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勘七の沢


勘七の沢 初リー
〇文責 布勢
〇日時 2018年10月13日(土)
〇天気 曇り/気温低め
〇水量 普通
〇メンバー CL布勢(W2)、SL葉玉(W3)、医療残間(W1)、Hukins(W3)
 ※勘七経験者はHukinsのみ(途中まで)
〇コースタイム
6時10分駐車場出発-0:55-二俣より入渓(勘七橋手前でコースを誤りタイムロス)-1:15-F2の堰堤上(10分休憩)-0:15-F3上-1:20-F5下(10分休憩)-1:05-F5上にてロープ回収終了-0:55-登山道に合流-0:35-駐車場
[6:20]【沢中4:50】
〇対処・注意点
・表丹沢県民の森駐車場:電波なし。詰めても8台止められるかどうかであまり広くはない。トイレ、手洗い水場有り。駐車場から先にあるゲートの手前に5台ほど停めてあった。どうしようもなければ使えそう。
・入渓は二俣から特に問題はなし
<遡行>
堰堤1:右岸側に踏み跡があるのでそれをたどると堰堤の左端に着く。軽く登って越す。

F1:この沢で一番難しかった。まず布勢とHukinsが登って後続を確保した。別に残置のスリングを使えば問題はないが、最初の取り付きが少し難しい。斜めになっているスタンスを使えるかが鍵。終了点には残置ボルトが連打されており支点構築に困ることはまずない。ちなみに残置を使わずに登るのはかなり厳しいような気がする。
(追記: W1のために、残置にさらにスリングをつなげて延長した)

F2:この沢で一番声を出した。とにかくホールドが脆い。右壁のリッジを登るのだが2段構成になっていて、1段目が特に脆い。ここはW1がいるのなら必ず体重をかける前にホールドの確認をするように注意するべきである。もちろんどの滝でもそうだが、この滝は特にボロボロであったから残間がフォールするのではないかとヒヤヒヤしていた。1段目を登ると看板の下のくる。このあと落ち口に向かって二段目を登るのだがここはホールドが細かくなるのでPRを一応出した。支点は残置から。ボルトは新しかったので今後も使えると思う。

堰堤2: F2とほぼ一体化している。左岸側から登れる。布勢は堰堤直下のコンクリート帯を登り、葉玉さんは手前の岩から登っていた。また、この堰堤だけに限らないが堰堤を越したところは広河原になっているので休憩に適している。

F3:この沢で一番面白かった。最初の釜はへつる。この時残置ロープがあるのでこれを使えばかなり楽になる。使わないで行くのも面白いと思う。滝自体は水流右を登るが、すごくツルツルしてるのでスタンスをしっかり探しながら行くのが重要になる。濡れていたら結構厳しいと思う。

F4:この沢で一番怖かった。1段目は問題ない。ここを越えると、2段目下までトラバースすることになるがこのトラバースが怖い。残置ロープやボルトはあるのでそれを支点にしてfix張るのが無難。布勢は残置ロープがボロボロだったのでロープには触らなかったので強度などはわからない。2段目下まできたらルンゼ上になっているところがあるので登る。明確なのでまず見つかる。ここはあまり落ち口から離れて登ろうとするとどうしようもなくなるので落ち口側の壁を意識して登ると良い。残置ロープがあるのでバランスを取る程度に使っても良いと思う。強度はそこまで信用できない。残置ボルトも錆びたものが一つあった。トップはPRを二つ持って行ってもいいと思う。fix用とルンゼ内PR用に。

堰堤3~7:最初のふたつは左から越える。1個目の堰堤は意外に難しかったので残間にはお助け紐を出した。2個目は問題ない。3個目は左岸の巻道から越した。この巻道はそこまで明瞭でもなく最後の方が崩れているので滑落注意。4個目・5個目の堰堤はまた左岸の巻道で一気に巻く。下山時もこれらを使った。

F5:この沢で一番立派だった。右岸から簡単に巻ける。落ち口にはボルトが連打されていたが使えるものは半分ぐらいだった。布勢は巻いて後続を確保したのでこの滝の登攀については登ったSLのコメントを参考に書いておく。
F5についてはホールドがあるものの高度感があり注意しなければならない。さらに最初は水流左のテラスをトラバースするのだが、テラスから出て登り始めるところが際どいのでここも注意しなければならない。アンダーがあるのでそれを使うべき。またここの部分は残置がいくつかあるのでリードする際に使える。
(特記)
W1の残間が一度大きくfallしたにも関わらず、めげずに登りきった。よく頑張った!

下山方法:F5上からは登る際に利用した巻道よりもさらに上に薄い踏み跡があるのでたどって行く。その際、途中に石垣などの人工物があるので「道」であることがわかる。この道は7番目の堰堤上まで続いている。5番目の堰堤までは普通に巻道を使ってクライムダウン。5番目の堰堤からは一旦巻道に入りそのままトラバースして行く。一度枝沢を越えて左岸側の尾根に乗ると登山道に合流する。ちなみにこの過程では踏み跡はほぼ0なので要読図。あとは登山道を歩くだけ。

〇総括等
一橋大学経済学部生ワンダーフォーゲル部所属でW3になりました布勢勝久と申します。この沢はやばいと聞いていて心配で眠ることができなくなったので山行前日は睡眠導入剤を使わせていただきました。本当です。さて、この沢についてですが、小滝が連続するというよりかは大きな滝がドスンとあってしばらく歩いてまたドスンといった感じでした。<遡行>の部分でお気づきになられた方もいらっしゃると思いますがそれぞれの滝にはそれぞれの1番があり個性的でとても楽しかったです。残置がかなりあることもあってロープワーク訓練などには適しているのではないでしょうか?ただ、クライミング力が乏しいパーティだと厳しいと思います。特にF1については残置がなければ自分は結構時間がかかったと思います。下山についても明瞭な踏み跡があるわけではなかったのでしっかりとルートを把握するべきだと思います。まあ、詰め上がるのなら話は別ですが。とにかく「沢登り」が凝縮されてる沢だと思います。実はF5上にはゴルジュがあってステミング技術が必要だそうです。なので詰め上がる計画をするパーティはそれなりの練習をしないとマジで日がくれてしまうと思います。もし僕が在学中ならぜひ誘ってください。あの上がどうなっているか気になりますし。もう一つ注意するべき点はトップはW3が行った方がいいのかなーという気がします。特にF1・F4は危ないです。僕はたまたま死にませんでしたが技量がない人は動けなくなる可能性があります。注意してください。あと、堰堤があるので人工物が嫌いだという人は連れて行かない方がいいと思います。結構存在感があるので、いつもの沢の雰囲気とは違っています。最後に、まだまだ自分は周りが見えていないところがあったのでもっと気にしていかないといけないかなと思いました。




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