日時 2013/5/22~5/28(山中5/24~5/27)
山域 剱岳
文責 勝見真悟
目的 雪山技術の習得
日程、コースタイム
5/24 室堂ターミナル(9:30)-0:30-雷鳥沢野営管理所(10:00)-2:10-剱御前小舎(12:10)-1:10-剱沢野営場(13:20)-研修(テント設営、雪上訓練)-剱沢野営場(16:40)
5/25 起床(3:30)-行動開始(5:00)-研修(一服剱、前剱)-剱沢野営場(16:00)
5/26 起床(2:30)-行動開始(4:00)-0:30-平蔵谷出合着(4:30)-停滞1:15-平蔵谷出合発(5:45)-2:05-平蔵のコル(7:50)-エビのルンゼ1:10-剱岳山頂(9:00)-0:45-平蔵のコル(9:45)-平蔵谷出合(10:45)-剱沢野営場(11:45)
-雪上訓練
5/27 行動開始(5:00)-搬送訓練-剱御前小舎(10:00)-0:30-雷鳥沢野営管理所(10:30)-沢沿いに歩き直接室堂山荘へ-室堂小屋(11:40)-室堂ターミナル(11:55)
メンバー 5班(雪上基礎コース)
講師 小林亘(日本プロガイド協会) 石川仁(富山県警察山岳警備隊)
W2:勝見真悟 北海学園大山岳部:高野 山梨大学山岳部:早坂 室蘭工業大学ワンゲル部:樽井 弘前大学探検部:米元 秋田大学山岳部:鈴木
地形図 「立山」 「剱岳」 「十字峡」 「黒部湖」
記録
研修内容 氷雪学 医療講習 登山トレーニング ナビゲーション技術 フィックスロープの張り方 ATC,ルベルソのバックアップ、
雪上訓練-支点確保(スノーバー、スノーボラード、袋、ブッシュ(ハイマツ))、スタカット登攀、雪洞、防風壁、アイゼン歩行、ツボ足歩行、ピッケルの使い方、搬送訓練
山スキー班については自分のあずかり知らぬところなんであしからず。深夜バスを使い、新宿から相馬さん、木内さんと共に富山駅へ。3900円かかる。マスクをしなかったせいでのどを痛める。富山電鉄に乗り替え立山駅へ。着いてから講義の後に装備チェックをする。基本的に研修所から借りられる。アイスハンマー、ショベル、ビーコン、プローブは借りても大丈夫だが、揃えられるものは持って行った方がいいと思う。ちなみに、靴はもれなくネパールやエキススパートプロ(6から7万円相当)のが借りられる。アイガーでも十分だったけど。日焼け止めとサングラスは必須。日焼け止めないと肌が死ぬ。サングラス忘れると駅の売店で買わされるから気を付けてほしい。基本サングラスは貸出はなし。最初雪山用品買い揃えるなら毛のグローブ二個は必須。行動用サブザックは必要なし。自分はマカルー(80L)一個で完遂した。リペア用品と救急セットを充実させる機会でもあるので頑張ってほしい。地形図にはあらかじめ磁北線を赤で引いておくこと。テーピングテープはキネシオロジーテープではなく、白いやつを買う事。水筒はポリタンでもいいがナルゲンが一番いいと思う。プラティパスは論外。雪から水を作るときに注ぎやすいものを持っていくべき。ポリタンでもめげる。最後は開き直って湧水から水汲んでたけど。コップも持っていくといいかもしれない。雪から作った水を移しやすくなる。
ロープワークは本当に基本的な事だけやった。たたみ方から流動分散、固定分散など。フィックスの張り方、セカンドとトップの交代など。ただ、質問する事で研修内容を増やすことが出来るのでぜひ頑張ってほしい。ATCのバックアップは質問して研修内容が増えた良い一例。わからない事をそのままにしておかないことが大事。ロープワークの事前研修に八の字結びをカラビナにかけるとあるが、クローブヒッチでも代用可ですよ。メインロープからのセルフをとるためのものであると解釈してください。
食事は他大の話を聞くと色々あった。夕飯の残りをとっておいて、餅を入れて朝に食べるというのが採用された。一日目キムチ鍋二日目豚汁三日目カレーという同じペミカンで味を変える戦略にした。ペミカンを作る上でも油は必須。油を食材注文の時に忘れないように。うちの班は忘れて石川先生に土下座して油をもらった。先生は苦笑していたけど。最後に冷蔵庫に入れて次の朝持っていくんだけど何年かに一回は忘れる班があるらしく、東さんから館内放送がかかった。あと、ペミカン入れるジップロックは余分に持って行った方がいい。まわりが忘れていて、自分のばかり使われたが、まだ足りず、結局下の売店で買い足した。下の売店は基本高いので要注意。
最終的にザックの重さは30kg弱になった。ロープと食材は重い。
入山日は立山ケーブルで美女平まで行き、そこから高原バスで室堂ターミナルへ。血中酸素飽和度を測ってから出発。地獄谷方面は有毒ガスで通行禁止。すでにこの地点で硫黄臭かった。雷鳥沢は一気に登るという計画だったにもかかわらず、リーダーのペース配分ミスで一個休憩を入れる。二番目を歩いていたが、もっと早くに忠告すればよかった。反省。他班は立山縦走とかしてたらしいです。はい。テント設営の後に研修。アンカーをいっぱい作った。
テントはアライのエクスペディションドームだったが、中に細引きを通すことで干せた。テント生活はうまかったとはいえず、隣の人が物をよくなくしたし、時間は守れなかったし。あと、ガスヘッドが安定してるから気を配ることがおろそかになってしまった。反省。
二日目は雪上歩行の訓練と雪上のロープワーク訓練だった。一服剱と前剱の間をうろうろしてたわけだが、ロープワークの際、コミュニケーションをうまく取れず時間がかかりすぎた。うまくいかなすぎて、自分のセルフをとってしまう事態を引き起こしてしまった。反省。三日目は剱山頂のアタックでもあったし、自分がリーダーになるという事もあって、今までの反省点を活かし、引き締めを強化した。とにかく時間をメンバーに意識させることが大事。一人だけマイペースな人がいて苦労したが...
長次郎谷は崩れる可能性があるということで平蔵谷をピストンすることに。また、雪上歩行の充実というテーマもあって、カニのたてばい、よこばいの間にあるエビのルンゼという急登を登ることになった。武蔵谷より平蔵谷のほうが広いし、平蔵谷の向かい側にはまた谷があるので、参考にしてください。出合に着いたところでトラブル発生。サングラスを忘れた人がいたのでSLと一緒に取りに行かせる。ここで設けたリミットが精神的にのしかかってくる。待機してる間に源次郎尾根の入り口ルンゼが大きい雪崩を起こす。滅茶苦茶ビビる。講師の人達の空気が変わる...平蔵谷は危険個所であるから一気に上り詰めないといけない。トレースを踏んで怒られる。クレバスを探したり、雪崩が来ないか、前方確認することで消耗する。結果二時間で上り詰めるが、コルで黒田先生に怒られ鈴木先生に褒められる。まさにアメとムチ...というか研修会中ずっとこんな感じでした。コルでお説教。リーダーはトップを交代することに躊躇しなくていいし、後続はトップを気遣うこと。ここでも自分のコミュニケーション不足が露わに。猛省...
頂上は無事に踏めたけど、平蔵の下りで靴に水が入る。おそらくスパッツの緩みが原因だと思われ。剱沢最後の詰めでダッシュさせられる。辛かった。体力の無さすぎ。
雪洞を掘る訓練になるが、雪が固すぎてスノーソーがたわんだ。縦に掘って、二人分の場所を確保してから横に掘り進むというのがよさげだった。とにかく風をしのぐという意味では合理的であるもんね。
最終日は早く見積もりすぎて、テントをたたんでから1時間寒い思いをした。遅いよりはましだろ。うん。搬送訓練は...経験してくれ。経験しなきゃダメだと思う。あれをやれば色々変わると思うよ。人生観とか。雷鳥沢を下ると元来た道ではなくて西から巻気味でのっこすコースを本部から指令される。一班は室堂山荘で登り返しさせられてた...
最後に自分は体力なかったせいでいろいろ苦労したけど楽しかったし、貴重な経験が出来た思う。この時期の剱岳周辺を登るなんて滅多にできない事ですよ。だから、春山研修来年も誰か行って欲しいし、これから雪山を部に定着させていくには必要なことだよ。うん。何か聞きたいことがあったら文責者までよろしくお願いします。