●山域
奥多摩
●文責
宮本
●概要
清野と二人で奥多摩の氷川屏風岩に行ってきました。
特段何か功績を残せたわけでもありません(むしろ全体として見れば明らかな敗退だった)が、後々何かの役に立てば(立ってほしい)と思い記録を書いておきます。※多少詳しすぎるくらいに書いてるので、オンサイト感を重視する/楽しみたい人は記録は読まない方がいいかも。●目的
アルパインっぽいクライミング、実力の確認と向上
●メンバー
W3宮本 W2清野(コロナで時間軸がずれているが、それぞれ4年と3年)
●記録
〇アプローチ
JR奥多摩駅からトポ(climbing.netから色々やって印刷)に分かりやすく図示された道を辿る。
尾根道は30分の急登でA峰横(白い看板あり)に着く。
〇屏風岩A峰B峰C峰
初めての岩場だったのでまず終了点を探りたいと思い、A峰・B峰間チムニー(Ⅲ・固定ロープあり)からゴボウでB峰上に出る。
B峰上から街までは100mはあるんじゃないか。ルート上から奥多摩の街が一望できる高度感がこの岩場の魅力ではあるものの、初めてだと怖さが勝る。
ビビりつつBCコンククト、トサカフランケルート等の終了点を探す。
B峰のフィックス(トポにも書いてある)の終了点は分かったものの、トサカフランケについてはリッジの先、ルート直上に終了点があるのか、見えない。
リッジはロープ確保なしでは通過できず、かといって中間支点も少なかったので危険を冒して終了点を確認することもはばかられた。
偵察を諦めて立木懸垂で降りる。
【BCコンククト(Ⅲ)】
まず宮本がリードした後、トップロープで下ろしてもらいつつ全ての支点を回収。次に清野がリード。懸垂で降りる。両者とも一応完登。
アルパイングレードが付いているのはたぶん中間支点が全てハーケン(ぺツルボルトでない)なため。
結論4本くらいプロテクションをとって登り、B峰FIX下に出る。
このルートだけで登られることはあまりなく、この上にあるイクイノシシ(5.11d)やショットガン(5.12a)へのアプローチとして使われることがほとんど。
ただ全く脆くなく、ハーケンも現状しっかりしているため、下級生の初めてor二回目のリードに良いのではないでしょうか。
【トサカフランケルート(Ⅳ)】
宮本リード。9ピン目くらいをとった後、10ピン目に向かう核心部?を止められずリタイア。
8本くらいヌンチャクを用意していったが、全く足りず後半は残置ハーケンにガースで支点を作っていた。
もし核心を止められたとしても、終了点を構築するためのギアがもはやプルージックロープくらいしか残っておらず、
また終了点がどこにあるか下から見えていなかった事情もリタイアを後押しした。
中盤のテラスでピッチを切れば良かったとも思うが、終了点が分からないまま清野を上げてマルチにするのは割とリスクを負う(と思う)。
2ピッチにする場合は中盤テラス(リングボルト×2+ハーケン?だったと思う)で作業することになるはずだが、めちゃ広いわけではない(1m四方くらい)。
全体としては特に脆い部分がなく、支点がしっかりしていてルートも明確に分かるのでマルチ体験として良いと思う。
ただ勿論、支点は全て残置ハーケンなため、基本的にフォールしてはならない。ピッチグレードⅣを登れる/登ったことがなければ、積極的にはリードは勧められない。自分も部員も登攀力アップしよう。
【フェイスルート(5.7)】
清野リード。取りつきを止められずリタイア。
取りつきを越えればクラック沿いを上がる難しくないルートに見えた。が、自分たちには取りつきが難しかった(登山靴の限界かも)。
割と細かいスタンスに左足を留めて2ピン目を取りに行く動きに、清野も宮本も残りの時間で対応できそうになかった。
帰ってからネットを見ると、取りつき近くの木を使うといくらか簡単だと書いてあったが、どの木をどう使うのか、思い当たる節がない。
●反省
登攀力、クリップ操作、中間支点構築の判断(ヌンチャクでとれるのかスリングしか通らないのか)等、改善しなければならない点は多い。
が、一番はトサカフランケルート登攀後のプロテクション回収で、最善の回収方法判断に時間がかかった上、
結果としてとった方法にもそれなりにリスクが伴ったことは反省しています。
記録にもある通り元々終了点が明確に見えない上、自分は完登できなかったため、終了点からトップロープで下降しプロテクションを回収することもできなくなった。
結論B峰上3mほどのところにある立木から懸垂を始め、下降方向を考えながらリッジの凸部にロープをかけて、振られない&ちゃんとロープを下まで下ろせるよう気
を遣いつつ、降りながら回収していった。
ロープを持っての懸垂の経験がそれなりにあったのと、リッジより下のルートがほぼ真っ直ぐだったことが手伝って、結果上手く降りてすべてのランナーを回収できた。
が、何か他の不安要素が重なれば回収不能/怪我に繋がる恐れがあった。
岩場で自律して(安全を確保しつつ)行動できる部員どうしで行くこと、そして自分の実力を明らかに超えるようなルート(アルパインっぽいルートでは特に)には初めから挑戦を控えることが原則だということを、
改めて今後に向けての指針としたいです。
とはいえ、現状清野とコンティニュアス(マルチ)ができそうな希望が持てていること、ハーケンがメインのルートで支点を判断する際に気を付けるべきこと等を登山研以来改めて思い出すことができたことの二つは、
個人的に大きな収穫だった。
5.7のルートが複数ありながらも5.13台の本格ルートを遠目に意識できる岩場は中々ないし、奥多摩駅から30分という好立地である。
最近日和田にしか行っていないのはもったいないので、登攀力を上げ、必要ならば諸先輩方の力を借りて、部員には是非今後もチャレンジしてほしいし、自分も完登のリベンジをしたい岩場だと思っています。
以下、順にフェイスルート(5.7)の下部とトサカフランケルート(Ⅳ)の下部の写真です。
