05年度HWV記録
沢登り体験会 小坂志川本流遡行
1.メンバー
CL:高野(3) SL・装備・記録:清水(2) 気象:小幡(2) 医療:真船(2) 新人:安井・高木(1) ゲスト国沢(4)
2.行程概要(休憩時間を含む)
4月29日 武蔵五日市st~笹平BS―1:00―入渓点(入渓準備40分)―0:25―トウノキ沢出合―0:10―キットウ谷沢出合(釣師待ち45分)―1:35―⑤3m―0:50―二股(610)―2:25―登山道―1:25―石盾尾BS (7:50)
3.問題点と対処
・携帯電話…林道のかなり早い段階で入らなくなる。沢中では全滅。稜線に上がると何とか入る。
・入渓点へのアプローチ…車も通れる林道である。普通に行けばオッケイ。
・入渓点…遡行図どおり標高400位にかかる橋から。ニゴマンズの林道の切れ目は当てにならない。どちらかというとエアリアの方が正確。
以下は滝の対処であり、滝の番号は「東京周辺の沢」による。ただし、枝沢の本数・滝の数などが絶対的に足りなく、正確さに欠ける。概念図が主権的であることはしょうがないことだが、ここまでになると出版物としては問題があると思う。
・②3mナメ滝…左から行く。明確に巻くわけでもなく、明確に登るわけでもない。クライムダウン可
・③支流出合…どちらも非常に分かりやすい。読図の練習に良いだろう。
・④ゴルジュ…特に問題はないが倒木のせいで面倒くさい。
・④~⑤…遡行図の短さに騙されてはいけない。ここはかなり長く、ただの歩きなので結構つらい。途中で一回お助け紐を発動。
・⑤…腰くらいまで浸かって取り付く。以外に左の方が簡単。釜に飛び込めば下降可能だし、うまければクライムダウンも出来るし、強引に懸垂も可。
・⑥…股下まで水など無いです。右も左もかなり簡単に行けます。クライムダウン可
・二俣…二俣はおそらく610です。これの前に北よりへ延びる枝沢が二俣と勘違いするかも。西へ行く沢と南西に行く本流の二俣は610です。二俣を右に入った後すぐに遡行図にない6mS字(突破楽勝)がかかります。
・⑧…左岸巻きです。確保ありなら直登出来ます。水流の右の苔帯が簡単。左はややしぶそう。水線通しはシャワーで楽しいかも。巻き降り可。多分懸垂支点もある。
・⑨…わかりにくいが、⑧~⑩の間にあった滝はどれも問題なく直登出来た。でも、お助け紐は数回出した。
・⑩…左が階段状で簡単。右岸の巻きは完璧に踏まれているわけではない。下降は左岸の立ち木からゴボウかクライムダウン。
・ツメ…国沢氏もやったことがないという最後まで本流を行き続けるツメにしてみた。連行峰の位置関係から考えてもほぼ遡行図通につめたのだろう。でも、これはつらいかも…。次回は途中から枝尾根から上がろうと思う(もし仮に、万が一、何かの間違いで来ることがあればの話し)。地面の状態はさらさら、蹴り込んで、踏ん張って行く感じ。
4.状況・感想
SLは7時武蔵五日市集合。他の人は5時30分立川らしい。この日は何かのキャンペーンなのであろうか、山岳救助隊と都岳連の人たちが大量に駅前にいる。そこに臨時のポストが設置されているので、そこに計画書を提出。入山電話をすませバスで笹平まで。
長いアプローチを終えて入渓点に着くと、そこには白い車が…。かなり嫌な予感が。
オーダーを小幡―CL―安井君―マフネン―高木君―SL―ゲストとして出発。トウノキ沢を過ぎると悪夢が現実になった。ついに釣師二人が登場!CLが説得にかかるが無理。我々より先に沢に入っているので立場が弱いのはこちら。ひたすら下手(したて)にでるしかない。そこで、SLが45分待ちを提案しようとしたところ、百戦錬磨悠さんが登場30分待ちを申し入れ、しかも謝りまくることによって向こうも納得してくれた。そして、大休止。結局45分待って、出発。途中で降りてきた二人と会い、和やかにすれ違う。自分が釣りをするだけに本当に申し訳ない。これからも半永久的に釣師と沢屋の戦いが続くだろう。清水の個人的意見としては「沢装備が要らないところ(遡行価値の低いところ)では釣師優先。沢装備が必要なところでは沢登専門優先」とするべきではないかと思う。もちろん「沢装備が必要」の定義が難しいが。
⑤まではひたすら神経をぶっ飛ばして歩く。⑤はSL以外は釜の左寄りを入って行き、登るのも左。SLは右から行き右から直登。胸は浸からないつもりだったが、すべってあえなく浸水。右の登りは楽。⑥も何が問題なのかが分からないくらい問題なし。
これ以降は読図が問題となるところ。大き目の枝沢が何本も入る。こまめに読図しよう。ただし、大きなところは常に右に行っていれば問題はない。
つめ上がると連行峠のすぐ東の地点に着く。ここで沢装備解除とともに大休止。マフネンのお楽しみは炭酸飲料。さすがは新勧担当である。下山路は談笑しながらサクッと降りる。どういうわけか、葛葉のほうが大変な気がする。バス停に着いたら、バスの発車時刻まで結構あるので反省会をやってしまう。
打ち上げはもちろん一福で。帰りは高尾で清水が脱落。西八で小幡が脱落と次々に消えていく…(ただ自宅があるだけなんだけど。)
5.リーコメ
CL…個人的には大変楽しい沢であった。前夜発にしたら十分楽しめるであろう。しかしSLとは全く考えがあっていないことがわかるであろう。反省はSLとの意思疎通の少なさに間違えない。もう一人のリーダーとして信頼している一方で下級生にたくさん仕事をさせている頼りない上級生として自分のことを見つめつづける状況がつづいている。自己主張と自分の考えが正しいと思える自信とその裏づけが必要であると痛感した。違う人間同士で意見をあわせていくことで両方の持ち味を生かせた山行につなげることができるはずである。
SL…反省は⑧で国沢氏に指摘された「滝の上下でのコミュニケーション」だ。これは笛によるコールもそうだが、上に行く前に支点の位置や登るルートを確認するということである。
さて、沢について。もうこの沢は出さないほうがいいと思う。長い割りに面白くないし、釣師が入っているし、ツメがきついので、遡行価値は低いと思う。個人的には釣りに来ることはあるかもしれないが、部ではもう来たくない。