【09春合宿 西表島縦断 CLコメント】
文責:北原
※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。
CLコメントとして次のパーティーへの助言を述べておきます。
≫石垣に関して
石垣島のバスターミナル、空港にてコインロッカーが使用できる。
「中村つりぐ」は(「中村釣具」では検索にかからない。)ターミナルのすぐ近くにある。ライター、カートはそこで調達できる。
≫大富→浦内へ抜けるコース
●そもそも。
大富から浦内へ抜けるより浦内から大富に抜けるべきである。
その利点を以下に示す。
①船の時間を気にせずトレッキングができる。
②仮にイタジキ川の氾濫で停滞せざるを得なくなったときには無理矢理第二小屋跡で停滞ができる。
また大富登山口付近はどこでもテントを張ることができるため、そこで下山としてもよい。大富登山口から100Mほど下れば携帯次第では電波が入る。(森田確認)
●トレッキング全般
気を付ける点は多くあるので分けて書いてみよう。
①イタジキ川に関して
イタジキ川はやはり氾濫する。もちろん徒渉が不可能だと考えれば引き返すのが正解だが、引き返すにはもったいないが、水が少し多い程度の場合もあろう。
その時の対処として、ザイルとまでは言わなくとも長めのPR(7m+15m)とハーネス、カラビナ数枚、スリング数本あればかなり楽かもしれない。
②ムシに関して
ムシ被害は多発する。主に蚊やヒルの被害が多い。虫除けは効果を示さないかもしれないが、お守り程度にあってもよい。
しかし問題はアフターケアであるので、ムヒなどは必携である。付け加えるならば、ムシにやられても平気な心が必要。
③雨に関して
雨が多い時期の入山(2,3月)がHWVでは主流であると思うので、雨対策は万全にしておく方がよい。普通の縦走ではなく、沢並の防水でちょうどであろう。
またチェルトは多めに持っていくと効果的。張ったことのないメンバーだけで行くなら、張る練習をしてから行くとよかろう。
今回の山行ではテントの浸水が顕著だったので、メンバーの不快感は最高潮であった。
不快感は寝不足を引き起こし、寝不足は注意散漫になり滑落などの事故を引き起こしかねない。今回は5人でパーティーで4,5人テントを用いたが、かなり反対が強かった。
少々重くても快適さを取るならば5,6人テントを持っていってもいいと思う。また、今回はテントの下からの浸水があり、その対策としてビバークシートを下に敷いてから銀マットを敷くことにした。完璧にしけばかなり浸水は防げるはず。今回CL以外は皆シュラフを石垣にデポしてきた。基本的にはデポでよい気温である。しかしシュラカバだけでは浸水にたえられない場合がある。今回はかなりのメンバーが濡れて寝ることになった。しかしシュラフをかぶって寝たCLはかなり快適に寝ることができた。これはCLが極度の寒がりであったからシュラフにくるまって寝ても快適だったが、他の人はシュラフで寝ればむしろ汗だくになってしまうかもしれない。
④登山道に関して
正直にかなり怖かった。それは雨の影響もあったのかもしれないが、沢の高巻きのような足場の悪いところも多々あった。ロープの出しようのないところもある。
誰も滑落しなくてよかったが、仮に滑落していたらジャングルで視界が効かず滑落したメンバーの場所を突き止めるのも困難かもしれない。
笛は必携である。また、ロープを持つ人間は分散しておかねばならない。また、イタジキ川手前(大富側)でCLがトップで木から垂れ下がるロープを頼りに下降した際、その木が根っこから抜けてしまい、数メートル下へ落下した。このときは少しの打撲で済んだが、ロープを使う際の視点選びは気を付けねばならない。土がかなり粘土質なので木の根も脆弱。倒木の数も多い。そのため、木をくぐる動作が多くなる。特に対策があるわけではないが、体力を奪われるということでもわかっているとよい。
⑤読図に関して
ジャングル内での読図はほぼ不可能であるが、以下の点を心がければ迷う心配はなかろう。
・川の徒渉の回数、位置を把握しておく。今川のどちら側を歩いているのかさえわかれば二五万上でのだいたいの位置がわかる。
・方角と赤テープを見失わないこと。進行方向の方角は必ず念頭に置きながら歩く。それによって赤テープの位置が予想できる。
テープは赤、ピンクがあり、偵察用には別の色がよい。蛍光の黄色などはわかりやすくてよかろう。
≫西部浜歩き+ジャングルトレッキングについて
今回は断念したが次回のために重要な反省を。
①時期
潮汐がものを言うことは言うまでもないが、潮汐の中でも大潮の時期に入山(?)すべきである。
大潮の時期でないと非常に険しかったりするらしいので必ずチェックしてから行くように。
②天候
天気が変わるのは非常に早い。私たちは浜にテントを張ったが、深夜雷雨に襲われた。死んじまうんじゃないかと思うほど怖かった。いくら天気がよくともテントは森側に張るほうがよい。
以上。