Home / 一橋大学ワンダーフォーゲル部 記録集 / 2008年 沢登り 白水沢遡行

2008年 沢登り 白水沢遡行


【08年 個人山行・白水沢】

※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。

日時:
2008年10月12日前夜発 

メンバー: 
CL-安井(W4)、SL-清水(W5)、医療-西垣(W2)

コースタイム:
合計タイム5:40*行動開始8:15
大黒屋~0:30~入渓点(②前)~1:00~二俣~1:40~④上~0:40~⑤上~0:40~登山道~1:10

記録:
入渓 
僕らにとって因縁の①白水滝は無視で、甲子山への登山道を進めば、途中で②衣紋滝への滝見道との分岐があるので、そこから入渓する。分岐には看板もあるので、非常にわかりやすい。ちなみに①白水滝は、一昨年にくらべ、落ち口までのトラバースも危なくなっているし、登ったところで堰堤にぶちあたり、結局高巻く必要があるので、登ることはお勧めしない。 
②20m直爆(衣紋滝) 
左巻き。ルンゼから巻き始め、滝に近いところを巻いていく。中盤までは巻き道という感じだが、それ以降は壁を登攀することになる。難しくはないのだが、高度があるため、怖く感じ、後続は中盤以降の登攀の部分だけロープを出し確保した。確保支点は木からとったが、確保体勢はあまりよくないので、注意が必要。 
③10m 
左から直登。ホールドやスタンスが細かいながらもしっかりあるので、特に問題はない。少し高度があるのと、最後の体を乗り上げるところが難しかったので、木からPRを出した。 
5m滝 
左から巻く。巻き始めはルンゼで、巻くのに十分な高さまできたらトラバースする。そのトラバースの途中、巻き道が崩壊しているところがあったので、念のためPRを出した。 
二俣 
左俣の入り口は倒木にふさがれているため、うっかりしていると見逃すので注意。ただ、目印として倒木に赤テープがついてある。ここから一気に水量が減る。もはやモミソ、大山川といった様相。 
④4段30m 
一段ずつしっかりテラスがあるので、30mの一つの滝というよりかは、15m、7m、5m、3mの滝が連続して続いているような印象である。また、写真で見ていたより小さく感じた。左沢の20m滝の方が大きく、登るのが難しいように見えた。
核心は一段目。右から登り始め、右壁の草つきと滝との間の乾いたところを登っていく。しっかり探せば、三点支持を守って登ることができるので、技術的には難しくない。しかし、高度があるところで余裕を持ってスタンスやホールドを探すためにはリードは必須である。下部でハーケン、ナッツ、中部でカミングデバイス、残置ハーケン、上部でナッツをランナーとして使用した。さらに一段目上には確保支点がなかったので、二段目を右壁トラバースで登るところで木からランナーをとった。二段目も細かいスタンスを使って登ることになり、意外と難しい。結局、確保支点は三段目前の右壁のクラックにハーケンを二枚うち、それらと倒木を使い、構築した。
三段目は中央から登り、四段目は右から登る。どちらも、コケですべることさえ気をつければ、簡単ではないもののなんとかなるだろう。 
1:3の二俣 
本流は右だが、左にも赤テープが張ってあった。本流はかなり崩壊が進んでいるので、本流を避け、左の枝沢をつめあがる遡行者が多いのかもしれない。 
8m滝 
水流中央を直登する。ここは余裕。 
⑤3段30m 
かなり崩壊が進んでいる。そのため、水流はほとんど無いに等しい。一段目は中央から倒木を使ってのぼった。倒木が無ければ、左壁からだろうが、少し難しそうだった。そのあとの対処は、二段目は左から、三段目は右からになる。ポイントは三段目。三段目前の左から右へのトラバースがスタンス不足であるところ、右から巻き気味に登る際のスタンス、ホールドがともにもろかったり、くずれやすかったりするところが危険である。左岸の木がちょうどいい角度であったので、そこからPRを出した。 
10m滝 
水流中央を直登する。斜度もゆるく、階段状なので簡単。 
3m滝 
水流中央を直登。もしくは右岸を浅く巻く。前者は少しだけテクニカル。 
ツメ 
最後のところは、ニゴマンにも出ていない枝沢が連続で登場するので、読図不能。そのため、本流を忠実につめれなかったのか、かなり藪をこぐことに。おおよそ20分はガサゴソと久しぶりのやぶ漕ぎをやるはめになった。

 

感想:
四年の最後で、勉強になったという感想がいいのか悪いのかわからないが、リードの技術をしっかり実践できたことは非常に勉強になった。リードの技術の確認という意味で有用なところ、岩が白く水がきれいでまさに白水沢だという前半の景色がよいところが魅力的な沢だと思う。ポイントとなる②、④、⑤以外は簡単なため、他山域である点を付け加えても、レベルは二級以上にはならないお手軽な沢だと思う。
2年のときに、秋合宿として、はじめてCLとして出した沢で、惨敗に終わった沢を、完全遡行できたことは本当に感慨深いです。清水さんと僕で組む最後の沢に選んでよかったと思います。アプローチの長さも気にならないくらい、楽しい山行でした。




     RSS of this page