沢登り 大若沢
文責:滝澤
日程:2024/7/7
山域:荒川水系中津川 大若沢 1級
天気:曇りのち快晴
参考資料:国土地理院 地形図「中津峡」
山と高原地図 「雲取山、両神山」
東京起点100
メンバー:CL:荒井(W3) SL: 滝澤 (W2) 医療:下川原(W1)無職:河口(W1)、五十嵐(W2)
コースタイム(休憩時間含む)
大若沢休憩所(5:31)-0:05-入渓点(5:36)-0:25-2m大釜(6:01)-0:18-不動滝4x6m(6:19)-0:58-トイ状12m(7:17)-1:20-魚止ノ滝8m(8:37)-1:31-直滝8m(10:08)-0:29-遊歩道(10:37)-1:53-駐車場(12:30) 計7:58 沢中:5:01
電波:docomo、au:まったく通じない Softbank:入渓点まで通じる
アプローチ:大学から車で二時間半ほどで着く。計画では大若沢休憩所に車を停める予定だったが、左折して休憩所につながる橋を渡ろうとしたところで橋の入口に落石注意の看板とロープが張ってあり、車が通れなかったので、その目の前の車が停めれる
場所に車を停めた。それでも、そこから入渓点までは全然近かったので非常にうれしかった。
入渓:車を停めたところからたった5分ほどで入渓点に到着。橋が決壊しているのが目印とあったが、立派に修復されていた。
勘兵衛の滝3m:入渓が早かったため少し暗かったのと、水量が非常に多かった。濡れずに左壁に取り付く予定だったが、割と腰まで浸かって取り付くことになり不安になった。登攀自体は左壁直登で特に問題なし。W1も問題なし。
4m:左側にある遊歩道に上がり、高巻き。遊歩道に上がるまでが少しザレていて怖い。落石注意。復帰は踏み跡が明確だがトップの滝澤が最初は見落としてしまったので少し注意。
2m大釜:右岸巻き。巻き、復帰とも明瞭で問題なし。
2条2m:左壁直登。問題なし。
不動滝4×6m:自分の中では核心。トップ滝澤が最初に挑戦。最初は右岸のリッジに上がりそこから水流際左を登ろうとしたが、水流が多いうえにガバがあまりなかったため、滝澤は一回下がり、CL荒井が挑戦した。荒井さんは割と簡単にいってしまい、自分の実力不足を感じた。その後は後続にPRを出して無事全員クリア。また、水量が多かったため、釜にはまったら危険だと判断し、トップにはロープをつけて落ちてもいつでも引き戻せるようにした。
金山沢出合:右の滝を右壁直登。問題なし。
トイ状12m:まずは。右岸リッジに上がるが全員簡単に上がれた。その後の方が地味に難しかった。先ほどからある通り、水量が多く、計画段階では確認できなかった地形になっていた。全体的に軽いゴルジュのようになっており、左壁から谷間の水流に
飛び込んでそこからツッパリで渡りきる。ツッパリも手足をクモのように広げるのではなく、への字になって左壁に両手、右壁に両足でつっぱる。
魚止ノ滝10m:核心。五十嵐と滝澤で水に浸かりながら左壁に取り付く。一段目は容易に登れたが、そこから登りきるまでが非常にヌメっていて、かつ、ガバもあまりなかったので直登したことにすぐに後悔。結局、二人とも直登で最後まで行ったが、落ち口付近で二人とも無理やり登り切ったため滑落しそうになった。その後は、後続を確保。支点は落ち口すぐ近くの右岸側の立木にとったが、もう少し遠くにある右岸立木にした方がよかった。滝澤がビレイヤーだったが、下手過ぎて時間がかかった。特に、滝が高く斜面も意外と緩いので落ち口から滝下が見えづらく、ロープが非常に投げにくかった。水流を利用して滝下にロープを投げるとうまくいく。
直滝8m:計画段階では右岸巻きを容易にできると思っていたが、事前に見ていた写真とはかなり地形が変わっていて、意外と巻きに苦労した。巻きというよりかは、普通にクライミングという感じだった。復帰自体は容易で、特に問題なし。時間があれば普通に直滝の右壁を直登し、後続確保をした方がいいと思った。
ツメ:二俣に入る前に、そこまで明瞭ではないが踏み跡があるツメれそうな斜面がある。ザレてはいるが、注意していけばそこまで危険ではない。すぐ終わる。非常に楽。
下山:他の記録では、下山が核心という記述もあったが、死亡事故が起こってからなのか、危険個所には鎖が張られていたので危険だが、核心というほどではなかった。しばらく行くと、一度沢に降りる地点があり、そこからまた遊歩道に戻る地点がよくわからなくなるのだが、ピンクテープに従って沢を降りていくと、左岸側に分かりやすいはしごが現れるので、焦って無理やり斜面を登ろうとしないように注意。その後は注意していれば特に危険個所はない。
総評:沢自体は奥秩父の沢という感じで東京では感じられない渓相であり、飽きがあまり来ない非常に質の高い沢であった。難易度としては正直なところ1級上は過小評価であると感じるレベルであった。水量の多さもあったのだが、不動滝、魚止ノ滝は少しテクニカルであった印象があった。また、遊歩道にいつでも上がれるというような記述が他の記録でも見られるが、そんなことはない。エスケープルートに遊歩道を設定するのはやめた方がいい。死亡事故が起こった沢ということだったが、おそらく整備される前の下山道で滑落したと考えられる。現在は整備されているので、水量が少ないときをねらっていけば非常に楽しい沢になるだろう。