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2007年 二次プレ 小川谷廊下遡行


【07 二次プレ小川谷廊下遡行 】

※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。

1.メンバー :
CL・装備・記録:清水(4)  SL:安井(3) 真船(4) 加藤(1) 西垣(1)  

2.行程概要 
 8月25日~一橋大学(1815)~(レンタカー)~▲穴ノ平橋(2130) 
 8月26日▲(0400/0518)―河原(0538)―F1(0552)―F3上(0610)―ワナバ沢出合一休(0722/0735)―つるつる大岩(0835/0844)―石棚(0936/1032)―F13(1148)―終わりの河原(1207/1225)―穴ノ平橋(1342/1410)~国立(1753) 

3.問題点と対処 
 携帯電話…玄倉BS周辺は入る。その後はあっというまに入らなくなる。穴の平橋周辺では林道終点あたりで場所を選べばムーバで二本。 
 入渓点:今回は駐車スペースから沢に降り、そのまま堰堤をいくつか越えて入渓した。堰堤には巻き道か梯子がついている。 

以下は滝の対処である。CLは小川谷三回目ということもあり、一つを除いた全ての滝の対処は完璧に記憶している(HWV標準の対処のみで、難しい登攀はこの限りではない)。しかし、『東京周辺』、『50ルート』、『110ルート』の対照は困難であった。 
まず、50ルートと110ルートであるが、これはフォールナンバーがひとつずつずれているという違いしかないので、特にコメントは要らないだろう。そこで、今回は東京周辺と50ルートを比べてみたい。概して言えるのは、『東京周辺』はいいかげん、ということである。もう10年も前の記録であるし、使わないのが良いと思う。ちなみに松田警察署のルート整備の様子がネットに上がっているが、ルートを観察するにはとても適切ですが、フォールナンバーは何を元にしているかが不明でめちゃくちゃです(F1は50ルート。F5・6・7・10は110ルート)。 
まず、両著作で完璧な対応が可能で、なおかつ対処もわかっているものは以下の通りである。 
・(1)(F1‐2m):右壁から。下降はクライムダウン。ちなみに上部に人工支点もあり。ホールド・スタンスとも豊富。ここで、入渓判断を下すことになるだろう。 

・(2)巨岩(F2‐5m大岩):右から。残置ピトンにかかっているスリングを鐙代わりに使用し、倒木も補助的に使用。下降はクライムダウン。 

・6m(F3‐6m):水流と右ルンゼの中間あたりの「右壁」を直登。下降は途中から懸垂。 

・5m+3m(F7+3m):右凹角から巻き始めて、左岸を浅めに巻く。欲しいところには木の根か人工支点がある。直登は右側スラブ状を残置を使いまくって突破することになるだろう。いずれにしても番号を振らずに「左は悪い」とだけ書かれても困る。 

・ヒエ~大コバ間の2m+3m+5m(4m3m3m):今年も大分水が少ないようで、問題なく突破できた。支点もハンガーがある。参考までに昨年の記録も載せておく。「最後の滝は滝の中か左をうまく使う。下降は右岸クライムダウン。最後から一個前は増水時は左壁の使い方がポイント。平水時は普通に突破可能。」 

・(6)(F11‐20m石棚):滝ではなく左壁を直登。トップはリードし、後続を確保。支点は立木と人工支点。途中がテラス気味なので、まず、セカンドを途中まで登らせ、ロープを固定し待たせて、下に送らせた。下降はめんどくさい懸垂になるだろう。スリンゲ捨てるつもりでやるのか? 

・遡行終了:左が壊れた堰堤を過ぎて、ゴーロを歩くと先にかすかに堰堤が見えるあたりで右岸ワサビ田跡に入り、登山道に乗る。 

・下山路:崩壊しまくり。実は隠れた核心まである。でも、小川谷を遡行したPなら突破に問題なし。ただし、これは刻一刻と変化するので要注意。 

 次にわかりにくい・判別不能のものを挙げていく。 
・(3)はおそらくF4に対応していると思われる。ただし、「五段5m?何それ?」という感じすらする。ワンゲル対処は「左壁を登る。一年生のみ確保。下降は要懸垂。」である。この滝は東京周辺の二枚目の写真(「中流部のナメ上の固体。ヌメった所も少なく気持ちよく登れる」)が該当すると考えているが、だったら(3)と書くはず(書くべき)である。そのため同定を困難にしている。 

・(4)2段5mはF5-2段5mに対応すると思われる。ただし、これも東京周辺のコメント「右側を巻く。初心者はザイルを出したほうがよい。左も登れるが悪い」が意味不明。そんな仰々しい感じではなく、「道なりに右から行く」という感じが正しい。 

・「ワナバ沢後の東京周辺滝マークのみ」はF6-5mに相当するだろう。これも番号を振らないのは論外である。対処は「左側を直登した。06年は「あまり記憶にないが大きな問題はなかった。」と書いたが、本当に記憶がなかった。もしかしたら、右巻きだったかも。」という感じだ。これは完全な推測であるが、『東京周辺』の(4)はここと勘違いしているように感じた。 

・東京周辺の(7):これは確実に間違い。実際はデッチ沢の後。よって(8)の下の5mの位置にあるのが正解。50ルートで言えばF13-5mトイ状である。内容は「これが実は曲者。左を巻いて、残置ロープを頼って降りるのだが、これが意外に怖い。ただし、支点となる木はしっかりしている。レベルの高い人たちは直登するらしい」。 

・上記を受けて、50ルートのF12が(7)の位置にあたるだろう。これの対処は左の壁からである。 

4.状況・感想 
アプローチ費用を安くするために国立からレンタカーを使用。生協を通して、国立の日本レンタカーにて、トヨタ(TOYOTA)のベルタ(BELTA)の1300ccを借りる五人分のザックのほとんどをトランクに入れることに成功。24時間で5825円+2720円(ガス代)で一人当たり1700円強。国立~谷峨で1170円+タクシー片道4000円(一人当たり800円)と考えるとおよそ半額。ただし、時間が読めないのと、ドライバーの負担はあるが。ちなみに走行距離は175キロ。行きは3:30くらい見たほうがいいだろう。帰りは渋滞もあるから、4時間は見たほうが無難。 
穴の平橋はすでに宴会をされている方がおり、車も大量にあった。翌日遡行後に戻ってきたときは、「お盆のレジャー施設ですか?」というくらい車があった。 
その日はテントを張って寝る(テント内三人)。小川谷にしては珍しく快適な気温。意外にも車寝した二人は不快だったようである。 
翌日は4時起床。入渓方法を迷ったが、ゴカイ沢を降りる堰堤コースにした。 
要所要所で読図をしまくった。これはもちろん道を間違えないようにするためではなく、一年生 
の読図の練習のためである。その他の詳しい滝の対処に関しては、上記を参考にしてください。 
小川谷といえば、ポイントは「無用な水線突破をするかどうか?」がひとつのポイントとなる。CLは頻繁にカメラを取り出すことを言い訳にして、極力水線は避けた。SLと西垣は積極的に飛び込んでいて、見ていてとても楽しかった。 
下山はやはり、道は微妙。 
車に戻って着替えて、さっそく帰ることにする。運転は「行けるところまで」ということで昨日に引き続き安井が。途中秦野のセブンイレブンで清水に交代。さくら通りのガソリンスタンドで給油し、部室前で加藤とテントセットを下ろし、レンタカーを返却。反省会は国立北口モスで。ここで、なんと偉大なるOBの「学年ひとつ違いで同姓同名がいた人」の下の学年の人にお会いして、少し話をさせていただいた。




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