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知床!



日程2013年9月8日-18日(山中6日)
山域北海道知床半島先端部
文責
佐藤駿介
目的〜羆あり、泳ぎあり。大自然の中で生きぬく〜
CLのワンゲル活動の集大成をだす。大自然の中で合宿したい。
コースタイム
()は時刻

メンバーCL:佐藤駿介(W4)
SL:勝見慎吾(W2)
食当:津崎浩平(W2)
気象:竹内顕信(W1)
記録17:40 BP着
ひたすら河原を歩いて行き、番屋が遠くの方に見えたらすぐに観音岩。
観音岩の観音は地蔵が立っているから。形がどうだとかいう話ではない。観音岩基部はルンゼ状になっており、漁業用ロープがかかっているのを目印に登る。ロープは概ね丈夫、上部は滑りやすいので竹内は怖かったようだ。ロープの視点は藪の中に消えており不明(おそらく岩?)、懸垂するにはちょうどいい支点が見つからないと思う。

竹内のchrDT話でひたすらいじる。可哀想だと思いきや奴は両また小屋で皿を洗っていたらしい。
全員体調良好。少し荷物が重いか。荷物の重さ的には竹内<佐藤<勝己<津崎?ただしフードコンテナが嵩張る。夕飯はマカポテ、BPから少し降りた石浜で調理を行う。食器・食糧は残置ボルトからパワーロープを出して吊るした。BPは岸壁の真下で、落石が怖い。翌日は知床沼ビバークで、沼の水を飲むのは憚られるので2.5Lの水を補充した。20:30就寝、6:00起き8:00出発。

9/11
6:00起床、朝食はスープパスタ。非常に天気も良く、海を眺めながらの食事はすばらしい
8:00出発
全員体調良好。最初は。
観音岩基部から沢の方へ踏み跡が伸びているので、それを辿って橋を2つ越えた所にある踏み跡から入渓。一応勝見と津崎に偵察に行ってもらい、この先に大きな浜が無いかを確認してもらった。
ウナキベツ川
入渓早々に踏み跡を見失い、沢中をじゃぶじゃぶ進む。沢装備装着。しばらく渡渉や軽い巻きを繰り返すと本来の踏み跡に出る。最初から踏み跡を辿れば沢靴を使うこともないのだろう。以降沢靴を履いて行動する。赤テープは非常に間隔が遠く、かつわかりにくい所にはつけられていない為、度々ルートを見失いそうになった。踏み跡ではなくなったり、明らかに方向がおかしければ戻って考えるのが吉。
12:00青沼着
青い沼。非常に美しい。しかし竹内と佐藤のちんちんが汚染される。ここではしゃいで、また踏み跡を見失ってしまう。強烈な藪を漕ぎながらほぼ真北に進んで行き、高度計を確認しながら西へ向かうと、崩壊地の南東端の踏み跡に合流できた。この踏み跡は青沼から西に進み、小崩壊地の西側から伸びているのだろう。こっちが正解。
小崩壊地の急登。竹内がバテるので、CLがフードコンテナを持つ。倍疲れた…竹内コロス。1時間ちょい登れば傾斜が無くなり、右手の木の奥に切り通しと赤テープが見える。これ以降は木が切ってあるかどうかをルートを選ぶ基準にしてもいいかもしれない。途中までじゅんちょうだが、また道をロストする。背丈程もある這松を漕ぐというより乗越し乗越し、ようやく正規の登山道へ合流する。これ以降わかりずらいところはあまりなく、ひたすら踏み跡を見失わないようにして藪漕ぎをしていく。
19:00知床沼着
広い沼。非常に美しく、かつあまりの藪漕ぎのキツさに見た時にウルっと来てしまった。BP指定地は非常にわかりやすく、踏み跡の先に白いロープで囲ってある箇所が見える。3m×3mでとても広いとは言えず、4ー5人テン2張が限界といったところだろう。
沼の水は意外に澄んでおり、そこまで不味くはなかった。もちろんエキノコックス対策は必須だろう。
9/12
6:00起床。CLは早起きしてしまった所、雨の音が聞こえる。非常にゆううつだ。
ぬまから北はあまりひとが入らないのか、より一層やぶが酷くなっている。時には匍匐前進で這松の下を通り、時には這松の上を曲芸師の様に渡っていく。ここで最も導となるのは赤テープでも踏み跡でもなく、木の切り跡である。鬱蒼と茂る這松の中から時折現れる切り口は人の気配を感じさせてくれる。切り口は滑らかで、明らかに自然のものではないのがわかる。しかしそれでも容易に道を失ってしまうのは知床ならでは。当パーティも何度も道を見失っているも、運良く軌道に乗ってここまでこれた。ポロモイ岳手前のコルからオッキチウシ川へと下降したが、これが最高にヤバい藪だった。寧ろポロモイ岳手前の小ピークから始まる崩壊地(ガレ)を降りて行った方が100倍早かったと思う。唯一の1年である竹内がばててしまってスピードが出ない。もっと前から上級生がきをつかってあげるべきであった。
コルからはひたすら手首ぐらいの太さのハイマツ達をしならせ、その上に乗り、移動し続けた。1時間に50mは伊達じゃなかった。
オッキチウシはとにかく長い。最後の最後(420mぐらい?)で懸垂✖2。25mと7〜8mぐらいを左岸の立木から。竹内は要練習である。最も1年生だから仕方ないが。
1つめの懸垂が終わった時点で16:30、仄かに薄暗くなって行く周囲に焦りながらフォース度ビバークを決意。2個めの懸垂を降りた所の右岸の尾根上にめちゃくちゃ良いBPを発見、テントを広げた。そこらじゅうの木がクマによって食され、削られている……さらにアブがとんでもない数で顔に突っ込んでくるのが許せない。津崎と佐藤は顔がボコボコで、瞼が落ちてきてしまうほどだった。
食料を木に吊るして就寝、竹内はテントに着いてからテンションが上がっている。ここまで大変な山行は自分が1年生の時の北海道を思い出すが、竹内やW2は本当に良くやってくれていると思う。自分がW4として皆を引っ張って行っているのも、改めて思い直すと感慨深いものである。
とにかく知床に来て良かった。これを完遂させればこれから先、自分に納得が行くだろう。
9/13
アウンモイ番屋前にてビバーク。番屋は崩壊しており、人の形跡は無い。
420mBPから下は渡渉と巻き降りを繰り返す単調な沢歩き。かなり滑って滑るので注意。CLもフラついてヤバかった…河口付近には大量の溯上する鮭たち。津崎は素手で捕まえている。と思ったらCLも素手で捕まえた(^ω^)
干潮の為、序盤の泳ぎは無し。もしもこれが泳ぎだったらと思うとぞっとする。次に行かれる後輩の方々は、潮の満ち引きを計算に入れて臨んでください。
イタシュベワタラ番屋を越えてすぐにへつり5m、泳ぎ3m、アウンモイ手前に泳ぎ3mあり。
CLと食等で鮭を捕まえてムニエルにする。ビールが欲しい…
9/14
念仏岩手前にてビバーク。
ポロモイ湾にてやっと羆を目撃。100m遠くからだったが、小熊かと思う程小さかった。尚、笛を吹けばすぐに逃げてくれた。
アウンモイ後のへつりで一ヶ所ヒヤリハットあり。トップがザック背負ったまま泳いで行き、ロープ無しで来させようとした。勝見がザックの浮力に負けて頭を沈め、パニックになってしまう。津崎が一旦勝見を引き上げ、CLが再び泳いで行ってロープを手渡し、引っ張って泳ぐという何とも疲れる対処となってしまった。その後勝見もバテてしまい、余計に行動が遅くなってしまう。
文吉湾は遠くからでもわかる超人工のエリアである。周囲の電気柵は始動しており、CLが当たって感電する。テトラポットを下って電気柵の裏側についた巻道を辿って上部へ。上部は台地状になっており、すぐに灯台が見える。踏み後を辿って灯台の真北に延びる岬が知床岬である。その東側も良い岬だよ?竹内と津崎のうんこ落ちてるけど。皆でコーヒーを飲んで落ち着く。
東側の岬からほぼまっすぐ東側に向かえば海岸線まで降りる道が見つかる。おそらくそれ以南だと降りられないんじゃないか?赤岩の番屋は閉まっており、犬も見られなかった。
カブト岩は大高巻きと巻き、水際突破が考えられるが、どう考えても水際が正解だと思う。大高巻きは記録通りに100m以上高度を上げるもので、とてもじゃないがザックを背負って登りたくは無い。巻きは一見簡単そうに見えるが、すぐ後が急峻な岩になっているのであまりオススメできない。水際はワンポイントの泳ぎのみで、難しくない。
最後横着してショートカットの為におよいだので思いのほか疲れてしまった。竹内のフードコンテナがCLに、SLのテントセットが津崎にいくなど、体力差と負担がバラついてきた。このまま無事に終わってくれることを願う。

9/15
4:00起き、6:00発。段々早くなっているのは油断しているからではない。決してない。
念仏岩は泳いだ。
滝川手前の岬にて泳ぎ少しあり。飛び込んで遊ぶ。
モイレウシ湾後の岩岬の巻道は漁業ロープを頼りに登っていくが、その支点は岩角に引っ掛けてあるだけだ。大丈夫なのかこれは?
剣岩あたりで雨が降り始める。しかも中々に強い。おまけに雷も鳴り出してきた。CLとして止まるべきか、進むべきか悩んでいるうちに雷は止んだ。結果的に正解だったと言えるかもしれないが、一歩間違えれば危急時に陥っているかもしれない。何と無くやり過ごす山行は減らして行かなければならない。
観音岩の逆巻きは結局残置ロープ頼りでふりー。ロープはしっかりしているものの、高度感もあって雨のせいで滑り、かなり怖かった。
18:00ともなるとあたりは闇に包まれ始める。5人でとにかく歩いた。無心で歩き続けた。津崎だけは何故か元気。結局19:00に相泊の熊ラーメンの前に着いた時には相当真っ暗だった。鹿だけでよかった…。熊ラーメンのおっさんは絶対良い人。次行く人は是非よりなさい。タクシーで羅臼へ、ビジターセンターでビバーク。翌日にバスで斜里へ、夜行バスで札幌。17:00まで時間を潰してフェリーへ。商船三井のさんふらわあだったが、竹内と佐藤は道に迷って30分遅刻、肝を冷やしまくった。結局家に帰ったのは18日の17:00。鈍行でなくても3日がかりだった。

反省
竹内
1年なのによく頑張る。
沢の経験を積むこと。細かい道具の使い方を自分で。
津崎:体力は問題ない。凄く良い。ただし遅い。パッキングとか。頼む前にやっておく。疲れてるのはみんな、言われる前にぱっと。紅葉山行頑張。
セカンドはトップの伝達。もっとトップについていく

勝見
キツイが充実。
SLらしく動いて欲しい。事前の調べは素晴らしいが、CLとの連携。純粋な体力。
フードコンテナのデカさを調べて竹内にマカルー持たせるとか。
疲れると色々雑になる。

津崎
楽しかった。初の北海道なので、水の作り方など多少自分勝手だったかな。佐藤さんに頼りすぎ。
勝見:本当に強い。手際も良い。

佐藤
勝見、竹内:先に行きすぎ。
06予備日を使ってギリギリ、パーティ全体の力量をもっと図るべき。1年生の体力を勘案。



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