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2007年 一次プレ 雨降川遡行


【07プレ沢合宿 峰谷川雨降り川遡行記録 】

※この記録は一橋大学ワンダーフォーゲル部(以下HWV)の部員が記録・作成したものです。主たる対象はHWVの後輩であり、レベルに関する表記などはHWV基準で書かれています。
また、記録対象が「自然」であるため、ここに書かれている記録通りの状態が永続することを保証するものではありません。

メンバー:
CL 安井(W3)SL 清水(W4)助っ人 小幡(W4) 新人 加藤(W1)西垣(W1) 

コース: 
8月18日 国立(1830)~(レンタカー)~奥多摩st(2100)~▲雨降川出合 
8月19日 ▲雨降川出合~1:30~(2)上~0:30~(3)前~2:30~(4)上~2:20~(6)前~1:40~登山道~0:10~樫ノ木山~2:20~雨降川出会い〔11:00〕 

記録: 

総評 
一言で言うなら、2級レベルの沢でした。 
リープレとして使ってもいいくらいの総合力を問われる沢。 
行程が長いし、巻き道のルートファイディングの難しさ、岩のもろさ、チムニ 
ー滝にナメ滝という多彩な滝の登攀、斜度がきつく、体力的にもきついツメ… 
人があまり入らない沢にチャレンジしてみたい、という意欲だけで望むにはあ 
まりにきつい沢でした。けが人が出なくて本当に助かりました。 

アプローチ 
東京周辺に書かれてある通りに地震観測所跡に車を止めたり、テントを張ったりできる。峰谷渓流釣り場まで、進行方向右手は民家や壁になっているところが多いので、右手にスペースがあるところが地震観測所跡だとすぐわかる。そのスペースはテン場のようにならされているので、心地よい睡眠をとることができた。翌日に悪夢が待っているとも知らずに。 

(1)(2段16m) 
入渓路は、クサリみたいなのがしてあるいい道から。すぐに登山道っぽくなるのでご安心を。この道は実は(2)前まで続いているのだが、堰堤を越えたところで入渓するのがおすすめだ。(1)前までの2~3個の小滝は登攀訓練としてはいいレベル。1年生がいるならパワーロープは出すべき。(1)の巻きは左に先ほど入渓路として使った登山道が見えるので、そこに上がるだけ。問題なし。 

(2)(横向き6m) 
(2)前までは登山道です~いすい。その後は、(2)の登攀も含め、(3)前までの滝の登攀は楽しい。1年生がいるならちょくちょくパワーロープを出したほうがいい。何箇所か肩がらみなどで出した記憶がある。ここまでは「想像したよりいい沢じゃね」ぐらいに思ってました。 

(3)(大滝30m) 
巻き道の登り口は(3)前に50mほど下ったろころにある右手の尾根から出ている枝尾根から。この巻き道がかなりの曲者。斜度はゆるいわけでもないし、地面はぐずぐず、岩はもろもろ。なおかつ踏み跡がまったくなかったので、ルーファイミスかと思いながら登っていたら、途中で残置シュリンゲが…それを見つけたときの気持ちは、ルート間違っていなかったという安心感よりも、これが道かよ、という怒りでしたね。パワーロープを合計で10回くらい出しました。20m登っては、パワーロープをラストから受け取る、というやり取りを3回しましたから。よく言えば、1年生にはセルフビレイをとる練習になりました。 
尾根に上がったあとさらに50mほど尾根上に高度を上げたところからうすい下りの踏み跡があります。この道もあまりよくなく、トラバースの怖さを1年生に教えることになってしまいました。これで(3)前に降りたらしゃれにならんかったですね。この道の途中にも残置があったので、間違ってないというのはすぐわかったんですけど。なにはともあれ、その道の先は(4)前の左岸のザレで、そこを懸垂下降でようやく巻き終了。合計2:00を越える巻きでした。 

(4)(10m) 
右巻き。パワーロープくらいは後続に出したほうがいいと思うが、特に問題はない。トップロープで登攀訓練しようかという思案はすでにここにいたるまでで吹き飛んでいました。 

(5)後のチムニー滝の連爆 
楽しい。チムニー特有のつっぱり登りがガンガンできる。パワーロープ等は出しにくいが高度もないし、難易度的にも問題はない。水のあるモミソ沢という感じ。 

伏流前の6m 
何故ここの対処が書かれていないのか、疑問に思う。確かに直登はできるのだが、滝が直角にたっているため、難しい。直登で登ったものの、適切な支点が見つからず、手詰まりに。結局、ざれていて簡単ではない左巻きをフィックスロープで突破することに。この期に及んでフィックスロープまでやらせてくれるとは、憎い演出をするものである。 

(6)枯滝 
数段にわかれていると記述されているが、実際はバンド状になっているところがあまりない。さらに岩はもろく、大量発生の虫に集中力をとぎれさせられたりで、かなり危険。実はこの沢の一番の核心であったと思う。パワーロープを少し出すのではなく、トップロープで確保してしまっても良かったと思う。無事でよかった。 

ツメ 
枯滝を登った瞬間から沢筋は不鮮明になる。ツメでトラバースは禁じ手といわれるが、斜度と地面のグズグズさから右にトラバースする道を選択。わりとこの選択は成功だった。きれいに登山道に出る。しかし、この時点ですでに3時を越えていました。 

樫ノ木山~雲風呂までの下山路 
樫ノ木山の山頂前にある矢印看板の前から伸びる尾根を下っていく。下山路としては優秀な道。ザクザク下れる。赤テープもちょくちょくある。途中、森林保護の看板があるところでは右にも左にも赤テープあるが、そこは左の杉の樹林帯をぬけていく道を選ぶ。さらに最後、尾根を外れて隣の尾根にトラバースするようなところがあるが、そこは青いビニールテープを信用してよい。伐採地帯のテープだったので半信半疑だったが、結局正解のルートだった。今回はルーファイが冴えていて助かった。少しでも遅れたらヘッテン歩きもありえただけに運がよかった。最後に通り雨に降られるくらいならご愛嬌で許せます。とにかく心身を疲弊させてくれた沢でした。 

SLより 
まず、下山連絡が遅れたことに関して在京のみなさまにはご迷惑をおかけしました。登山道・下山路で定期的に携帯メールで報告はできていましたが、やはりリーダーズのプランミスだと言っても過言ではないと思います。ちなみに携帯が通じたのが15:50分、下山中に標高850m付近を通過したのは17:14分です。




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