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2007年 GW山行 大峰 弥山川ルート


【07GW山行 弥山川~八経ヶ岳(大峰縦走) ~はしご、クサリ、空中回廊、そして新世界~ 】

※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。

メンバー :
CL&食当&記録:安井 SL&装備:清水 気象&医療:小幡

コース・日程 :
5月3日~5月5日
0}新大阪~レンタカー(4:00)~▲熊渡
1}▲~1:00~ガマ滝~1:00~一の滝~1:20~双門滝前~1:30~河原小屋~1:30~▲狼平[6:20]
2}▲~1:00~弥山~0:55~弥山辻~0:30~日裏山~1:00~下山路との出合い~1:20~熊渡[4:45]

雑感:
「0日目」
僕と弥山川との出会いを語ると、当初は泊まりの沢をGWに企画しようと思っていて、いろいろ探しているうちに遡行的期などの問題から関西の沢に行くことにほぼ決まっていた。で、準備で大峰のエアリアを買ったらこの弥山川のルートが魅力的に紹介されていた。それが僕と弥山川との出会いでした。 

『100を超えるハシゴやらクサリ場で100m近い大きく美しい滝を越えていくルート』なんて言われたら興味ひかれるでしょ。で、調べ始めたら、そこには新築のきれいな避難小屋やら、空中回廊とか冒険心をくすぐる遡行箇所もあるという…もうそのときには僕の心は弥山川でいっぱいになっていた。 

てなわけで、東京出身のお二人に関西くんだりまで来ていただくことになりました。 

まずは挨拶がてらに新大阪駅にある551で豚まん、くくるでたこ焼きを買って食べる。どちらも値段はリーズナブルであるにもかかわらず、「食の大阪」ここにありという満足のおいしさなんで、ぜひご賞味下さい。特に豚まんはそこらの肉まんとは別格です。中身より皮がおいしい。人間は見た目から入ってはいけないといわれますが豚まんは別です。 

そこから洞川(どろがわ)キャンプ場に向かったのですが、県道48号は使わない方が賢明です。狭すぎるし、舗装されていないし、落ちたら崖へまっさかさまだし…賢くないカーナビのせいでえらいめにあいました。309をつめていくのが正しいアプローチです。 
計画書の提出は天川川合の駐在所。 

夜の洞川キャンプ場は、南国の夜のビーチにあるキャンプ場みたいな風情があって個人的にはすごい泊まりたかったのですが、事前にアポとったのと話が違って、着いたときにはすでに管理棟がしまっていたので泣く泣くスルーすることになりました。それで熊渡まで行ってそこの駐車スペースに無理やりテントを張ったのですが、これは大正解でした。朝、動き出すころにはすでにこの駐車スペースが7~8台の車で満杯になっていたからです。少し遅れたら駐車できなかったかもしれないので、これぞ災い転じて福となるというやつです。 

「1日目」
ガマ滝に行くのに沢沿いに降りる前に分岐があり、そこに遡行禁止と書いてある看板があるが、それはいつものことと当然無視。沢沿いに降りるとそこからは一面の石の川みたいなところを歩いていく。その川の左右の岸には新緑の木々が川にアーチをかけるようになっているので、まるでマングローブ林をカヌーでぬけているような気分になる。ちなみにここでキャンプすることも十分可能です。

ガマ滝からようやく水が流れ始める。とはいっても、一の滝までのルートは巻き道ばかり。そして途中、何度かハシゴをわたるのだが、ここのハシゴが一番怖い。ここのハシゴだけがなぜか一昔前のハシゴをそのままつかっている。傾いていたり、壊れていたりと、沢などで感じるのとは違うスリルを感じます。

一の滝、二の滝はあわせると100mくらいの高さになるので、その迫力はすごい。だからこそ巻くのは大変です。一の滝から双門滝を一望できるテラスまでは28のハシゴを登り、4のハシゴを下る。これらのハシゴは登ってもらうのが一番だが、非常に上りやすい。普通の登山道で登るより簡単に高度を上げれるし、にぎりやすいハシゴのおかげで、四足歩行みたいになれるせいか下半身への負担も少ない。しかし、ここの登りハシゴの多くは垂直なので、もしなにかあったとしても、でかいザックをせおっての下降はかなり危険。逆に、登り方向に進んでいるときに出てくる下りはしごは階段状になっているので心配はいらない。仙人岩のテラスもキャンプ可能。ただし、水場がない。

ここから河原小屋までは50ちかくのはしごとクサリ場の連続で登ったり降りたりする。別段、危険はないのだが、足場がゆるいというかくずれやすいところ(沢登りのときの巻き道のような道)を延々のぼっていくので、なかなか集中力が必要。足場がくずれやすいのはやっぱり一番雨が降るといわれている山脈だからだろう。前日からの晴れ続きでもぬめっているのはやる気をなくす。河原小屋はきれい。テントもはれる。

河原小屋の近くからはほとんど沢歩きの様相を呈してくる。清水さんなんかは巻き道のテープを無視して、沢沿いをへつったりのぼったりで無理やり突破して、はしゃいでいました。沢装備を持ってきたかいがあります。そして、狼平直前の聖門滝の巻きでようやく空中回廊とご対面。感想は秘密です。でも危険はないです。怖さも、直前の鎖ハシゴに比べたらまるで比になりません。鎖ハシゴは重い荷物のときはそれなりに力使うんで、心の準備くらいはしといたほうがいい。

狼平はきれいやけど、トイレがない。しかもやたらと見晴らしがいいので、トイレをするところが難しい。ぼぉっと対岸を見ていると、どこからかコロコロと落ちてくるトイレットペーパーを見つけたりするかも知れない。

「2日目」
弥山まではやたらと木道で整備してあるので歩きやすい。八経までも鹿よけの柵がうっとおしいが、それだけである。ちなみに八経は近畿最高峰。その後、問題となるのは、下山路との出合いがわかりにくいということだ。この地点はちょうど山と山の間のだだっ広いとこ(いわゆるコル)になる。わかりにくいが進行方向右手に赤テープがあるし、ところどころにかかっている天理大の黄色い看板があるのだが、分岐のところにあるものにだけはうす~く黒ペンで落書きのように下山路への分岐が書いてある。下山路は非常に斜度がある。スペアの膝が用意できるようなら用意していきたいところだ。道はバシバシとカラフルなテープがはってあるので迷うことはない。

降りてからは、あとで調べたらそこそこ有名だった「のらや」でどんぶりのそこが見えるうどんを喰い、観光で新世界に行った。ここが新世界だったころはいったいいつの話しだろうと思うくらいのレトロなとこなんやけど、最近串カツ屋が大量にできて盛り返してきている。通天閣は低いけど、ネオンはきれいでした。で、定番っぽい大きなビリケン様がいる串カツ屋で打ち上げしましたとさ。

「まとめ」
弥山川は楽しかった。沢でもなく縦走でもなく、というあいまいな感じが特に。あといつもと違う山域というだけで景色もこんなにきれいに見えるのかな、と感じたりもしました。ある程度、経験を積んだ人なら危険もないでしょう。素人でも重い荷物さえなければ余裕です。僕は弥山川とすごしたこの2日間を後悔することはないでしょう。




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