個人山行湯檜曽川東黒沢&宝川ナルミズ沢右俣遡行
文責 西垣健大
山行日時 2010年9月21日~9月22日
メンバー CL西垣(w4) SL森田(w3) 気象松川(w2) 食当横岩(w1)
日程・コースタイム
9月20日(0日目):国立st~(TRAIN)~土合st▲
9月21日(1日目):土合stー0:20-入渓点ー1:50-白毛門沢出合ー2:20ー奥の(1:1)二俣ー2:30ー広川原ー1:30ー大石沢出合(pm13:30に行動終了)【合計行動時間 8:30】
9月22日(2日目):大石沢出合ー1:10ー魚止滝下ー3:20ーツメ終了地点ー1:50ーJPー2:30ー笠ヶ岳ー4:00ー土合st(pm18:25行動終了)【合計行動時間 12:50】
(※休憩時間や沢装備解除などの時間も含む)
地図・資料
エアリア 昭文社 山と高原地図「谷川岳」
25,000分の1地図 国土地理院「茂倉岳」「藤原」
遡行図 山と渓谷社『上信越の谷105ルート』
滝対処
東黒沢
入渓点 土合橋を渡らずに左岸にあるキャニオニングガイド店の右にある踏み跡をたどり、やや古めの小さい鉄橋の下を流れているのが東黒沢。その橋を渡り林道を少し歩いて大きな堰堤を越えた右岸から入渓する。
5mナメ滝 問題なし。
ハナゲの滝 右岸の残置のある個所から巻き道を使うルートと、左壁からナメを登って落ち口から巻くルートがある。今回は後者。いずれにも巻き始めには残置ロープが出ている。巻きルート明瞭。直登も容易。巻き終わりのやらしいところにもフィックスがしてある。下降時は前者の全巻きルート。
4mナメ滝 右から。
4m 左岸小巻き。直登は渋め。
ゴルジュ淵場 腰辺りまで浸かって水洗突破。左岸巻きはシビアに見えた。巻きルートを選んだ際、降り口には残置ザイルがある。今回は水量少なめだったのか(?)
ゴルジュ3m 左から直登。
トイ状小滝 左からへつり気味に登って、上部で右へうつる。
10m3段滝 水流右の階段状からフリーで突破。
4m幅広滝 両直登可。右岸巻きもあり。
4m2段滝 左壁。
8m2段滝 左壁。
20mナメ状 滝下段右、上段左直登、あるいは右岸巻き。直登時は特にスリップ注意だがホールド・スタンスともに豊富。
奥の1:1二俣 手前の二俣と混同注意。奥の二俣には右ルートの木から赤布が垂れている。
藪こぎ
水が枯れてくると藪こぎのスタート。赤テープ等の目印があるのははじめのうちだけで、それ以降はコンパス・地図を頼りに進むことになる。本格的な藪になったら、きちんと北へ進むように。すると下降点に赤テープが見えてくる。
ウツボギ沢~広川原
あらわれる滝はほぼクライムダウンで対処。一か所だけ右岸巻きでPRを出した。
広川原~大石沢出合
時間短縮のため登山道を利用する。くるぶしほどまで浸かるぬかるんだ泥道で、安全上は問題ない。
ナルミズ沢
大石沢出合3m 左が簡単。
3m 腰下くらい浸かって右から直登。右岸巻きはルート不明瞭で高巻きにつながり、悪い。
小ゴルジュ3m 左直登。両岸とも巻き道は危険か。
3m 左岸の巻き道から。ふみ跡は明瞭だがひざ位までぬかるんだ道をゆく。次の4mもここでまとめて巻く。
4m 上記参考
8m魚止滝 階段状になっている右壁から。テクニカルなホールド・スタンス選びを要するので、新人がパーティにある場合は確保するのがベター。
8m 左から。
3m 左から。
二俣 目的にもある「天国へのツメ」へ行くにはここを右へ。
二俣後
7m程度の滝 左から直登。はじめのとりつきが難しいがそこを越えればあとはホールドスタンスともに豊富で階段状。あるいは左岸小巻き。こちらも踏み跡明瞭で有力な対処だが、落ち口へのトラバースが草付きで少しいやらしい。
釜の深い滝 直登。左・右いずれから登ってもテクニカルなホールド・スタンス選びを要する。右岸の草つきを巻くルートは落ち口までがかなり逆層なので避けるべき。何気に核心部。
テン場情報
広川原は5張ほど。大石沢は沢床1Mくらいに良いスペースが3張り分ほどあり、かなり傾いてゴツゴツしているが沢床より4Mほど高い場所に1張り分のスペース。魚止滝下に1張り分。ナルミズ沢二俣後~7M程度の滝のところに1張りほど張れる。
携帯電話
広川原 ドコモ○、大石沢 ×、朝日岳~笠ヶ岳のコル ドコモ・au ○、それ以降の登山道はSB以外おおむね良好。その他は不明。
その他
●登山計画書は土合STで
●ツメ終了からJPまでのタイムをエアリアから推測しない方が良い。道が整備されておらず、ひたすら笹バースを強いられ、さらには地形もアップダウンが激しくなっており相当にしつこい道だと心づもりしておく必要がある。
【CLコメント】
計画段階ではかなり楽しみな山行だったが蓋を開けてみるとかなり無理のあるパッケージだった。2日間とも行動時間が長い。1日目は8時間30分とはいえ、東黒沢遡行・ウツボギ沢下降・ナルミズ沢への登山道の登り、とアップダウンが大きく運動量としてはかなりのものとなる。2日目は言わずもがなだろう。かといって、笠ヶ岳の避難小屋で行程を分断するのもサムい。するとやはり、多少アプローチが面倒であったとしても東黒沢はカットし、宝川温泉から入ってナルミズ沢を遡行し、ツメや朝日岳の草原を楽しんでサクッと帰るのが安全で楽しいのではなかろうか。大石沢でベースキャンプを張り、朝日岳から再び宝川温泉へ抜けていくというルートも良さそうだ。なんにせよ、今回は少人数かつ体力系メンバーでの山行だったからどうにか無事に下山できたといった感じ。トレーニング要素の相当色濃い山行となってしまった。(下山は雨の中へッ電歩きという泣きっ面に蜂状態。)
沢自体は大きくて開けていて何よりきれい。しかも、滝対処がさほどに困難でないから、使いやすい沢だと思います。最後のCLで無事故で完全遡行できてよかったです。ありがとうございました。
以上!