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2007年 春合宿 西表島縦断


【2007 春合宿 西表縦断 】

※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。

メンバー:
CL・記録 安井(3)SL・装備 清水(4)食当・気象・医療 真船(4)

日程:
3月12日~19日 

はじめに: 
まだ自分のほほをさわると潮の香りがするような気がします。 
いや、これは僕の涙がかわいたあとなのでしょうか。 
何の涙かはプライベートなことなので割愛さしていただきますが、こんな感じで多少、身内ネタで浮き足立った記録になりますので、しょこたんのブログを笑って見る事ができない方は読まないで下さい。 

コースの概要: 
とりあえず計画書のコピペです。 
0)石垣島―大原港-▲仲間橋横の公園 
1) ▲-大富-4:55-第一小屋跡▲(4:55)  
2) ▲-0:40-中間広場-2:35-イタジキ川渡渉点-マヤグスクの滝(ピストン1:00)―イタジキ川渡渉点-0:20-第二小屋跡-1:10-カンピレーの滝-0:35-軍艦岩船着場―(船)-観光船発着所-浦内川(バス)15:30―星砂の浜キャンプ場15:42▲(6:20) 

Case1 クイラ渡りの道に出るのが15:00前 
3)▲9:33(バス)-白浜9:55-(船)-クイラ川サイト地-3:00-クイラ入り口の浜-1:40-鹿川湾▲(4:40) 4)▲-2:05-網取湾-0:40―ナーダ道(0:50)-1:45-船浮-白浜15:20-西表島温泉16:11▲(5:20) 
5) ▲-カヌー体験会 

Case2 クイラ渡りの道に出るのが15:00後 
3) ▲9:33(バス)-白浜9:55-(船)-クイラ川サイト地-3:00-クイラ終わりの浜▲(3:00) 
4) ▲-1:10-クイラ入り口の浜-1:40-鹿川湾-2:05-網取湾▲(5:05) 
5) ▲-0:40―ナーダ道(0:50)-1:45-船浮-白浜15:20-西表島温泉16:11▲(3:15) 
6) ▲-カヌー体験会 

ポイントとなるのは僕が始めて出した三日目のクイラ川~鹿川湾に抜けるコースです。これに関する資料は非常に少ないです。参考にしたのは琉球大学ワンゲルOBのHPですが、この記録でもう少しつっこんでいきたいと思います。あと網取湾です。綱取(←大関かよ!)湾ではないです。 

準備: 
まずは飛行機の予約です。僕らはANAの特割を使いました。だいたい半額以下になります。二ヶ月前からのネット購入になるんですが、あっというまに売り切れます。なんで、最初にすることは日程の調整でしょう。あと帰りの飛行機の予約をしてしまいたい気持ちも十二分にわかりますが、西表は3月の半分は雨だといわれているんで、3~4日くらいの停滞を覚悟した予約がいいと思いますが、それでも万全かどうかはわかりません。自己責任でどうぞ。 

次に、潮汐表を探しましょう。「西表 潮汐」でぐぐれば大丈夫。後述しますが、潮汐は西表の海岸を歩く場合はめっちゃ大事です。 

あと西表ならではのとこでいくと、危険生物のチェックです。一回ぐらいは講習やってもいいかもね。ハブとかウミヘビとかアフリカマイマイはこわいです。 

星砂の浜キャンプ場 
持ち物: 
とりあえず再び計画書のコピペです。 

共同装備:4~5人テントセット、ラジ天セット、医療ポリ・箱(ポイズンリムーバー含む)、パワーロープ×2(接続用のカラビナ、シュリンゲ)、ツェルト、コッヘルセット、赤テープ、ヘッド×2、カートリッジ(大3) 
予備装備(あればもって行きますという装備):カートリッジ(小1) 
個人装備:通常沢装備(ヘルメット含む)、ポリタンク×2、虫除け、非常食、水着、帽子、手袋、予備食

パワーロープはちょっとすべりやすいところとかでお助け紐みたいな感じで使う意図で持っていったんですが、結局そのような使い方では使わなかったです。たしかにいやらしいすべりやすいところはあったのですが、そこにはちゃんと残置されたロープがありました。ただ西表では強い台風によって木がなぎ倒されることがよくありますので、お守り的に持っていくのはありかと思います。あとあるといろいろ使えます。実際、僕らも雨宿りのためにフライを広げたり、ぬれたものを乾燥させたりにシュリンゲとかギア類を使いました。 

赤テープは迷ったときに偵察にいくときにさらに迷わないように目印にするのに使います。 
ただし偵察用に使った赤テープは必ず回収しましょう。でないと、その赤テープを追って道に迷う人がでてきますんで。 

カートリッジは飛行機には持ち込めません。そのため現地調達が余儀なくされます。まずは中村釣具店で買います。大小どちらのカートリッジどちらも置いてあります。あと余談ですが、新品のまま返品すると返金してくれます。ただ返金してくれよ、という態度ではいけません。僕も最初は全然、返金とかしてもらえるなんて思っていなかったんで、新品だと伝えたのは、むしろ店の人にこのカートリッジならもう一度店頭に並べれちゃうよっていうのを伝えたい親切心からだったんで、そのへんの好感度が伝わったんでしょう。想いはちゃんと伝わりますね。なんで、返品するときはがんばって好青年、もしくはかわいこちゃんぶってみてください。あと実は星砂の浜キャンプ場にも置いてあります。ただこちらは電話で確認した方がいいかもしれません。 
(SL追記:潮風に当たるだけでカートリッジの金属露出部分は簡単に錆びます。不使用時は、きちんと袋・ジップロックなどに収納しましょう。) 

ヘルメットと手袋は必須です。前者は海岸沿いの岩場を歩く、縦断路でもいわいわしてたり倒木がごろごろしてる、パイナップルとかココナッツが急に落ちてくるからです。後者は木にはりついている軽く毒のある毛虫やムカデ、棘のある植物対策です。 

水着は日本最南端の西表温泉の露天温泉に入るためです。 

地図は25000分の1が「美原」「船浦」「西表大原」「船浮」で立川の紀伊国屋書店とか大きい書店に置いてあります。 

計画書は大原の営林署に一通。3日目に白浜駐在所に一通 

書いていないとこでは、シャワーあびて生乾きになれるくらいに体をふける小さなタオルを2~3枚用意しておくといいと思います。星砂の浜キャンプ場に限り、シャンプー類がないので、マツモトさんとことかで試供品をもらっていくのもあり。 

記録: 
3月12日
お見送りでいただいたキャベツ太郎を右手に那覇で飛行機を乗り継いで、4時ごろに石垣着。ちっちゃい空港です。驚きなのが、あの飛行機と空港を結ぶ、牛乳パックみたいな連結路がなく、飛行機から地面に降りれるんです。よくよその大統領とかがくるときに流されるニュースの映像みたいな感じなんで、思わず、ザ・国内線って趣きのスッチーに手を振ってしまいました。 
空港からはバスで石垣港に向かうバスに乗り、バスターミナルで降ります。そしてぼくらは美ら宿石垣島にチェックイン。入り口はなんかラブホチックで島の雰囲気から浮いてるんでわかりやすい。部屋は寝台列車みたいな個室で1日1800円。布団あり、漫画あり、テレビあり、風呂あり、洗濯機あり、ネットもできるので、マジでおすすめです。 
そのあと僕らは中村釣具店でカートリッジを買い、店の人に聞いて地元の定食屋に行きましたが、これはおいしかったです。あさひ食堂とかいうとこです。ていうか、全体的に沖縄料理はうまいです。特にこういう沖縄のジモッティーごようたつみたいな定食屋の味付けはまず東京では味わえないです。しかし、観光地っぽいとこの料理は東京ナイズされているんでいまいちです。なんか味が濃くなってしまって、沖縄料理独特の香辛料とかハーブとかの味が消されてるんですよね。ちなみに飲み物も独特で、ゲンキクールとか、ルートビアとかも一度ご賞味ください。 
帰り道に開運ストーンを売っている客引きにひっかかる。けっこう話がはずんで、あれよあれよという間に真船さんの携帯にはその開運ストーンが… 
本日のお見送り消費 キャベツ太郎2袋 

3月13日
10時すぎおきでゆっくり休んでチェックアウト。船着場にある刺身屋さんはマグロがすごい安い。飲み屋で400円くらいする刺身の6倍くらいの量のマグロの刺身がなんとお値段すえおきの300円。他にも産地がすぐそこだからこそ食べれるマグロの心臓の刺身とかいう珍味もあります。店の人がいうには、サンマみたいな味よ~、とのことですが、実際そうでした。でもマグロがサンマになるのってどうなの?ちょっと損した気分も抱えつつ、13時ごろの船で西表に出発! 
営林署で山行計画書を出し、仲間橋横のキャンプ地まで向かいます。しかし、ここキャンプ地にしか見えないのですが、実はこの道を挟んで反対側はキャンプ禁止ですが、ここは…。「どこに泊まるの?」系の質問には「まだ決まってない。」「そこの、名前はわからないんですけど、そこの民宿です。」と答えましょう。それに強制撤去とかはされないので心に少しの罪悪感をもっておけばOKです。ビンやカンを不燃ごみで捨ててしまうときぐらいの罪悪感です。 
本日のお見送り消費 キャベツ太郎2袋 マシュマロ 人間用樹液3ビン 

3月14日
翌日が雨予報のため待機となったんでカヌー体験会を日程変更してやっちゃいました。八重島ナビ(石垣版ホットペッパー)のなかからヒナイサーラの滝を見る事ができるツアーを選び、予約をとりました。ヒナイサーラの滝はすごい迫力でした。さらには幻の滝と呼ばれる滝もみることができました。雨の多いときにしか見れない滝だそうです。だから俺らはウェーティングしているわけですけどね。カヌー自体は正直な話、予想より大変でした。まだボートの方がすいすいいきます。でもマングローブに囲まれた川のまんなかに浮かぶのは気持ちいいです。特に僕はインストラクターの方と同乗していたので、真船さん清水さん機がジグザグ走行を繰り返し、何度もマングローブの木の根にひっかかるのを笑って見ていることができました。まあそんな俺のせいでインストラクターの方はけっこう疲れてましたけど… 
本日のお見送り消費 キャベツ太郎6袋 

3月15日
まずは花札大会から朝が始まります。ここで一躍、活躍したのが「開運ストーンの真船」でした。見事に昼ごはん代をさらっていきました。対するビリに対する罰ゲームは、ポジティブじゃんけんの考え方(勝ったほうが罰ゲームをするという考え方)でキャベツ太郎をたべることができるという罰にならない罰ゲームでした。これのせいでこの日でキャベツ太郎は底をつくことになりました。この日はそのあと、レンタカーで由布島に行き、西表温泉に行きました。ここの露天風呂は水着着用、つまり混浴です。そして入り口で女の子を確認。張り込み開始。30分経過。のぼせました。 
本日のお見送り消費 キャベツ太郎10袋 

3月16日

ついに山行開始です。 

06:30~07:40 仲間橋展望台着。 
            多少の分岐はありますが、でかい道をまっすぐ行くだけです。 
            ケヤキ坂より心臓破りな坂が最後にあります。 
08:00~08:25 東屋その1着 
            急に夕立のような雨が降ってきたので雨宿り。 
            ついでなんで、ここで沢シューに履き替えます。 
09:00~09:25 大富の入山口につきます。 
            ここまで携帯(ドコモしか所持していない)入ります。 
            真船さんがムカデに襲われる。 
09:25~10:05 雨で不快 
10:15~10:55 雨で不快 
11:05~11:45 第一小屋跡に着いたけど、やっぱり雨で不快 

雨で不快なのに足運びは快調でほとんど迷うことなく目的地に着きました。しかし、トップが道じゃないところに進んでいってしまうということも多かったのでその点は注意が必要かと思います。「ひとりひとりがトップでありラストである」というこころがけが大事だと思います。ひとりひとりが自分の行動に責任を持とうということをあらわしたなんとなく語呂がいい言葉です。あなたの辞書のなかの1ページにしていただけると幸いです。 
本日のお見送り消費 キャラメルポップコーン トッポキ 

3月17日 

07:45~08:15 中間広場着 
            ここに泊まるのは厳しい気がしました。 
08:25~09:20 トップはヒルに襲われないことを知る。  
09:30~10:10 イタジキ川着 
            直前の道が少し残置ロープを使ったクライムダウンになる 
10:25~11:25 マヤグスクピストン 
            滝の上に行くのは右から 
            岩がはがれるかもしれないので崖側には近づかない 
11:35~12:25 浦内川を少し下り進行方向右側の沢筋から登山道に戻る 
途中で第二小屋跡通過 
12:35~13:05 カンピレーの滝着 
13:25~13:45 マリュドウの滝展望台着 
13:50~14:10 軍艦岩船着場着 

イタジキ川の渡渉は問題となっていましたが、前日が雨であったにもかかわらず足首までも水がこないという楽勝っぷり。二日目が雨だと入山できないとしたのはすべてこの渡渉のためだったんですが、僕の印象としては天候条件は必要なかったかなと思いました。もちろん自然をなめてはいけませんが。むしろ注意してもらいたいのが、よく記録とかでどこどこの岩はすべりやすいので注意しようとかかかれてますよね?でも実際行ってみるとそんなにすべらない。そんな繰り返しにへきえきしているあなた!このイタジキの岩はほんとにすべります。ハイドロプレーニング現象も真っ青です。 

リミットは軍艦岩に3時あたりで設定しておくのが良いと思います。軍艦岩船着場の最終便が4時前にでてしまうからです。ちなみに浦内川発着所のバスの最終便は3時半になる(それ以降はタクシーを呼ぶ)ので、それに間に合うためには2時半にはついておきたいところです。ツアー客によってこの遊覧船の運行の時間は変わるのでなかなか予定通りにいかないですが、もし乗りおくれても船着場の近くにテントを張ることは可能です。 

この日のコースは景色的によかった。マヤグスクの滝はベタな感想ですけど、神様の贈り物だなーと思ったし、星砂の浜はチョコレートでいうとゴディバのようなロマンティックさでした。 
本日のお見送り消費 ココア 炊き込みご飯の具 

3月18日 
10:35~11:40 クイラ川サイト地~海岸まで 
12:00~12:40 鹿川湾着 
13:25~14:45 132着 
15:00~15:40  
15:50~17:10 網取湾着 

クイラ川サイト地とはクイラ川の奥にあるちょっとした船着場のことです。しかし、いつでもそこまでボートが入れるわけではありません。潮が満ちているときでないとそこまでいけないのです。最低でも満潮の2時間前後でなければなりません。そうでなければ、そこまで歩いていかなくてはならないのですが、非常にクイラ川の泥はぬめっているので、はまれば抜け出せない(つまり死ぬ)可能性があります。僕たちのように重い荷物を持っているならなおさらです。それでももし歩かなくてはならない状況になれば、マングローブの林の中を歩いてください。マングローブの近くは浅くなっているからです。しかしこちらは迷う(つまり死ぬ)可能性がありますので、サイト地まで入れないときは引き返してもらうのが懸命です。ただそれさえも干潮に巻き込まれてボートが帰れなくなる可能性があります。だからタクシーを前日に早朝に予約しておき、満潮時に船にのれるように努めて下さい。 
この話は僕たちが送ってもらった親切な船浮海運(0980-85-6161)のおじさんの話です。僕が上記のようなことをあまり深く考えず、勝手な予約をしてチャーターしたにもかかわらず、自分がボートを置いて歩いて帰ることになるのを覚悟してまでサイト地に送っていただいたことは本当に感謝しています。もしこのルートをとるのならぜひこちらの海運さんの船をチャーターしてください。(白浜からで4000円) 

さてそこからクイラ渡りの道にでる道なのですが、この道が一番楽しかったです。いろいろいなHPで迷ったとかいう記述をみていたので相当な緊張を持っていたのですが、サイト地からクイラ渡りの道にでるまで、さらにはクイラ渡りの道から海岸に出る道まで、赤テープを探しながら歩くのが、さながら探検隊のようでとてもエキサイティングでした。このテープひとつひとつの間隔も短いので少し周りを偵察してみてわからないときは迷っている可能性が高いので一番、身近なテープに戻り、もう一度偵察をしてみてください。そうすれば迷うことはないはずです。道自体も歩きやすい感じでした。ちなみにここでは、鳥が捕食された痕跡がありました。西表で鳥を捕食するのは…。これで一つ土産ができたと思います。 
続いて、海岸歩きになるのですが、ここは潮の干潮によってまったく様相が変わってきます。潮が満ちているときは巨岩歩きと砂浜歩き、潮が引いているときはリーフという珊瑚でできた道を歩いていくことになります。前者を10としたら後者は1くらいの楽さです。鹿川湾の水場は岩肌に水が流れているところが確認できました。テン場は木が生えているところで平らなところが確認できたんですが、波が高い日は怖いですね。 

次に目指すのは132です。これはひみつという意味ではありません。ウダラ川のほうへ行くために山を越える際の一番低いところの標高をしめしたものです。ちなみにそこにはちょっとした標識がかけられています。しかしこの132を目指す道はわかりにくい。鹿川湾に注ぐ沢から登っていきます。入り口にはカヌーがあったり、釣りの道具とかがあります。地形的には一番東の沢でした。この沢のぼりは沢が倒木だらけで非常にうっとおしく、沢登り中はテープもまったくないので不安にもかられ、大変なものでした。途中で一度、分岐があります。そこは左に行ってください。ただし西表は非常に小さいためにその前日の雨の量とかで沢ができたりできなかったりするので、コンパスもちゃんとつかって確認しながら歩いてください。いいかげん沢登りに疲れてきたころになってようやく左にテープが発見できるはずです。そのまま左につめあがっていく感じで高度を上げていくと、ちょっとひらけた沼のようなとこに出ます。そこからまた草むらがうっとおしくなるところが続き132につきます。132は草とか木におおわれていて3人がゆっくり休むこともままならない狭さで、言うなれば北海道の時計台並のしょぼさです。いやここまで来る苦労を考えると、もっと罪深いものです。 

ウダラ川を下るのは谷へ谷へと降りていけば大丈夫です。途中左から支流が合流するのですが、そこまでいくと水量が増えてきてテープを探す歩き方になっていきます。しかし、またもや、これがわかりにくい。基本は一度渡渉して進行方向左側に川がある状態で下っていき、太いロープがまいてあるサキシマスオウのところで対岸に渡りマングローブの林を抜けていく道が正解なのだが、ちょうど僕らがここにいたのが満潮時だったので、渡渉できず、そのまま進むことに。といっても、こっち側の岸にもちゃんとした道があるはずなのだが、まったくわからない。ごちゃごちゃしているうちに波の音が、もう冷静さは吹き飛び、最後は腰まで水につかりながら、なんとか網取湾着。 

網取湾につくと、まずこの海岸に住むおじさんに挨拶しにいく。かの方は「ヨーダじいとシロのいえ」とかかいている石があるとこの奥にすんでらっしゃいます。水場(おじさんの家のすぐ近くを流れる沢)とキャンプできるところを貸してもらうようにお願いするつもりだったのだが、奥から激しい犬のほえる声が聞こえてくる。そして番犬よろしくでかい黒犬が走ってくる。対した僕らは「黒いのにシロかよ」とか思いつつ、まじめに逃げ惑う。まあ実際のところ人懐っこいだけで、よく見たらしっぽふってたんだけど、とっさのことでビビりました。おじさんは気さくにいろいろしゃべってくれます。そのおかげで夜は「ホタル国会」なるものを見ることができました。三月の中旬の7時過ぎごろに30分限定でしか見ることができない、ホタルによる人間でいうと大規模なお見合いパーティーなんですが、ほんと、やばいくらいきれいです。自然のなかのルミナリエです。ヘッドランプを消すと、手が届くくらいのとこまでホタルが飛んできて、精一杯光ります。その光もなんて形容したらいいのかわかりませんが、かぼそいようでしっかりとした意思を持ってるような光で、なにか僕たちの心に人生というものの大切さを語りかけてきました。そうして僕らは自分たちを確かめつつ、最終日を迎えていくのでした。 
本日のお見送り消費 葛湯 

3月19日 

11:10~11:50 ナーダ道入り口発見 
12:00~12:50 40分でナーダ道通過 
13:00~13:30 船浮着 
             
この行動開始時間は寝坊ではありません。干潮待ちと天候の回復待ちです。 

網取湾からの道も潮が引いている状態じゃないと、岩歩きやマングローブの林を通るとかしないと進めないです。僕らは干潮を狙ったので足運びは非常に順調だったんですが、ナーダ道の入り口を間違えます。なんかビニールの青テープと青いウキみたいなものが転がっていたのでだまされて時間がかかってしまいました。本物の入り口には砂浜のなかにぽつんと層状の二つの岩が交尾でもしているかのように重なっていて、バシッと赤テープがあり、白い発泡スチロールのウキがかけられていました。 

ナーダ道は登りの途中でテープを一瞬見失いますが、順調にぬけました。登りは向かって左の斜面をつめあがっていくように進みます。下りはテープとテープの間隔が短いですし問題ありません。くだりは一ヶ所、分岐があります。残地ロープでクライムダウンしておりきったところにあります。ただ明らかに片方の道は登りの道なので迷うことはないでしょう。 

さてそれからの道は、ど干潮のおかげで、陸路をとらなくてはいけないところも全部海側からまわりこんで通ることができました。イダの浜が見えてくるひとつ前の海岸沿いの岩場から2本のロープがかかってある山道に入るのですが、この道が少し悪いです。左がきれていて落ちたらやばいという恐怖にかられます。しかも雨が降り始めて、おかげで一番きれいなはずのイダノ浜が灰色に。非常に残念でした。 

船浮から白浜に帰る手段は限られています。定期的に船が出ている時間帯が朝と5時とか6時とかの夕方だけ。その日に石垣に戻り、打ち上げしたいと思っていたので再び船をチャーターすることに。携帯は通じないので、港まえにレストランと駐在所みたいなとこがあるんでそこで電話を借りて上記の船浮海運とかに電話するか、こちらの港にくる漁船の方をナンパしてチャーターをお願いするかしかないです。僕らは後者でうまく前の親切なおじさんをひっかけることができ、なんとかその日のうちに石垣につくことができたのでした。ナンパのコツは漁船の方が港に完全について船のエンジンを切る前に声をかけることです。そして難破のこつは岩礁にのりあげることです。打ち上げはそんなナンパテクで打ち上げも盛り上がりましたとかなんとか。 
本日のお見送り消費 チロルチョコ 

おわりに: 
潮とか普段関係ないことまで注意したりといろいろ考えなくてはいけないことがおおい西表ですが、それだけの価値があります。手前味噌になりますが、今回の僕のプランはそのなかでも西表の魅力を凝縮できたプランになったんじゃないかと思いました。最後の方は若干あきてきたとこもあるくらいで…調子乗りました。西表の人ごめんなさい。そしてありがとう。 

 

SLコメント 
西表は天候がポイントです。安全上気にしなければいけない天候判断と、モチベーションの天候判断を遭対で規定しておく必要があります。 

山行内容についてはCLの有用な記録があるので割愛。他に気が付いた点を列挙します。 

食事 
石垣デフォルトではあたりは弱い(薄味)。観光地向けのところは強い。 
刺身は安い。 
八重山そばはうまい。次は絶対「のりば食堂」に行く。 
石垣牛は高いのを食べないと味の違いは分からない。 
「満八食堂」はどちらかというと「食べる系」、大将は「飲む系」。でも、食べるときでも「大将」がオススメ。新八もうまい。由布島は観光地テイスト(西表島) 
『やえやまなび』の入手は必須。ただし、他の書籍とも比較することが大事。(石垣島) 

移動: 
レンタカーはきれいに使おう。 
石垣はレンタサイクル良い。 
22歳を過ぎたら、帰京時には家族のマイルを使うか、船を使うべし。 

お土産 
おやぱにモール内で値段・品揃えを比較検討するのが良い。 
「石垣島塩ちんすこう」はゲテモノっぽい印象を受けるがうまい。 
「たんかん」は普通のオレンジと大差なし。 

以上SLコメント 

紹介先リスト: 
警察:大原警察駐在所 09808-5-5110 上原警察駐在所 09808-5-6510
   白浜警察駐在所 09908-5-6110  
行政:竹富町役場西表東部出張所 09808-5-5256
   竹富町役場西表西部出張所 09808-5-6839
   竹富町役場 0980-82-6191  沖縄森林管理所大原森林事務所 09808-5-5308
交通:浦内川観光 09808-5-6154 八重山観光フェリー 09808-2-5010
   安栄観光 09808-5-2691  大原観光 09808-5-5303
   船浦観光 09808-5-6455  西表タクシー 09808-5-5333
   西表島観光センター 09808-2-9836
   やまねこタクシー(大原)0980-85-5303(船浦)0980-85-6455
   西表島測候所 09808-5-6204
病院:大原診療所 09808-5-5310 西部診療所 09808-5-6268
   八重山病院 09808-3-2525 東部診療所 09808-5-5516 
   ワンクッションコール 0980-88-1515
その他:石垣中央気象台 09808-1-2159  竹富町役場観光課 09808-2-2809
    竹富町観光協会 09808-2-5445  西表島温泉(12:00 ~ 22:00)0980-85-5700
    星砂の浜キャンプ場 0980-85-6751




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