GOLDEN山行 ~失われた八甲田へ~
CL池田 SL水間 椎谷 新村
気象:中村 食当:松島 医療:高田 装備:吉田
前夜発2泊3日 5月4日から6日
0)上野or大宮駅=新幹線=青森駅
1)青森駅=バス=酸ヶ湯―仙人岱ヒュッテ―硫黄岳ピストン―仙人岱ヒュッテ▲
2)▲―大岳非難小屋―大岳山頂~大岳非難小屋―井戸岳~大岳非難小屋―酸ヶ湯=バス=猿倉温泉▲
3)▲―猿倉岳―ニセ駒―駒ヶ峰―デポ―櫛が峰~デポ地―駒ヶ峰―猿倉岳~猿倉温泉=バス=谷地温泉▲
0日目
昨年度行うはずだったわたしの春合宿は、文登研の事故に象徴されるような驚異的な積雪と、吉田君の個人的♪な理由によって阻まれた。私も就職しない!!って思っていたからあっさり「じゃあ、GWに行こうよ」ということになったのである。
集合は青森駅。でも、みんな同じ新幹線に乗った。GW時の高速バスは取れず、15000円くらい出して快適な列車の旅。バス券は早めに手配しておきましょう。二ヶ月前から確かOK。10410円なり。青森駅ではバス停の横の屋根付のバス乗り場に張る。駅員さんが来たけど「朝早く出ます」っていったら、いいよっていってくれた。みんな思い思いに散ったのだが、男子軍はくそまずいラーメンを食べて気持ち悪くなっていた。女性陣は着替えを済まして買出しなぞしていると、野宿をしようとしている老夫婦を発見!!響子と恵の熱心な勧めにより、4人テンを提供することに。老夫婦はありがたがって…次の日、3000円を置いて去っていった。情けは人のためならず。
1日目
さてさて、その三千円を活用して朝市でごはん。わたしは去年久富さんがうまそうに「三色丼」を食べていて「さすがリーダー!!」と妙に納得した記憶があったので、安いほうの「三色丼」(1800円)を頼んだ。…つもりだった。が、請求は3000円!!安いほうの三色丼は「安いほう」といわなくてはだめなんだそう。みんな気をつけよう。思わぬところで奮発してしまった。
バスは酸ヶ湯までなら7時50分のバスが最速。
酸ヶ 湯について、一息入れてから出発!!オーダーは池田、新村、吉田、椎谷、高田、中村、松島、水間の順。下はさすがに雨ではなかったが、登るにつれて天気が
悪くなり、視界がきかなくなってくる。まあ標識を見失うほどでもなく順調に進む。よくわからなくなったら高みに登れば、標識が見える。慌てないこと。
天候はさらに悪化し、地獄沢入り口の一休では雨もぱらぱら降ってくる。しかしわたしは面どくさくなってたのでトップを吉田に交代。地獄沢に下りるところで吉田こける。ゴメン。
ワンピッチで仙人対ヒュッテへ。CLの独断でテントで寝ることに。しかもテント分けは4年+2年、3年。あー、幸せ。
テントを張ってから硫黄岳へ。視界は悪かったが、去年行っているし、相当近いので出発することにした。が、やってしまった!!ポコを登ってしまったのである!あちゃー。仙人岱ヒュッテまで戻って再出発。うーん…。硫黄岳の下りはそこそこ楽しかった。
さむくなってきたのでヒュッテの中へ。ストーブあり。ところが、酔っ払いがいてうるさいためテントへ避難。天気図、局番は青森はちなみに740くらい。夜は貴重な水間のお話。
2日目
今 日も天気がさえない。停滞するのもばからしいので、出発。大岳をまわり、大岳避難小屋へ。この辺もポールが打ちまくってあり、視界が悪くても迷わない。ま
たは大竹に沿って回っていけば大丈夫。大岳避難小屋のノートを見て、しばし去年のことを思い出す。わたしはフランス語で書いていた。さすが、当時フラ語を
通したてだっただけのことはあるナ!
早速大岳へ登る。問題なし。さすが5月 だ。頂上だけは雪がないのでつぼで。視界もないので適当に写真を取って降りる。下りもみなさん、そこそこ順調。まっすぐ降りてくれば大丈夫。あまりにも大
岳があっさり終わったので、井戸だけにものぼった。登りは登山道でスキーを担いで登る。井戸だけからは沢に向かって滑る。ここ、最高!!めっちゃくっちゃ
快適なバーン!!すっとしたまで降りたかったが、みなの反対のため断念。200メートルくらい滑ってすぐに進路を右にとり、大岳避難小屋に戻る。なんとここで、わたしの文登講のときのメンバーがいた!久しぶりー。
大岳避難小屋からは、大岳循環コースが藪のため困難だったので宮さまコースに合流するルートをとった。大岳避難小屋から真西に行き、沢筋へはいると、宮様ルートのポールとぶつかる。このルートも快適!!一回やや急な沢筋を横切ってから、循環コースに合流する。ここから30分ほどで湯沢ゲレンデ、酸ヶ湯についた。あーよかった…
と思うのは、まだ早かった。
酸ヶ湯のくそ男ども…。山行後、酸ヶ湯温泉に入ったんだけど、もう、すっげー。女湯に向かって男どもが腰掛けている。「なんだこのギャラリーは!!」
まったく、恥ずかしくないのかね。明らかなのぞきじゃん、これって。「*チ*ぶらさげてんじゃないわよ」という恵嬢の名言も飛び出した。そうだそうだ。
結論:3月はいいけど、5月は酸ヶ湯は若い娘は入るもんじゃないね。まったく…
そしてその日は猿倉温泉まで移動。トイレの脇にテントを張る。夕飯のシチューがうまかった。雨降りだったのでトイレ横のロビーで食べる。
3日目
待ちに待った、南八甲田。憧れの南八甲田。
天気も、なぜかど快晴。 沢をわたり(ひびが入っている)、急登をへて尾根に乗る。天気がいい。背後には高田大岳がくっきり見える。気持ちがいい。足がはやる。一回進路を変えると
ころではちゃんと標識があった(沢の最低部の向こう岸あたり)。しかし、ちょっと沢筋に降りなければ見つけにくい。そこを過ぎると、だだっぴろい緩斜面が
えんえん続く。迷いそうな地形。猿倉岳につく。だだっ広い稜線をひたすら歩き、ニセ駒を通り駒ヶ峰へ。地図上ではほんとにわずかなんだけど沢筋が入り込ん
でて、ちょっと驚いた。トラバースっぽくて冬は注意かも。櫛が峰から降りる時までシールはずっとはずさなくていい。わたしはこまめにはずしてしまったため
に、シールの粘着力を無駄に弱めてしまった。櫛が峰の登りは、5月だから何でもない。もし3月だったら、いろいろ面倒だろうが。ガイドとおり、国境線どおりに登った。私のシールが一番きていて、最後はつぼで登った。
ピークからの眺めは最高で、青い影のような岩木山も見える。2年 生は脱いでくれるし、最高!!思いっきり眺めを満喫していざ、滑走。しかし、晴れていたからよかったようなものの、視界がなかったらどっちの方向へ降りて
いいのか、どこが快適におりれるのか迷うところだ。斜面には緩やかな沢筋なども入っているので、雪が落ち着かないときなどは注意すべきだ。わたしたちは
ピークから左に50mくらいまわりこみ、すなわち上ってきたルートでおりた。すごいバーンだ…
帰りは、だるすぎ!!
高田もシールがよくはずれるし、わたしはかたっぽシール、かたっぽスキーで帰った。これがなかなか快適!!南八甲田のような地形では使える!!(反対者もいたが)
猿倉からの滑走も程よく、快適。しかし、目印はまったくないから視界が悪かったらこわいところだ。
そして、谷地温泉へ。
谷地温泉は、そこまで酸も強くなく、ギャラリーもいなくて、いいところだ。
夜は三人テン!!楽しかったー!!!悔いなーし!!!
*リーダーコメント
ともかく、春合宿を完遂できてうれしい!
この時期八甲田はひとがうじゃうじゃ。北は言わずもがな、南もたくさんいた。山中泊する人は少ないので、仙人岱ヒュッテなど小屋を利用することはできると思うが。五月ということで、シールが弱くなりがちだった。3月との気温の違いでこまったのはこの辺だけだろうか。あとは雪もしまり、暖かく、安全度は上がる。アイゼンを持っていったが、アイゼンを使うような天気なら5月なら入山しないから、いらなかったのでは。
しかし同時に、雪はその分白さを失い、静寂さも、身の引き締まるような寒さもない。3月に、南八甲田にきてみたい。
ま た、今回は山スキー初の女性リーダー層、ということでパワー的問題(持久力、瞬発力)があった。私としては、リーダー足り得たのではないかと思う。今まで
のように何でもやるリーダーではないが、「メンバーを生かす戦略」を立てれば、雪山も突破できるのではないだろうか。私の場合メンバーに恵まれていた面も
ある。3年は言わすもがな(全員文登講、研に参加)、2年の男の子達ものぼりではほとんど手がかからず、下りでもそこそこ滑れる実力があった。また、2年3人とも体力に関してはまったく問題なかった(気力を失うことはあったが)。三年の女の子達は本当に面倒見がよかった。感謝。
また、山スキーは体力というよりスキー技術が決め手、ということも感じた。体力の消耗はスキー技術如何にである。頭を使い、柔軟に対処し、体力的限度を見極めたプランならば、女リーダーもありだ。
キャラの濃いメンバーで晴天の八甲田、と最高のゴールデンウィークだった。最後に?加奈とリーダーを組めたことも本当に幸せだった。わたしたち二人が部屋でだらだら話してる時の毒舌振りと気まま振り、その楽しさったらないのだ。
山スキー最高!