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2013燕岳・大天井岳



日程2013年12月7日-9日
山域北アルプス合戦尾根-大天井岳-燕岳
文責
佐藤駿介
目的積雪期縦走トレーニング、プレ槍ヶ岳
コースタイム
()は時刻
1日目:安曇追分(4:00)-宮城ゲート到着(4:30)-出発(4:45)-中房温泉(8:00)-富士見ベンチ(12:00)-合戦小屋(13:00)-出発(13:30)-燕山荘▲(16:15)
行動時間【11:30】
2日目:
▲(7:10)-0:40-蛙岩(7:50)-0:45-大下りの頭(8:35)-0:25-為右衛門吊岩(9:00)-2:10-切通岩(11:10)-0:30-大天井岳山頂直下(11:40)-1:50-山頂(13:30)-出発(14:00)-0:20-切通岩(14:20)-1:20-大下りの頭(15:40)-1:05-燕山荘(16:45)-1:00-燕岳山頂(17:45)-0:25-燕山荘(18:10)▲
行動時間【11:00】
3日目:
▲(6:10)--2番ベンチ--中房温泉(8:30)-2:15-ゲート(10:45)
行動時間【4:35】
メンバーCL・気象:佐藤駿介
SL・食当:相馬皓介
記録
12/7
安曇追分から南安タクシーで宮城(みやしろ)ゲートへ。雪が散らつく中、ゲート付近にアプローチシューズをデポし出発。200m毎に道標が立つ単調な林道を延々と12km歩き通す。相馬のガッシャーが重そうである。やはり2人だと分担が多くなってしまう。中房温泉は当然営業終了しているが、登山ポストとトイレは使わせてもらえる。合戦尾根は、登山口から明瞭な道を歩くと、雪が2〜5cm積もるぐらいでただの急登か、と思わせて違う。第3ベンチから新雪の下にはバーンが隠れているのでアイゼンを装着。ここから合戦尾根の本気が始まる。合戦小屋に辿り着くまでにラッセルラッセル、時には腰にまで浸かるようなラッセルを強いられた。合戦小屋の冬季小屋は見つけられなかった。もしかして無い?合戦小屋からはトレースの上にかかる藪を漕いでいきながらひたすらラッセルラッセル。登りに関しては急登・ラッセルなだけで、目印もあり、迷い尾根も無いので非常にわかりやすかった。2人とも珍しく芯からグロッキー状態で1日を終えた。
相馬のお楽しみは甘酒。佐藤は甘酒を食わず嫌いしていたが、飲んで見て意外に大丈夫だった。佐藤のお楽しみは小豆の缶詰、そこに茹でた餅を入れて食べたが、疲れた身体には染み入った。
気象:日本海側を通った低気圧により、西高東低の気圧配置となった。5500m上空には-24度の寒気(東北では-30)が入っていた為に、北アルプスの天気は須く大荒れであった。合戦尾根も1日で10cmほどの積雪、燕山荘前では身体が吹き飛ばされそうになるぐらいの風が吹いていた。

12/8
レイヤー
基本装備プラス中間着
朝起きて窓の外を見ると朝焼けに染まった北アルプスの山々が!!2人は大興奮でゆっくり朝ごはんを食べ、出発までに2時間を要した。燕山荘にシュラフと食事系統ほとんど、ストックをデポして出発。雲ひとつない晴天の中、クラストしてモナカ状になった稜線を辿って行く。硬いところは快適に歩けるのだが、一度踏み抜けば5cmの厚さの氷の板が脛に突き刺さり痛い。蛙岩まではあっという間。右巻きを試みるも、下降が切れ落ちている為に困難と判断、冬道を進む。岩と岩の間を進むが、下に隙間(結構大きくて深い)が空いている為に、足を滑らせるなどは出来ない。スタンスホールドは豊富なので難しくは無かったが、雪が少ないとかなり厳しいと思われる。ザックの引っ掛かりが心配されたが、よっぽど外付けしていたり、高さが無ければ大丈夫かとは思う。ガッシャーやマカルーをある程度膨らませてしまうとキツイかも。その場合は右の斜面を大きく下り、登り返すといいのか?稜線上の雪庇は全て進行方向左側に張り出すので、常に尾根の右側を進む感じになる。踏み抜く箇所が多く、非常に疲れた。大下りは登りも下りも特に問題は無く、ロープの必要も全くない。為右衛門吊岩手前の雪壁が雪庇の発達が懸念されたのでスタカットで進む。相馬リードでアンカーは立木から、中間してんは立木plusスノーバーで取り、終了点はスノーバーとデッドマン。為右衛門岩は右巻き、トラバース怖いが容易。切通岩のはしご、鎖は共に出ていたのでそれを掴んで容易に突破。そして本日の核心大天井岳直下の雪壁だが、ルートを見極める事が出来れば、そして雪の状態が良ければロープは不使用でも登れると思われる。しかし今回はルートが不明瞭(夏道に惑わされる)かつ、雪がモナカ状で踏み込むと亀裂が入るような悪い状態であった為、3度ほどロープを出して遠回りしてしまった。結果リミットを意識する結果になってしまったのは反省すべきである。このルートの正解は切通岩から少し登った後に右へトラバースして行くと道標があり、そこから上部に見える木の棒(道標ではないが、元は付いていた?)に向かって直登気味にジグザグに登るのがいい。何れにせよ、自信が無ければロープ出すべきだし、ここは風も強く落ちられないのでロープ出すに越したことはない。山頂からは槍はもちろん北アルプスが一望でき、筆者のワンゲル人生の中で上位を争う絶景だった。下りは無心で、下山モード。ギリギリ日の入りまでに小屋に着くことができたが、明日早く帰りたいので燕岳を先にピストンすることに。暗かったのでルーファイは難しかったが、特に難所という難所は無かった。星空が綺麗だった所が唯一の盛り上がりである。1日目に引き続き、またしても体力を絞り出すような行程であった。もう本当にしんどい。小屋があるのが大きな救いになる。冬季小屋は1人1000円、最大で5〜60人は寝るスペースがあり、トイレの水は流れるしトイレットペーパーも完備、飲料水は出ない。小屋ではペミカンシチューとアルファ米のチキンライス。相馬のお楽しみネルネルネルネが意外に美味しかったのだが、相馬の適当さにより、本来の姿ではなくなったネルネルネルネがそこにはいた。
気象:移動性高気圧の中心が正に北アルプスの上空に存在した為に、1日中快晴という信じられない天気だった。正に西高東低の天気が崩れた後の狙い目の日程だった。

12/9
先日の天気図には大陸に2つ玉の低気圧が見られたため(早く帰りたいので)4:00に起床する。しかしながら窓の外は昨日と変わらぬ晴天。本日中の下山に支障は無いとみて、ラーメン、餅に加えて予備食のアルファ米を食べて出発。小屋直下の急登がやや怖い意外はルートも見通せて楽チン。先日の風によりトレースが消えてラッセルをする箇所もあったが、下山モードで一気に中房まで。12kmの林道歩きは2人とも無言で、各々のペースで歩き続けて完遂。佐藤は相馬の呼びかけを無視する(音楽を聞いてたのさ)。中房で読んでおいたタクシーで安曇追分の駅へ。バイト先の人に教えてもらったレストラン「キッチンヤマナミ」は閉店?していた……非常に残念。お疲れ様でした!
気象:大陸で発生した低気圧×2が合体して大きな日本海側低気圧に、あるいは2つ玉低気圧となって天候を荒れされるかと思われたが、幸運にも高気圧の粘りとジェット気流の影響で南下に留まった。先日と同じ快晴、やや風は強い。

反省



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