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2014金木戸川双六谷


金木戸川双六谷

日程 2014.9.1(月)~5(金)
山域 北アルプス 双六谷
文責 知野
目的 沢合宿(上級生山行)として
メンバー CL・食当:相馬(W4) SL:津﨑(W3) 気象:竹内(W2) 無職:知野(W3) 4人
コースタイム
(主要な地点でない休憩は省略)
0日目9/1
国立駅→高尾駅→甲府駅→松本駅→平湯温泉→新穂高温泉
甲府の1時間ほどの乗換時間で各々当日の夕食・翌日の朝食を買い込む。昨年は松本から新穂高まで直通のバスがあったが、今回は時期がずれたこともあってか平湯で乗換が必要だった。

1日目9/2 晴
(起床3:30)新穂高温泉4:35(タクシー)→金木戸林道ゲート5:40→第二ゲート6:40→林道分岐(北ノ俣)7:40-50→小倉谷出合8:55-9:10→吊り橋下(巻き道終り)11:40-12:15→打込谷出合13:10△
迎車のタクシーで林道ゲートまで。ここから3時間(約9km)は林道歩きである。第二ゲートから2分ほど先の沢と、小倉谷出合で水を汲んだ。小倉谷出合付近で50mほど斜面を上がり、そこから荒廃した軌道跡を進む。ところどころ崩壊しており、進むのに難儀する。残置ロープがあるところも時々あるが、老朽化しているものも多い。支沢を何度か越えるが、落ち葉などのせいもあり滑りやすく、なかなか怖い思いをする。後半には丸太で橋がかかっているところもあるが、相当朽ちてきているので今にも崩壊しそうという感じで通行には注意を要する。やがて双六谷に掛かる壊れた吊り橋が見えてくるので、そのあたりで沢に向かって巻き道を下っていく。沢のそばで入渓準備し、わずかではあるが打込谷出合まで進んだ。打込谷出合ではテントとツェルト(諸事情によりフライを代用したタープであるが)を1張ずつ張った。
朝食:ラーメン(マルちゃん正麺)、夕食:チキンシチュー+ご飯

2日目9/3 晴
(起床5:00)打込谷出合6:45→センズ谷出合11:30→下抜戸広河原11:48→蓮華谷出合15:50△
水量渓ということもあり、幾度となく徒渉を繰り返す。出発から3時間ほど経ったところで河原の広くなるところがあり、下抜戸かと思ったが違った。結果的に下抜戸まではコースタイムを2時間も超過して5時間もかかってしまった。蓮華谷出合手前にあるキンチヂミでは、トップ(CL)が空身になりフリーで登り、後続にお助けロープを出した。空身で登り後から荷揚げする場面は、ここのほか1,2度あった。なお、スノーブリッジは見当たらなかった。コースタイムを大幅に超過したこともあり、黒部五郎小舎までの予定であったが蓮華谷出合にて打ち切り(翌日の結果を考えると間違いなくこれが正しかった)。蓮華谷と双六谷の間にきれいに出来ている台地状のところにテントを張った。
朝食:ラーメン(五木)、夕食:チキンシチュー+ご飯・ベーコン(竹内君より)・スパム(竹内君より)とチーズの炒め

3日目9/4 曇→雨
(起床3:30)蓮華谷出合5:05→九郎右衛門谷出合5:50-11:00→蓮華谷出合11:33-39→2003m二俣14:30→BP16:05△
九郎右衛門谷出合までは単調。九郎右衛門谷F1(40m)は、計画書の対処「直登不可能。蓮華谷を30mほど進み、左側の尾根に向かい切れ込んでいるルンゼを登り巻く。滝の左手を巻けるが厳しいのでルンゼから行くのが妥当」にしたがい、ルンゼ(というよりわずかな水流もある沢線)を上がった。途中テラスまではフリーで、その後はトップを除き確保。その後、さらにルンゼを上がり、途中で左側の笹薮に入り巻きを試みたが、尾根を越えた九郎右衛門谷側がゴルジュとなっており、また確保支点もなく下りることができない(ここでCL転落しかける)。周辺で巻き下りることのできる地点を探したが見つからず、九郎右衛門谷からの撤退(双六小屋方面への遡行)を決定。ルンゼを上がるというところまでは良かったが、その後どこから九郎右衛門谷に下りるかが問題となった。いずれにせよ危険な斜面での笹薮こぎを強いられると思われる。
この後蓮華谷出合までは引き返し、再び双六谷の遡行へ。ほとんど対処という対処もなく進む。蓮華谷出合から先はだいぶ水量が少なくなった印象を受ける。この後、2200m付近かと思われる付近でビバーク跡を発見し、ここにテントを張ることにした(沢線は両側にあり、当日が雨であったことを考えると決して適地とは言えない)。
朝食:ラーメン(五木)、夕食:お茶漬け(予備食)・スパム(竹内君のお楽しみ)とチーズの炒め・フルーチェ(筆者のお楽しみ)

4日目(予備日1日目)9/5 雨
(起床4:00)BP5:40→2330m二俣6:30→双六小屋7:25-50→弓折岳分岐8:41-51→わさび平小屋11:20-25→新穂高温泉12:10(→平湯温泉→松本駅→甲府駅→高尾駅→国立駅)
雨の中テントを撤収。あまり条件の良くないビバーク地点で、なおかつ一晩中雨であったが、テント内が水没等していなくてよかった。2300m付近では雪渓が現れた。さすが北アルプスである。2330mの二俣は左に行くと双六岳、右に行くと双六小屋に至る。右に進み、しばらくするとはっきり稜線が分かるようになった。ほどなくして小屋に到着。ここで沢装備を解除し、ここからは登山道の下りである。決して弱くない雨の中にもかかわらず、途中で結構な人数の登山者(上り)とすれ違った。わさび平小屋の周辺の川はかなり増水しているようであった。なお、この日には京大山岳部が薬師岳近くの岩井沢で遭難している。かなり危ういところだったのかもしれない。
新穂高センター近くの温泉にて入浴し、行きと同じルートで国立へ帰還した。
朝食:ラーメン(五木)

全体的な雑記
エメラルドグリーンの淵の数々はほんとうに美しいものだった。帰った後にザックなどが臭くならなかったことからも、非常にきれいな水の沢だったと実感できた。美しさで言えば最上級だと言えるところだと思うが、それに比例してと言うべきか要求される技術水準は高く、筆者としてはオーダーの中間だったからこそ何とか進めたのだろうというのが本音である(CLの相馬さんの強さに支えられたとも言える)。一番つらかったのは3日目で、九郎右衛門谷に入る巻きの笹薮で手がボロボロになり、そのあとはしとしと降る雨の中のひたすらゴーロ歩きというのが大変であった。ビバークサイトが見つかった時の解放感は非常に大きかった(割とビバークするには危険な場所・状況ということを考える余裕もあまりなかったかもしれない)。
個人的には、共装を取り違えたのと、ウェットスーツの着用などで手間取り他のメンバーを待たせてしまったのが反省点。あと、竹内君はもう1年生ではないのだから、自分で考えることもなしに「今どこですか?」とか聞くのはやめましょう。
最後に、ザックの両脇に差して運んでいたストックはマジで邪魔・・・!




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