文責 清野
日程 2022/10/6~14
編成 CL清野W3 SL辻W2
地図 山と高原「北岳・甲斐駒」「塩見・赤石・聖岳」
【1日目】(計1日目)
13:00広河原-15:25白根御池小屋▲
雨が強まり、出発まで一時間様子を見た。何とか行けそうだと判断して出発。
序盤は比較的急な登りだが、序盤にはよくある程度の勾配である。最初の洗礼。
小屋は水あり。山小屋というよりは宿泊施設といった風合いが強く、電気・ストーブ・乾燥室・自販機(ビール)などがあり、管理人さんもいい人だった。この日北岳山頂は初雪だったと聞いた。
【停滞】(計2日目)
白根御池小屋▲
雨が強くなり停滞。寒い。
【2日目】(計3日目)
5:10白根御池小屋-7:40北岳肩の小屋-8:15北岳山頂-9:25北岳山荘-10:00中白峰-11:15間ノ岳-12:10三峰岳-13:55熊ノ平小屋▲
行動開始後25分後の急登上に谷地形の分岐らしき道がでてくる。地図には出ておらず、SLがヤマップで正規ルートを確認してくれた。ヘッテン歩きの際は気をつけた方がよい。
北岳は日本二番目の高さの山ということもあり、比較的階段などが整備されている。
北岳山荘以降はのっぺりとした尾根歩き。風が強いので防寒には注意されたい。
三峰熊ノ平間は左落ち注意の岩稜帯となっていた。危険と判断しストックはしまいヘルメットをかぶる。エアリア上でなぜ「!」表記されていないのかわからない。
熊ノ平は冬季で小屋が解放されている。水もたくさん出ていた。電波はない。
【3日目】(計4日目)
3:40熊ノ平-6:20北荒川岳-8:10北俣沢分岐-9:00塩見東峰-10:15塩見小屋-12:15本谷山-13:15三伏峠-13:30三伏峠小屋▲
熊ノ平北荒川岳間は平坦な道が続く。ただ、トラバースっぽい道が続く中で一度岩岩しいルートがあり正規の道の道から一瞬だけ外れた。すぐに正規ルートに合流できたのだが、それまでの簡単なルートから明らかにチャレンジングな道になったので異変には気づいていたが、暗がりの中だったので見逃していたようだ。
北俣岳分岐に上がると、これから挑戦する塩見の急峻な稜線が現れるので圧倒される。東峰までのルートは実際難易度も高く、強烈な急登と強烈なガレでキツイうえ、右手には谷地形が鋭く待っている。ヘルメットをかぶっていたが落ちたら死ぬ。登りだったからよかったものの、小川Pはよく下れたものだと思う。体力と歩行技術がもろに問われる。とにかく一歩一歩をしっかり踏みしめて登るしかない。アイゼン付けてもいいくらい(?)
三伏峠小屋では小屋から20分くらいのところにある水場は止められていた。仕方がないのでその周囲の小沢っぽくなっているところから水を汲んで浄水して使用した。
【停滞】(計5日目)
三伏峠小屋。雨で寒い。水場も遠いのでいい気分ではない。翌日も強風が予想されて不安な夜を過ごす。電波はあったので停滞の旨を在京連絡した。
【4日目】(計6日目)
7:30三伏峠小屋-8:10鳥帽子山-9:15小河内山-11:55高山裏避難小屋-12:25道中の水場-15:00前岳-15:30中岳-16:30荒川小屋▲
強風が予想されたが全くそんなことはなく晴れていた一方、行程終盤には再び雨が予想された。そのため、この日は高山裏避難小屋までの短い計画であったが荒川小屋まで条件付きで進む判断をする。翌日の百閒洞山まで水場がないので、高山裏避難小屋しばらく進むところにエアリア上にあった水場が出ていれば続行する、とした。実際水は出ていたので大量に水を持つ。(時刻12:25の水場)
ハイライトは前岳に至る地獄の登り。前岳まで計500mを一気に登る。
第一フェーズは山斜面上だがおそらく沢が枯れてできた細い道。シンプルにキツイ。
森林限界以降の第二フェーズは特大ゴーロの急登。登山道とは思えない。あんまりにも急登なのでジグザグ登りで進む。
そして第三フェーズはほぼクライミング、からの山頂付近の風化で超細くなってる「登山道」。落ちたら下の特大ゴーロに落ちるのでヘルメットをかぶる。もはや本当に登山道とは言えない様相で、かなり危険。クライミング部分は二級の沢相当かと思うし、風化している「登山道」は道がないもんだからハイマツが足場になってしまっている。終始両落ち注意。一年生を連れて行くなら相当鍛えてからの方がいい。
先に列挙した危険地帯と難易度を比べると、(通常の登山道)<<三峰熊ノ平<<<<塩見東峰道中<<<<<<<<<前岳道中くらいにしたい。
その分登頂した中岳の達成感は半端ではない。苦労を共にした隊員と自然と肩を抱き合うことだろう。
そして残念なことに中岳を下りて荒川小屋まで15分というあたりで登山道に向けて水がでていた(エアリア上は秋以降枯れるとあったのであてにしてなかった)。前岳までの生命の危機を感じた登りでわざわざ重量の重り(水)を背負わなくて済んだと知り、何ともやるせない気分になる。ただ、前日までの雨で復活していただけかもしれないのであてにできるかは事前に確認したほうがいい。
荒川小屋は冬季利用可。乾燥室の方の建物が解放されていた。
【5日目】(計7日目)
6:00荒川小屋-7:25小赤石岳-8:15赤石岳-9:20百間平-10:00百間洞山の家-11:50中盛丸山-14:00兎岳避難小屋▲
【6日目】(計8日目)
6:00兎岳避難小屋-8:00聖岳-10:15聖平小屋-12:25上河内岳-13:25横窪沢分岐→茶臼岳→14:00横窪沢分岐-15:25横窪沢小屋▲
【7日目】(計9日目)
5:30横窪沢-6:40ウソッコ沢小屋-7:25ヤレヤレ峠-8:00畑薙大吊橋-10:30白樺荘
四日目がハイライトなので、ここを過ぎたら長期はほぼ成功したといってよい。単純に体力との勝負になってくる。
赤石岳、聖岳などの主要な峰は岩稜風ではあるため念のためヘルメットをかぶったが、前岳に比べるとなんてことはない。
聖平小屋周辺の木道歩きは少し楽しい。
兎岳避難小屋は石組みの小屋でちょっと寒い。ほかに利用者がいなかったので、小屋の中にテントをたてた。
水は百閒洞山の家、聖平小屋、横窪沢小屋で確保する。
上河内岳と茶臼岳は山頂を踏まなくとも進むことはできる。
最後は畑薙の大橋でゴール。ここで締めるルートは我ながらよかったと思っている。美しい景色と絶好のフォトスポット。
まあ、登山道は終わりだが、実際は白樺荘まで意外と歩く。
そして白樺荘以降のインフラも脆弱なので事前に代替案をしっかり用意しておくことが望ましい。今回は行程中の雨によって鉄道と林道を通るタクシーが利用不可になった。各所に電話してなんとか足を確保する。白樺荘井川間は乗り合い送迎車、井川閑蔵間は全力ダッシュでバスのその日中に帰れるダイヤに無理やり間に合わせ、閑蔵千頭間はバス、千頭以降はJRに接続する金谷まで高速風バスでなんとか帰れた。本来なら静岡まで市営バス一本で行けたはずなのに。
コロナ以降停滞していた長期の伝統を復活させることができた点でも意義があった山行だと振り返る。今後も長期を続けていただければ幸いである。