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2007年 六プレ 新茅ノ沢遡行


【07 リープレプレ 新茅の沢遡行記録 】

※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。

メンバー:
CL安井(W3) SL清水(W4) 気象小幡(W4) 医療真船(W4) 

コースタイム;
大倉~1:10~新茅山荘~0:05~新茅ノ沢出会~1:15~F3大棚下~0:35~F9上~1;25~鳥尾尾根上~1:00~新茅山荘~1:00~大倉 

記録: 
1)大倉から新茅山荘への道 
道幅はすれ違えるくらい広いものの、がたがたしていて整備が行き届いていない。 
車でもアプローチは可能だが、車体に多少の傷がつくかもしれない。 
新茅山荘前の駐車場は広い。 

2)F1 
水流左からリードで登る。ランナーは残置ハーケン、クラックにカミングデバイス、残置ハーケンというようにとった。確保支点は登りきったところにある立ち木から。この木には懸垂跡がかなりついていたために支点になるかどうかで迷うが、思いっきり体重かけてみてビクともしなかったのでまだ大丈夫と判断。 
登攀は中盤まではホールドもスタンスも多くあるので簡単。上部でホールドに少し困るが、うまく足をつっぱるようにして登れば問題ない。 
難しさとしては、確保は必要ないレベルだが、かなり立っている滝なので転落が怖い。 
僕らはここで単独行のおっさん(以下、Oと呼ぶ)に間に入られ、ごたごたする。Oが同じ支点でビレイとったりするもんだから、ロープがからまるし、確保体勢が限定されるし、ほんとかんべんしてよ。てか、こっちが登りきるまで待てよ。 
3)F2 
右から巻く。巻き道は斜度ゆるいし、踏み跡も明瞭なので問題ない。ただ落石には注意。2度俺らが注意したにもかかわらず、Oが落石ポイントから離れないもんだから、緊張感は2倍強だった。みんなもこんなOにならないように気をつけよう。 
直登するなら、水流左から。残置ハーケンや支点もある。ここは絶対リードでなきゃ登っちゃだめ。7Mといえど、かなり立っているので正直怖い。 

4)F5 
ここをリード登攀するためのプランだったが、増水ぎみで序盤からシャワークライムになってしまっていたために、登攀は危険と判断して左巻き。 
中段まではホールド、スタンスも確認できるし、登れる。ほんとに難しいのはホールドがなくなりそうな上部だろう。また、あるといわれていた残置ハーケンやシュリンゲもひとつしか目視できなかった。ナッツやカミングデバイスがききそうなクラックもなかった。登るとしたらトップロープでだろうが、確保者が登攀者を確認しながら確保できないので意思伝達が困難。また確保支点もチラッとみた感じでは適切なやつが確認できなかった。 ただ、記録では懸垂下降した記録もあるので、確保支点がないわけはない。なんにせよ、僕としてはこの滝の登攀はお勧めできない。 
巻き道の登り始めはここしかないという感じ。途中、滝を右に見ながら、トラバースしていくのだが、巻きというより登攀といいたくなるような岩場の登りになる。ここで落ちたら死ぬので、トップはパワーロープを後続に出すのが必須だろう。Oはそのルートを通らず、小尾根目指して突き進んでいったが、その後、無事を確認できたことから、パーティーのレベルによっては、そっちのザレを忠実につめる巻き道もありかもしれない。先行パーティーがいたせいで、ルーファイや対処が雑になってしまったのが個人的に反省。 

5)F3、F4、F6~F9 
楽勝。ただ全体的に滝はたっていて、パワーロープも出しにくい。ただ高さもないので危険性は少ない。唯一、高度があるのはF9だが、これは左巻きぎみに登攀すれば問題ない。 

6)CS枯滝 
直登はザックを背負った状態では体が隙間を通らないので不可能。右巻き。ただこの巻きがなかなか難しい。右の側面の岩場を登りきってから、滑りやすい斜面を歩いていくのだが、横から石やら木やらが道をふさぐようになっているので、体勢が少しハングを登るような窮屈な状態になる。なんで僕はカラミでパワーロープを設置して登るという判断をした。このパワーロープもブッシュのせいで角度よく出すことができなかったのだが、追いついてきたOにそれを指摘されたときはイラッとした。よかれと思って言ってくれたのに、ごめんなさい。 

7)CS枯滝後のルンゼ 
道の状態はガレガレで最悪。高度を急に上げるので体力的にきついというのもあるが、なにより落石がこわすぎるので、精神ポイントをガンガンけずられる。 
鳥尾尾根に上がる道は、明確な踏み跡があるし、テープもバシッと2~3個くらいはってあるので、簡単に見つかる。つめは5分くらい。 

8)鳥尾尾根上の登山道 
問題なし。ただし、オーバーユースか整備不良か不明だが、かなり崩壊が進んでいて歩きにくい。 

感想: 
全体のレベルとしては、沢トレ以上くらいだと思う。しかし、1年生を連れて行くメリットはない沢。ただF1、F2あたりは沢のリード登攀技術の向上に適している。さらにF5を登りきればかなり登攀には自信が持てるだろう。メイン(F5まで)をすぎてからの、だるい印象と岩がもろくて変に怖い印象が強すぎて、また行こうという気にはならないが、リード登攀技術の確認としては高度感、難易度ともになかなかいい沢だと思う。また、写真でみるよりどの滝も滝がたっている印象をもつので、なかなか全体的に迫力があったし、シャワークライムになっていたのが気持ちよかった。 

リーコメ(SLより) 
一言で言って「プランニングミス」だろう。レベルとしてF5を登らなければ、6プレになるかかなりあやしい。ただ、「全員初めて」、「もろい」という点では良い練習になったと思う。また、梅雨明け初の沢ということを考慮すれば問題ないかもしれない。パーティーの足並み、安井の「沢中での」力量ともに問題ないと感じた。 
沢自体はF6以降が「もろさしかない」という感じで楽しみはほとんどなく、「丹沢の崩壊」を肌で感じ取ることのできる沢となっている。次は「新茅ノ沢遡下降(F5まで)~アプローチは車で~」というプランで来たいと思う。




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