し電灯は夜もつけっぱなしなので注意。駅の前には登山ポストがあるが、それ以外は何もない。

入渓点まで
入渓点まではエアリアを見ながら進めば問題ないが、エアリアに載っていない分かれ道などもあったので注意して進んだ方が良い。

①入渓点
巨大な堰堤から入渓する。入渓点にはテントを1~2張ほど張れるスペースがあり焚き木の跡があった。沢へは問題なく降りられる。一つ目の水量判断地点だったが、ここでは余り水量が多いとは感じられず、遡行を開始した。水の流れている所は深くて通れそうもなかったので、堰堤の脇に設置してある階段を使って一段上に上がり水の流れていない所を通過した。

②ナメ地帯
これも水量が多いためか水が流れている所は歩けそうもなく岸を進む。

魚止め滝4m(遡行図に記載なし)
滝の直登は無理なので左壁をへつって滝右岸にあるルンゼ(岩溝)を登るとのことだったが、釜が深くルンゼも登れそうになかった。そこで巻き道を探したところ、左岸にトラロープがあったので、そこから左岸巻きした。巻き道は踏み跡があり途中赤テープもあるが、茂みが濃いので進むのに少し苦労する。巻きの下降点はいくつかあり、魚止め滝上に降りられるルートもあったが水量が多くそれを降りるとそのまま魚止め滝まで流される危険を感じたので、更に巻き道を進み魚止め滝の上の滝まで巻いてから沢に下降した。

オキドキョウノトロ手前の滝(遡行図に記載なし)
右壁を登るとの事だったが、滝から離れた左岸を巻くような形になった。自分(安陪)は右壁を登ろうとしたが上手くいかず水中に落ちた。自分としては落ちても下はそこまで深くないので大丈夫くらいの気持ちで登っていたのだが、滝下の釜が渦を巻いており、流れに逆らえずそのまま引き寄せられていき、渦に引きずり込まれた。幸い釜が深くなかったので助かったが、もし深かったら溺れていた可能性も十分あったと思う。改めて釜の恐ろしさを実感した。この滝は無理をせず左岸を巻くような形で登るのが良い。

オキドキョウノトロ
二つ目の水量判断地点。ここまでにコースタイムから一時間以上遅れており、水量が多いためである事は明らかだったが、ここはゴルジュ(両岸が切り立っているため水が集まりやすいと考えられる場所)であるにも関わらず写真と比べてみてもそこまで水量が多いとは思われなかった。対処は右岸のバンドをへつってから左岸に泳ぎで渡り出口の滝は右壁を直登という方針だったので取り敢えず右岸のバンドをへつって奥の様子を見ることにする。右岸のへつりは特に問題ない。奥に着いてみても水量はそこまで多いとは感じられず、左岸に泳ぐことを考えたのだが、左岸がつるつるしておりホールド・スタンスともに目視では少なく見え、泳ぎ着いたとしても上に上がれそうになかったので断念した。これは正直、水量が多いためにそう見えたのか普段からこうなのかは分からない。ザックを下ろしたりパワーロープを使ったりすれば行けたのかも知れない。一度入口まで戻ったところ小川が左岸に巻き道らしきものを発見したのでそこを登る事にしたが自分(安陪)が登っている最中に小川が別の巻きを登り始めている事に気付かず先に行かれてしまい、それに付いて行った布勢が滑落、少し顎を切る怪我をした。ロープも持っていない小川が勝手に別のルートを進むことを許してしまったのは不注意だったとしか言い様がない。布勢の怪我は血がにじむ程度で重症ではなかったが、やはり怪我は怪我であり、コースタイムから大幅に遅れていること、これからも遅れが見込まれること等も勘案してここで撤退する事に決めた。小川は巻きの上の方まで登ってしまっていたので自分が上まで登ってそこから2人で懸垂下降。懸垂の立ち木は信用できるものではなかったのでかなり怖かった。

下降の対処

オキドキョウノトロ手前の滝
登りと同じく左岸を巻くようにしてクライムダウン。懸垂下降の必要はなかった。

魚止め滝4m
登りと同じく左岸巻き。魚止め滝の上の滝の滝上から巻く。沢に戻る際に立ち木で懸垂下降した。立ち木はいくつか良さそうなものがあった。

電波情報
土樽駅:docomoあり 入渓点:docomoあり 関越トンネル換気口:docomo圏外 オキドキョウノトロ:docomo圏外

総評
長寿の台風5号のため日程を遅らせて入渓したが台風の新潟県直撃の後だったため水量が多く進むのに苦労した。ただ水量判断地点としていた入渓点、オキドキョウノトロ共にそこでは水量が多いとは感じられず、むしろ河原歩きをしている時の方がそのように感じていたので、改めて水量判断は難しいと思った。状況が状況だったために仕方のない部分は多かったが、反省すべき点も多い山行だった。また今回はW1も1人まで可としたが、実際に連れていってみて止めた方が良いということになったので、メンバーに遡行経験者がいるならまだしも、いない場合はW2以上の山行にした方が良いだろう。











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