荒沢谷
日時 2022.7.2~3
山域 雲取山
文責 辻
メンバー CL:藤田(W3)、SL:辻(W2)、食当:長尾(W2)・山田(W1)、医療:石川(W1)
天気 一日目:曇り、二日目:曇り
地図資料 25000分の1地形図 「雲取山」
山と高原地図「雲取山・両神山」(2017年)
遡行図『東京起点』「荒沢谷」
コースタイム
〈一日目〉大洞林道出合(10:30)-1:50-荒沢橋(12:20~12:50)-1:00-アシ沢出合(13:50)-1:30-菅ノ平(15:20)
合計4:20
〈二日目〉菅ノ平(6:00)-0:30-井土淵(6:30)-2:00-狼谷合流地点(8:30)-2:00-大雲沢・北雲沢出合(10:30)-2:45-雲取山南西登山道(13:15)-0:15-雲取山山頂(13:30)-0:20-小雲取山(13:50)-0:20-奥多摩小屋跡分岐(14:10)-0:30-ブナ坂(14:40)-0:20-七ツ石小屋分岐(15:00)-0:30-堂所(15:30)-1:40-小袖乗越(17:10)
合計11:10
コース記録(YAMAP)
【詳細】
新入生が参加しての初沢合宿。リーダーズの他は沢泊経験がなく、焚火含め初めての経験を色々してもらった。
〈一日目〉
W1が電車を乗り間違えたとのことで遅刻。バスには乗れず、急遽タクシーを手配し一時間遅れで出発した。
大洞林道出合付近でおろしてもらい、行動開始。荒沢橋まで2時間の長い林道が続く。基本的にはよく舗装された印象だが、鮫沢橋以降は荒れ始めるため自家用車で入るとしてもここまでだろう。
①入渓点:荒沢橋付近は広場になっており、沢にも容易に下りられる。入渓直後から水量は多い印象で、ずぶずぶ浸かる感じ。沢というより川という具合か。荒沢谷全体に言えることだが、入渓してすぐに対処に書いていない小滝がいくつかあらわれる。ナメ滝っぽくもあり、やはり釜が深いので経験が浅いと対処に困るかもしれない。トポ図には右岸を巻けるとの記述もあったが明らかではなく、いずれの小滝もその場で対処した。
②ベンガラの滝8m:この滝は写真で見たほどパっとはしない印象。もっとももわざわざ近くによらずハナから対処通り右岸を巻いたのだが、先輩は滝の存在に気付かなかったらしい。右岸には情報通りトラロープが降りていて、それに従って岸を登り巻き道に出る。この巻き道は滑りやすく、W1がいれば慎重になりたい。
③ゴルジュ帯:この日は先ほどの巻き道直後のガレを降り、巻かずに突破した。この日は小雨も降っていたため水量も少なくなかったが、それでも泳ぐほどではなく全員無事抜けられた。小滝が連続しており、いくつかは岸に上がって巻いたように思う。
④菅ノ平:ゴルジュ帯を抜けてすぐに広場が出てくる。ビバークするにはもってこいという感じで、焚火跡もいくつかあった。この日はしけっていてコンディションは悪かったが、CL藤田主導で焚火を実施。小枝を沢山集めて、初めから組んでおいて勢いをつけるのがコツとのこと。夕飯は山田君の牛丼。旨かった。先輩の持ってきた味噌漬肉や焼きナスも大層旨かった。来年の沢泊では自分が持ってこよう。
〈二日目〉
4:30に起床。一時間半での支度。朝飯はたしか長尾君のぜんざい。アイツだけやたら食ってた記憶がある。
⑤井土淵:ここまで予想よりも早くついたので少し戸惑った。手前にいくつもの倒木とやたら高くから落ちる水線があるため目印にしてほしい。ここのゴルジュは一日目のところよりも相当深く、先も見えないので不安になる。結局このときは100mほど手前から左岸の支沢に入って小尾根を越え、狼谷に降りた。この狼谷の分岐はわかりにくく、狼谷の方が本流っぽかったため誤って進んでしまった。小尾根を越えたところに見える分岐で東に進むのが正解。ここからしばらくは穏やかな渓相が続き、癒される。5mほどの小滝も連続するため十分練習になるだろう。
谷が大きく東に曲がるあたりにビバーク適地。菅ノ平と同じく広場になっており、快適だろう。
大雲沢・北雲沢出合までに7mほどの滝が連続するが、いずれも現地対応。特に写真もあげたシャワークライムの滝は、W1には難しいと見て左岸巻き。登れそうな岩壁があったためSLがフリーで登り、後続にPRを出した。
⑥ツメ:大雲沢・北雲沢出合はわかりやすい。この日は大きなガレ場を避けて北雲沢を詰めようとしたが、誤って想定よりも一本北の沢に入ってしまった。既に分岐から200mほど進んでいると見られたため、引き返さずに左岸の尾根を詰め上げることを決断。かなりの傾斜を獣道を借りながら詰め上げた(GPS記録があるため是非参照してほしい)。危険はなかったが、ハエの量が尋常でなく各員メンタルが削られていく(長尾君も珍しくキレていた)。石川君も一人さっさと詰め上げてしまったため、パーティの統制はとれていなかっただろう。最後は緩やかな藪の斜面をトラバースし、登山道へ。15分ほどで山頂に出た。
⑦下山:雲取山下山道を利用したため特筆すべき点はなし。疲労困憊だったため、初めは飛ばしたものの途中からゆっくりペースになった。
【総評】
地図読みなど反省点はあったものの、滝の対処等は問題なく各人の成長が見られる山行だったと思う。特に新入生の石川君は沢経験もあり、歩きがスムーズ。健脚であることもあって先々行ってしまうので、パーティの足踏みを揃えるのに苦労したほどであった。長尾君や山田君も小滝程度で手こずることはあまりなく、問題なかったと思う。
反省すべきはやはり地図読みだろう。井土淵の巻きで現在地の同定が出来ず狼谷に入ったことと、ツメるルートを間違えたことだ。前者は地形図上に表れない地形を読み取れなかったことが原因として挙げられる。他人のひいた水線を鵜呑みにせず、想像を働かせる必要があっただろう。後者に関しては疲労もあり、分岐にきづけなかったことが原因だ。こればっかりは反省の仕様がないが、次行く人は気を付けてほしい。このミスの後、尾根を詰め上げた判断は間違えていなかったと思う。YAMAPには本当に助けられたが。
コースタイムも大きく伸び、少々辛い山行にはなってしまったが、各人一つの経験として受け入れてほしい。